デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【何でしょう、この刺さらない感】シン・仮面ライダー【一文字隼人情報とプロモーション映像】

f:id:zombieito:20220102132544j:plain

『これからおれが本郷猛になる…。かれの遺志をついで…おれが…大自然の使者、仮面ライダーになる!…この一文字隼人が「ショッカー」をたおす!』

漫画版「仮面ライダー」より。


11人の仮面ライダーの一斉射撃を喰らって命を落とした本郷猛。その亡骸の前で誓いを立てる一文字隼人。

f:id:zombieito:20220102132752j:plain


しかし、本郷猛は生きていました。地下研究所のガラスの器の中で。かろうじて取り出す事が出来た脳だけの存在として。

交信はテレパシー。

『おまえの目はおれの目だ! おまえの耳はおれの耳だ!』

『よし!! いくぞ猛。これからはおれたちはもうひとりぼっちじゃない! いつもふたりだ。ふたりで「ショッカー」と戦おう…!!』

仮面ライダー2号誕生の瞬間です。

果たして庵野版一文字隼人はどのような登場の仕方をするのでしょう。

「シン・仮面ライダー(2023年3月公開予定/庵野秀明監督)

仮面ライダー2号/一文字隼人の登場が告知されたのは昨年の10月10日(一文字隼人の誕生日)。

1号同様、前田真宏氏の手によるイメージビジュアルが公開されました。

f:id:zombieito:20220102133000j:plain

右が1号、左が2号です。


併せて2種類のプロモーション映像も。

プロモーション映像Aはテレビ版のOPを今回のキャストとデザインで完コピしたもの。

プロモーション映像Bはこれに若干のアレンジを加えたものになっています。

どちらも歌っているのは本郷猛役の池松壮亮。バイクに乗っているのも池松くん本人のようで、藤岡弘、リスペクト(と言うかテレビ版第1クールリスペクト)な内容になっています。

f:id:zombieito:20220102133151j:plain


要所要所比べてみましたが正に完コピ(右側がオリジナル)。

f:id:zombieito:20220102133230j:plain


違うのは今回お色直しされた各種デザインなのですが…。

う~ん、私はちょっと引いちゃいました。

まずはサイクロン。曲線をあしらった流麗な形状が魅力だったサイクロンのカウルが何かゴツゴツギザギザしたガサツなデザインに。

f:id:zombieito:20220102133314j:plain

惡の秘密結社みたいなロゴマークもなんだかなぁ…。


カウルだけじゃなく、マフラーやグローヴ、胸部のプロテクターやタイフーンベルトなど全てに渡って「いらんものがてんこ盛り」。

締めに蜘蛛男が登場するのですが、軽業師のような連続バク転に「これじゃキューティーハニーじゃん」

f:id:zombieito:20220102133440j:plain


上段2枚が今回登場する蜘蛛男(正式名称は不明)、下段左がTV版第1話に登場した蜘蛛男、中央が漫画版、右が「仮面ライダークウガ」第1話に登場した蜘蛛男ことズ・グムン・バ。

年明け1月1日には一文字隼人役が柄本佑であることが発表されました(1月1日はダブルライダーが初めて登場した第40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」放送から50年の記念日)。

新着情報が公開される度に微妙に熱が冷めていく「シン・仮面ライダー」。

古きものにこだわり過ぎて新しいものが(センスの無いデザイン以外)見えてこないのが原因のような気がするので、何か一発「おお、その手があったか!?」な発表を期待しております。


★ご参考

 

 

f:id:zombieito:20211203142620g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。

 

 

---------------------------------------------------------------

★本日1月3日はジョン・スタージェス監督(1911~1992)の誕生日。

正月らしい景気の良い作品を一発。

★そして本日は岩下志麻姐さん(1941~)81回目の誕生日(おめでとうございます!)

姐さんと言えば「立てられているのに罰ゲーム」なこれ。

 

【車椅子の殺し屋】ヒットマン:インポッシブル【ハードボイルドでもノワールでもない。青春映画だ】

f:id:zombieito:20211227145215j:plain

ハンガリー。脊椎に問題を抱え、手術しないと体内の臓器が互いを潰しあう独りバトルロワイアルが勃発してしまう車椅子の青年ゾリ。

単独歩行は可能ですが、言語と動作に障害を抱える友人バルバ。

彼らが出会ったルパゾフは元消防士。

f:id:zombieito:20211227145345j:plain


消火作業中の事故で両足を潰してしまい車椅子。消防士を辞め、刑務所のお世話にもなったルパゾフの今の仕事は「殺し屋」でした。

ヒットマン:インポッシブル」
(2016年/アッティラ・ティル監督)

