デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

エリック・カーが紡ぐ殺人魚雷コンビの咆哮。 クラシックロック探訪30 クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト/キッス

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本日11月24日はキッスの二代目ドラマー、エリック・カー(本名:ポール・チャールズ・キャラヴェロ)の命日です(実はフレディ・マーキュリーの命日でもあるのですが…)。

エリックはピーター・クリスの後任として1980年KISSに加入。

初参加アルバムは81年のサントラに成り損ねたコンセプト・アルバム「~エルダー~魔界大決戦」ですが、すみません、これはノーカンで(笑)。

フルレンジアルバムとしてのデビュー作は、同年発表のこちら。

クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト/キッス

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Creatures of the Night/KISS

 

LP発売時の邦題は「暗黒の神話」。キッスがヘヴィ・メタル路線に舵を切るターニング・ポイントとなった作品です。

この流れを牽引したのが、エリックの重くて速いドラム(ピーター・クリスはどちらかと言うとジャズ寄りのアプローチでした)。

特に勇壮なドラムイントロに導かれる「勇士の叫び(I Love It Loud)と、後に「ファイヤーハウス」に代わってジーンの火吹き曲となる「ウォー・マシーン(War Machine)は白眉。

89年「ホット・イン・ザ・シェイド」の発表に伴うツアー中に。非常に珍しい心臓の癌と診断され休養。一旦は持ち直したものの動脈瘤を併発。血流が脳に癌細胞を運び脳内出血。

1991年11月24日、エリック・カーは41年の生涯を終えました。

「勇士の叫び(I Love It Loud)」は、全日本プロレス殺人魚雷コンビ(殺人医師スティーブ・ウィリアムス&人間魚雷テリー・ゴディ)の入場テーマに使われ、日本中の会場を沸かせました。

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総当たりシングル戦のチャンピオン・カーニバルで二人が対戦した時は、双方がこの曲で入場、1試合で2回聴けるお得な回でした。

全日本マットを活性化させた殺人魚雷コンビですが、テリー・ゴディは2001年7月16日、心不全で急死(40歳没)。

スティーブ・ウィリアムスも2004年に喉頭癌が発覚。声帯全摘出を行い回復に向かいかけましたが、2009年再発。同年12月29日に帰らぬ人となりました(49歳没)。

全員40代か…。気が付けば皆年下。

今日は懐かしの名曲を聴いて、3人に想いを馳せたいと思います。


 

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★フレディ絡みもちょっとだけ。 

 


★エリック・カー以前ですが、KISSで1枚なら 

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★本日のTV放送【21:00~BS-TBS 

mandarabatake.hatenablog.com

 

【夢結様、それは】アサルトリリィ ♯7 フリージア【ヤキモチです】

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『夢結様、そうは言ったもののどこか落ち着かないんじゃありません?』

『…多少』

『胸の内がざわざわと?』

『…かも、しれないわね』

『ささくれがちくちくと痛むような?』

『…なぜ、それを?』

『夢結様、それはヤキモチです!』

仲間からも恐れられる孤高の一匹狼が、まさかの梨璃ロスで禁断症状。

流石レアスキル、カリスマ。天然フラグ建築士

「アサルトリリィ/第7話・フリージア

(2020年11月21日深夜BS-TBS放送/宮崎修治演出)

 

何やら怪しげな積み荷(大量の繭のようなもの)を抱えて航行中の船舶をヒュージが急襲。

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翌朝、海辺にマギを失い自身の形態を保てなくなったヒュージの残骸が打ち上げられ…。

一柳隊が調査に赴きましたが、そこで梨璃が積み荷の繭をひとつ発見(残りの繭は潰れてしまった様子)。それはまるでLCLのゆりかご。

中からは記憶をなくした(と言うか恐らく最初から無い)少女が(仕組まれた子供?シスターズ? 因みに中の人は「しまむら」)。

で、ここからの流れが現在放送中のダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ」の第1話と丸被り(あくまで表層的なお話ですが)。