 

このタイトルだと「お、新しい形のハードボイルドか」とか「ハンガリーノワールか」とかあらぬ期待をしてしまいますが、全然違います。

軽いコメディ要素も入った(ただ扱っている現実は重い)青春映画で、強いて近い箱を探すならバス男ナポレオン・ダイナマイト)」とかになりますでしょうか。

 


自分と母親を捨ててドイツに帰った父親の金に頼るのは嫌だと頑なに手術を拒否するゾリ。

ゾリとバルバはルパゾフの仕事を手伝う事に。

ミッションは見事クリアしましたが、単独行動前提の仕事に素人を加えた(それだけ発覚と返しのリスクが高くなる)事に依頼人が激怒。ルパゾフにゾリとバルバの殺害を命じますが…。

ゾリとバルバがコミコン用に描いているコミックが要所要所に挟まれ、グラフィック・ノベルの雰囲気も。

f:id:zombieito:20211227145633j:plain


「生きる希望も失った孤独な男が、最後に課した不可能<インポッシブル>なミッションに挑む!」なんて解説を読むとルパゾフが主人公みたいに見えますが、主役はゾリ。

f:id:zombieito:20211227145721j:plain


ただ、ルパゾフのヒットマン能力、特に射撃は見事。あの距離、あの時間であれだけの人数倒す(しかも車椅子に乗って)のはなかなかに神業です。

f:id:zombieito:20211227145747j:plain


友人バルバには直接的な加担の動機が見当たりませんが、まあ友達想いで付き合いが良い奴という事で。

原題は「TISZTA SZIVVEL」Google先生に訳して貰ったら「純心で」、Deepl先生に訳して貰ったら「誠心誠意」と出ました。ハンガリー人なら誰も知っている有名な詩の題だそうです。

嗚呼、どんどん「ヒットマン:インポッシブル」から遠ざかっていく…(笑)。

 

 

f:id:zombieito:20211203142620g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。

 

 

---------------------------------------------------------------

★本日1月2日は、テレビディレクター中川晴之助監督(1931~2018)の誕生日。

中川監督と言えば何と言っても「ウルトラQ」の異色作3本(「鳥を見た」「育てよカメ」「カネゴンの繭」)。

加えて本日は「ウルトラQ」の放送がスタートした日(1966年)。

正月二日目からの放送だったとは。何と前のめりな。

★本日のTV放送❶【20:00~BS11

★本日のTV放送❷【28:35~テレビ東京

御慶! 令和4年寅年、人を喰った虎列伝。

f:id:zombieito:20211225143009j:plain

あけましておめでとうございます!

すっかりマスクが第二の皮膚として定着いたしましたが、何故、映画の中の人たちはマスクをしていないんでしょう。

もう映画は現実を投影しないファンタジーの世界になってしまったようです。

さて、今年、令和4年は寅年。

映画で虎と言うとヒューマンな作品を思い浮かべるかもしれませんが、虎こそは危険の象徴。アクションにパニックにSFに大活躍のキャラクターでございます。

正月らしく(?)、血吹き肉齧る虎作品を並べてみましょう。

「武闘拳 猛虎激殺」(1976年/山口和彦監督)

 

虎と言ったらまずこれでしょう。ベンガルの人喰い虎シーザーvs倉田保昭

奇巌城(熱海城とも言う)の天守閣で虎対倉田のリアルファイト。接近戦で受けた傷は以後長年に渡り倉田の右手甲に刻まれることに。

f:id:zombieito:20211225143315j:plain

 

ドクター・モローの島
(1977年/ドン・テイラー監督)


獣人vs虎。「サンゲリア」のゾンビvs鮫と肩を並べる無茶振りスタント。獣人マスクの内部がヘルメット構造になっていたため、牙が通らず喰われずに済んだ…らしい。

f:id:zombieito:20211225143449j:plain

 

「猛獣大脱走
(1983年/フランコ・E・プロスペリ監督)


動物園の猛獣が狂暴化して大暴れする人でなしイタリア映画。見せ場としては象や豹や水牛の方が目立っていますが、虎も「地下鉄徘徊」というVIPな扱いを受けています。

f:id:zombieito:20211225143631j:plain


実はこの作品より前に作られた「猛獣大脱走/全市民緊急避難せよ」(1978)っていうアメリカ産TVMがあって、こっちも面白そうなのですがソフト化されてないのよね(因みに監督は「女王陛下のoo7」のピーター・ハント)。

f:id:zombieito:20211225143724j:plain

こちらでも虎大活躍。

 

地獄の黙示録
(1979年/フランシス・フォード・コッポラ監督)


登場時のインパクトだけならこれが1番かも。ジャングル散歩は危険が一杯。

f:id:zombieito:20211225143852j:plain

 

タイガーマスク/第105話・去りゆく虎」
(1971年9月30日放送)


締めは男泣きなこの1本で。

f:id:zombieito:20211225144025j:plain


★各作品のレビューはこちらから。

 

では、本年もよろしくお願いいたします。

 

 

f:id:zombieito:20211203142620g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。

 

 

------------------------------------------------------------

★本日1月1日は石井輝男監督(1924~2005)の誕生日(敬礼!)

石井監督と言えば江戸川乱歩ですが、乱歩系は引用頻度が高いので、今回は別の視点から。

★本日のTV放送【05:38~BSプレミアム/年越し映画マラソン

 

サイバー宗教ビジネスという現代の闇。 心霊×カルト×アウトロー

f:id:zombieito:20211224163052j:plain

『実質今新しく(宗教法人資格を)取得するのはほとんど無理なんですよ。

 別にね、ネット上でバーチャルにあるのかないのか分からないものを勝手に立ち上げるところには法律関係ないんで。

 新規で取らないで売りに出ている宗教法人ってあるんで。

 1千万2千万積めば買えるんで。

 を買ってきて、新しい教主を挿げ替えて、自分たちの作りたいイメージのおべべを着せてね、やるわけですよ。

 ちょっと気性の激しい、ま、ある種、統合失調症気味な、本物の能力者であれば猶更いいですけど、そこまで行かなくても、人にこう「あなた三日以内に死ぬよ!」みたいな事を凄い剣幕で言えるような、演技派の統合失調症っぽい人ひとり連れてきて、うまく持ち上げて、適当な教義吹き込んで、あなたにはなんとかかんとかの神が降りているんだからって周りがまくしたてまくれば多分できます』

但し、周りは頭のいい人で固めておくことが肝要。好き勝手言わせておきながら、きっちりコントロールして決してトップはとらせない。そうすれば、宗教ビジネスは立ち上がる。

1本の心霊ビデオから始まった人探しは、サイバー宗教ビジネスという闇社会に繋がっておりました。

「心霊×カルト×アウトロー
(2018年/谷口猛監督)

 

映像制作チーム「Sharaku Town(写楽街)」の代表で、ミュージック・ビデオやホラー作品を手掛ける谷口猛(たにぐちたける)による心霊調査ドキュメント。

知人から送られてきた心霊映像。依頼内容はその映像の真偽鑑定…ではなくそこに写っている人間の所在(要するに人探し)。

既に知人は捜索の手を尽くしたようで、谷口氏が心霊ドキュメントを作ったりしている事から、この心霊映像が何かの糸口になるのでは、と考えてのもちかけであったようです。

仮に知人を「依頼主A」、写っている人間を「失踪人B」として調査を開始。

幸い、現場が谷口の故郷・福岡である事から知人ネットワークでトントンと話が進むかに見えましたが…。

前金を支払っておきながら、突然音信不通になった依頼主A。

更に依頼主Aを知る人間(フリーのルポライター。とあるサイバー宗教ビジネスの取材で依頼人Aに接触していた)から「依頼主Aはこの話を持ち込んでくる数か月前に死んでいた」ことが発覚。

依頼主Aは知人ではありませんでした。なりすましです。

ここで前金も個人の貯金も底を尽いて継続不能になった谷口はクラウドファンディングで資金調達。無茶を承知で調査続行。

f:id:zombieito:20211224163525j:plain


その結果、おぼろげに分かって来た事は、

知人も失踪人もアンタッチャブルな世界に首を突っ込んで、知人は死亡。失踪人は文字通り失踪。真の依頼主は心霊映像をでっち上げ知人になりすまし前金を払ってでも失踪人捜索の手を広げたかった…。

何のために?

この調査がフェイクかリアルかは大した問題ではありません。

オフィスにこれ見よがしに積んである森達也ドキュメンタリーは嘘をつく原一男「ドキュメンタリーは格闘技である」、奥崎健三の「宇宙人の聖書」、そして原一男が奥崎健三を題材にし、未完と言っていい終わり方をしたドキュメンタリー映画の顛末を書き記したゆきゆきて神軍はヒントなのか、ミスディレクションなのか。

オチに辿り着いていない、という意味では「監死カメラ3」を観た時のようなストレスを感じても良いはずなのですが、何故か不思議と引き込まれ…。

冒頭掲げたサイバー宗教ビジネスに関するHOW TOがやたら印象に残りました。

★ご参考~デコイか撒き餌か隠しコマンドか。


よもやこのような怪しげな作品で1年を締めくくる事になるとは思いませんでしたが、本年はこれにて終了です。右も左も「エライこっちゃ」なご時世の中、お付き合い頂きありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

f:id:zombieito:20211203142620g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。