比較しつつ、ざっと流れを追ってみると(画像はいずれも左がリリィ、右がダンまち)。

①出会う(拾う/保護する)

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②第一接触者に懐く(保護者認定される)

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③踏み込み過ぎを仲間に軽く叱責される(でも認められる)

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④餌付ける(「あ~ん」は基本)

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⑤名付ける(夢結と梨璃から各1文字で結梨-ゆり-。もう愛の結晶)

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⑥更に懐く(家族認定される)。そして…

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⑦この機会を利用して裏で何事か画策している者がいる

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パズルのような嵌り具合(笑)。

少女に入れ込む梨璃に喪失感を覚えてしまう夢結がポンコツ可愛い(この人、どんどんクールビューティから遠ざかっていくなぁ)。

 

 

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★本日11月23日は小林桂樹(1923~2010)の誕生日。

小林桂樹と言えば「日本沈没」田所博士ですが、一番好きなのはやはりこれ。 

 

★そしてもうひとり、今日はフランコ・ネロ(1941~)の誕生日(おめでとうございます!)

ネロと言えばジャンゴですが、ポリス・アクションもなかなか。 

あーやっぱりジャンゴは捨てられない(笑)。 

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【永藤は見た】安達としまむら ♯7【家政婦よりは控えめに見た】

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『で、バレンタインがどうかしたの? ふうん…あ…私か⁉

ギャグアニメなら間違いなく「ズキュン!」という効果音が入る所です。

安達昇天。

そのまま逝きかけた所をしまむらに引き戻されて、腕の中。

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正夢ならぬ正妄想。これもラッキースケベなんでしょうか。

安達としまむら/第7話・私に相応しいチョコを決めてください」(2020年11月20日BS11放送/山内東生雄演出)

今回からOPの映像が1カットだけ新しくなりました。

仰向けに寝た二人の手。今までは少しずつ近づくだけでしたが、今回から小指を絡めるように!

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左:先週まで  右:今週から


進展に応じて絵柄にも変化がつくという事でしょうか。いや芸が細かい。

さて、無事クリスマスを終え、新年の挨拶もして新学期。

気がつけば2月。もうすぐバレンタインデー。

『ええっと…チョコが欲しいのか、あげたいのか、どっちなのかな?』

ますます挙動不審に拍車の掛かる安達ですが、その分しまむらの察しが良くなっているので不都合は無し(笑)

安達の希望は「交換」。

『でも、こういうのは当日ぱっと渡すから、びっくりして面白いんじゃない?』

『私は…私は分かっている方がいい。あると分かる希望なら信じられるから』

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流されることに疑問を感じない(自然な処世術として最適解を受け入れてきた)しまむらと、かつては外界の全てに関心が無く、あらゆる関係性を拒んできたのに、今は濁流に逆らってでも目的地に辿り着こうとする安達。

触発されたしまむらも少しずつ…。

本日2月4日。長い10日間の始まりです。

 

おまけ

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『そう言や、今年もチョコいる?』

『甘いの好き!』

『ほいほい。じゃあ、今年も何か買ってくるか』

最早「老夫婦」と言っていい安定の境地(笑)。

そしてCパートでしまむらの昔の女(小学校時代の親友)樽見登場。

あー来ちゃったか。アニメではスルーしちゃうかもという淡い期待を寄せていたのですが…。

別に悪い子じゃないし、恋愛感情的に三角関係になるという訳でもないのですが、安達にとっては人類滅亡レベルの災厄(中の人は「やがて君になる」佐伯先輩。百合対抗馬筆頭じゃないですか)。

少しくらいなら宇宙の理を捻じ曲げてでも安達に幸せになって欲しいと願うこちらとしてはあまり目に入れたくない存在なんですよねえ(原作も樽見のシーンは飛ばし読みしていました)。

再会はお肉のながふじ。目撃者は勿論、永藤。

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『永藤は見た。家政婦よりは控えめに見た』


永藤の持ちネタはどれも昭和の香りがします。

余談ですが、日野と永藤の(シグルトリーヴァに匹敵する)ハイテンション予告は完全にクセになってしまいました。


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★本日11月22日はジェイミー・リー・カーティス姐さんの誕生日(おめでとうございます!)