 

 

-------------------------------------------------------------

★本日12月31日は聖飢魔Ⅱの解散記念日X JAPANの解散日でもありますが、そっちはほっといて)。

1999年のこの日、デビュー当時からの公約通り解散。ラストミサを東京ベイNKホールで行い解散いたしました。

本日はデビュー当時の思い出を。

★本日のTV放送j❶【19:00~BS12】

 ★本日のTV放送❷【24:45~BSテレ東/シネマスペシャ

 

【Gメン’75以来の人と】総長を護(まも)れ!【西部警察以来の人】

f:id:zombieito:20211217164259j:plain

『筋を通す。それだけの単純な事が今の時代、難しい事になってしまった。どんな世界で生きていてもいいんだ。自分がブレなきゃな』

工藤組組長補佐・上杉(白竜)は、元警視庁SP。今の仕事は総長・板倉(内田裕也)の護衛。

総長、本日の商談は原宿の土地開発。元々手を挙げていた柴田組に引導渡して漁夫の利を狙う狡猾作戦。

テーブル挟んで対峙する総長と柴田組組長 柴田(藤原喜明)、幹部・鬼塚(ジョー山中)、総長の脇に控えるのは工藤組組長・工藤(伊吹剛)。

f:id:zombieito:20211217164438j:plain


狭い和室に圧をかます裕也、喜明、山中、そして剛。

何かこれだけでお腹一杯な構図です(笑)。

「総長を護(まも)れ!」
(2010年/辻裕之監督)

 

5年の歳月と3億円近い現金を投入している開発案件を掠め盗ろうとする総長の横車に納得のいかない柴田・鬼塚が板倉を殺(と)るため殺しのプロにお仕事発注。

上杉不在時を狙って放たれた凶弾。幸い、板倉は無事でしたが、流れ弾が一般市民の命を奪い…。

被害者女性の婚約者である結城(北条隆博仮面ライダー剣…のサブキャラ、仮面ライダーレンゲルこと上城睦月)は、復讐を誓い板倉の事務所に殴り込み。

事情を察した上杉は結城を再び襲ってくるであろう殺し屋軍団を待ち伏せる護衛部隊「シールド」のメンバーに誘い入れ…。

というちょっと異色なVシネです。

地味な展開ながら何気に面子が豪華なので、それだけで見入ってしまいます。

『サムライの生き方を受け継いでいるのは俺たちヤクザなんだよ。義を重んじ、盃に殉じて生きてる。それが任侠道であり、武士道なんだよ』

サムライの志を継いでいるのがヤクザという主張はさておき、六代目渋谷一家若頭、工藤組組長・工藤を演じる伊吹剛が渋い。

f:id:zombieito:20211217164839j:plain


「Gメン75」以来だなぁと思っていたら、「西部警察」でしか見たことの無い御木裕まで。

ガンエフェクトはいつもの浅生マサヒロなので絵面は申し分ありませんでしたが、辻監督にしては銃撃戦の演出のキレが今ひとつな感じがしたのは気のせいでしょうか。

どーでもいい話ですが、観ている間、伊吹剛と伊吹吾郎がごっちゃになって困りました。

伊吹剛さん、若い時はスリム系でしたが、歳喰って恰幅が良くなってシルエットが似てきちゃって(ここに必殺繋がりで新克利が割り込んで来て更に混乱)。

まぁ、こういう懐かし系の役者さんが拝めるのもVシネの良いところです。


内田裕也×ジョー山中と言えば、

★そして、内田裕也×白竜と言えば、

 

 

f:id:zombieito:20211203142620g:plainランキング投票です。よろしければワンポチを。

 

 

-------------------------------------------------------------------

★本日12月30日は「地下鉄記念日」。1927年(昭和2年)のこの日、上野~浅草間(2.2km)に日本初の地下鉄(現:東京メトロ銀座線)が開業しました。

地下鉄実現に尽力したのは実業家・早川徳次(はやかわ のりつぐ。1881~1942年。人呼んで「地下鉄の父」)。

工事中には様々なトラブルに見舞われたそうですが、その知られざる原因も描いていたのが、

レビューでは触れておりませんが、早川徳次役は宍戸錠でした。

★そして本日は鶴田法男監督(1960~)の誕生日(おめでとうございます!)

鶴田法男が監督し、上記「帝都物語」でブレイク(?)した嶋田久作も顔出ししていたのが、