若い時はスクリーミング・クイーン、近年再び「ハロウィン」で原点回帰。押しも押されぬホラー・アイコンとなりましたが、実はコメディエンヌとしてもなかなかイケる人なんです。 

 

★そしてもうひとつ。11月22日はモーリス・ラヴェル作曲の「ボレロ」がパリで初演された日(1928年)であり、バレエ振付師モーリス・ベジャール(1927~2007年)がお亡くなりになった日です。

となればご紹介はこれ一択。 

※なんかしょっちゅう引き合いに出している気もいたしますが…。

 

 

【おっとそのパイソンは撃てないぞ】ひぐらしのなく頃に 業 #8【綿騙し編 其の四】

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死体の山を築いた挙句、謎の累積赤字で自己破産した「綿流し編」。

園崎家の地下牢に監禁されていた詩音は圭一と共に救出後、自宅マンションから投身(自他殺不明)。

主犯・魅音は逃走中に再び圭一を襲うも、それ以前に園崎家地下の井戸の底から梨花・沙都子と共に遺体で発見。

焼死体で発見された鷹野は検死の結果、死後24時間経過…つまり、祭具殿に侵入した時には既に死んでいた。

あの魅音はどの詩音? 祭具殿に入った鷹野はどの鷹野?

『今回の事件、死体が歩き回りすぎなんですよ』

by大石刑事


その辺り、「綿騙し編」では詳(つまび)らかになるのかしら…と思ったら遥か予想の斜め上。

ひぐらしく頃に 業/第8話・綿騙し編 其の四」

(2020年11月19日BS11放送/池端隆史演出)

 

白昼学内で忽然と梨花失踪。

綿流し編」では、梨花、沙都子が失踪、事件の中心に魅音がいると推理したレナは圭一を連れ立って園崎家の門をくぐりますが…今回何とレナの出番がまるっと無し!

圭一は魅音に招かれ単独で園崎家へ。

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綿流し編」(右)ではレナが魅音を糾弾しましたが…。


魅音は園崎家地下にあるセーフルーム(どう見てもハイテク座敷牢ですが)に圭一を監禁(鬼隠しのマトにかけられている圭一を守るため…らしい)。

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訪ねてきた何者かと対峙するためにピストル一丁忍ばせて地下室を後にする魅音ですが…。

魅音が手にしたのは一見、コルト・パイソン357。でも、シルエットがちょっと変。

イジェクターロッドがない!これではシリンダーをスイングアウトできません。

横に実包がたんまりありますが装填できないぞ。

これ、シリンダーがボディと一体化したガスガンのシルエットです。何故わざわざそんなものの画像を参考に…。

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右上に重ねたのがイジェクターロッドのないガスガン。
左下の黄色枠内がイジェクターロッドのあるパイソン。


後々、答え合わせ編で説明があるのでしょうか。現時点では単純に作画ミスに見えますが…。

来訪者(侵入者?)は沙都子。経緯も目的も不明ですが、沙都子は何か(誰が梨花を殺したのか?)に気付き、園崎家にカチコミをかけ…結果、魅音と相打ちになって果てたようです。

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倒れた二人の中間に魅音のものとは違うオートマチックピストルがあるので、これが沙都子の得物だったのでしょう(画像が小さいわ粗いわで特定不能。M1903辺りが近いような遠いような…)。

この時の銃声を「たまたま」聞きつけた大石配下の刑事が園崎家に突入して、地下の圭一を発見、保護。

ついでにその奥の古井戸から詩音・村長、そして園崎家現当主・お魎の死体を発見(梨花は学校の便槽の中で…不憫すぎる!)。

何と圭一とレナを残して全員死亡という驚愕の幕切れ(富竹・鷹野は依然行方不明のまま)。

核心部分は何も明らかにされないまま、次週から北条沙都子不憫絵巻「祟騙し編」スタート。

 

おまけ

体当たりひとつで枠ごと外れる座敷牢ってどうよ?

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★さて、パイソンと言えば… 

 

 

 

 

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★本日11月21日は作曲家・山下毅雄さん(1930~2005)の命日。

山下さんと言えば何はさておき旧ルパンですが、その守備範囲は特撮から実録ものは実に多岐多彩。

特撮と実録から気になる所をつまんでおきます。 

 

 

【邦題に騙されるな】名もなき塀の中の王【虚勢と支配と親父と息子】

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『お前の父親でよかった…』

(Proud to be your dad.)


北アイルランド少年刑務所で歳を重ねて、一般刑務所に移送となったエリック・ラブ(ジャック・オコンネル)。囚人番号C9487WB。19歳。

年院での度重なる暴力沙汰が祟って、最重要監視対象として独房へ。

この刑務所には人生の大先輩、父親が収監されておりました(無期刑で)。

「名もなき塀の中の王」
(2013年/デヴィッド・マッケンジー監督)

 

よくここまで内容を反映しない邦題をつけられたものだと感心します。

これじゃまるで少年が機知と度胸で囚人のカリスマに昇りつめていく話みたいじゃないですか。

原題は「STARRED UP」。業界用語で、少年刑務所から成人刑務所に「昇格」することを意味するんだそうです。

大人には大人のルールがあります。キレやすい子供が大人の社会へ。学生が卒業して就職して社会に出るようなものです。塀に守られた場所から塀で隔離された場所へ。

独房に入るや否やエリックは安全カミソリ踏み潰して刃を取り出し、歯ブラシ燃やしてカミソリ埋め込み、柄の先を溶かして蛍光灯カバーを止めるネジ穴に押し当てて、即席のドライバーを作り、お手製の武器をカバーの中へ。

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何と言う手際の良さ。一瞬の迷いも無し。その行動力を他の事に役立てれば違う道が開けたでしょうに…。

ムショ内の序列など知った事かとばかりに気に入らない奴はタコ殴り。

ライターを分けてくれようとした親切な向かいの独房の黒人をそうとは知らずにドタマカチ割り(ゴルゴ13か、お前は!?)。

押さえつけられれば看守の股間に喰らいつくマングース殺法。

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この駄々っ子を何とか「社会」に適合させようと気を配る心理療法士オリバー(ルパート・フレンド)と集団治療の参加者たち。

何より、父ネビル(ベン・メンデルソーン)が息子を思って心砕いているのですが、まぁこの親父が息子に輪をかけてクソ(笑)。

虚勢と嫉妬と支配欲に満ち溢れた瞬間核融合炉(しかも長期ご滞在の特典でゲイ)。この親にしてこの子あり。

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気持ちも想いも聞こえず届かず交わらず。互いに癇癪、殴り合い。

濃いなぁ遺伝子。

悪目立ちしすぎたエリックは、囚人・看守双方から的にかけられ…。

ちょっとサスペンスフルな香りがしなくもないですが、基本、刑務所の中であがく人々のプリズン・グラフィティ。

主人公はヒーローではなく、心理療法士は理想を全うできず、手鼻くじかれ足すくわれ。

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ドラマらしいドラマがない上に主人公親子がクズなので、退屈と感じる人もいるでしょうが、エリックの最後の一言に製作者の良心を見ました。

良作だと思います。

 

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★本日11月20日全日本プロレス名誉レフェリー、和田京平氏の誕生日(おめでとうございます!)。

もう「プロレス者」稼業は足を洗ってしまったのでご尊顔を拝することもなくなっておりますが、2015年の「世Ⅳ虎(よしこ)vs安川惡斗」の試合映像で比較的最近の様子を確認することができました(話の本筋はジャッキー佐藤vs神取忍セメントマッチですが…)。 

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