デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ドリュー堕落の前祝い。 炎の少女チャーリー

ピアノ線で吊るした火の玉がまったり飛んでくる、という印象しかなかったのですが、観直したらいい感じの火球が結構な勢いで飛び交っていました。ガラダマ乱れ撃ち。 「炎の少女チャーリー」 (1984年/マーク・L・レスター監督) ETで人気爆発したドリュ…

パラダイス・アレイ(そして追悼:山本小鉄)

新日本プロレスの鬼軍曹、山本小鉄氏がお亡くなりになりました。8月28日。低酸素性脳症。68歳。まだ若いよなあ。今日は小鉄さんを偲んで、昭和のプロレスの匂いがするこの作品を。 「パラダイス・アレイ」 (1978年/シルベスター・スタローン監督) 1946年…

ダニー・リーに酔う。 漆黒[ノワール]

謎の男ダニー・リー。 ある時は悪を許さぬ熱血刑事、ある時は殺し屋チョウ・ユンファを助ける男気刑事。 北京原人を探しに行ったかと思えば、「香港人肉厨房」「幼女丸焼き事件」「八仙飯店之人肉饅頭」など鬼畜系にも精通し、意味も無く金髪女をはべらせて…

あのね、君たち・・。 細菌列島

三輪ひとみ嬢が出ている、あろうことか石野真子まで出ている。それだけで十分じゃないですか(←自暴自棄)。「細菌列島」(2009年/村上賢司監督)タイトルだけ見ると「感染列島」のバッタモンみたいですが(いや、事実バッタモンなのですが)、大馬鹿映画で…

フレディを、4つに畳む、圧搾機。 マングラー

シーツ用の巨大プレス機が人を喰うという“馬鹿丸出し”な話も、この人たちにかかると“景気のいいオカルト・ホラー”になるからあら不思議。 「マングラー」 (1995年/トビー・フーパー監督) 原作はスティーブン・キングの短編「人間圧搾機」(心に染みるタイ…

ジグソウ並みの無理難題。 殺人者はライフルを持っている

『もう私の映画では誰も怖がらない。見ろ!実社会の方がよっぽど恐怖に満ちている!』老境で尚恐怖映画に出続ける事に嫌気が差して引退を決意したベテランホラー俳優バイロン(ボリス・カーロフ!)。何不自由のない中流家庭で育ちながら大量殺人鬼と化す好…

えっと、どこが「死霊のえじき」? デイ・オブ・ザ・デッド

もしこれが「パラダイス・アーミー/悪魔の毒々バタリアン」というタイトルで公開されたのならなんの文句もありません。しかし、リメイクを謳ったとなると、ちいっと事情が変わります。これのどこが「死霊のえじき(Day Of The Dead)」なんだ? 「デイ・オ…

若い(水谷)×クドい(丹波)×暑苦しい(藤岡)=東京湾炎上

特撮を特撮として使う・・「カプリコン1」に先んずる事2年、演出は負けてますがアイデアは勝ってます。 「東京湾炎上」(1975年/石田勝心監督) 20万トン級タンカー「アラビアン・ライト」を武装集団がシージャック。 磁気爆雷をセットされたタンカーは…

お年寄りは大切に・・。 悪魔の毒々おばあちゃん

親戚が集まるとロクな事が起きないのは洋の東西を問わないようで。「悪魔の毒々おばあちゃん」(1988年/エマニュエル・ケルヴィン監督)トロマなんかに買い付けられたからこんな邦題になっちゃいましたが、原題は「RABID GRNNIES」(狂ったおばあちゃん…

どこだマイケル・アイアンサイド?! ハイローリング

砂煙と陽炎の中から現れるトラックもかっちょいいですが、雪を蹴立てるトラックもなかなか。 「ハイローリング」 (1977年/ピーター・カーター監督) 原題は「HIGHT BOLLIN’」、でも何故か主題歌は「HIGH ROLLIN’」、で、これがビデオになると「コンボイ・…

[監獄+オカルト+アクション]×勢い。 プリズン

疑問も突っ込みも勢いでかわして堂々逃げ切り。 「プリズン」(1987年/レニー・ハーリン監督) 犯罪者は増加の一途。でも新しい施設作る金は無し。仕方がないので20年前に閉鎖した刑務所を再稼動させることに・・。 しかし、そこには20年前、無実の罪で…

特撮無用、ヤラセ無し。動物虐待祭り。 人蛇大戦・蛇

「シャイニング」でエレベーターのドアが開くと鮮血が溢れ出してホールの家具を薙ぎ倒す、という心震えるシーンがありますが、あの血の洪水を“蛇”を置き換えるとこの映画になります。 「人蛇大戦・蛇」(1982年/オウ・ザイケイ監督) 人蛇大戦と言っている…

ピンボケで嘲笑う女。 女優霊

撮影フィルムを現像したら、見知らぬ女優の見知らぬ演技。 その後方にピンボケの女。表情は分からないが明らかに邪悪な高笑い(怖ぇ)。 Jホラーはここから始まりました。 「女優霊」(1995年/中田秀夫監督) 中田監督(リング)のデビュー作と言うよりは…

ラヴクラフトさんの墓石に一礼・・。 フロム・ビヨンド

それは言わない約束でしょ?なのは重々承知しておりますが、一応突っ込むのもお約束かと。では、皆さんご一緒に。 どこがラヴクラフトやねん! 「フロム・ビヨンド」 (1986年/スチュアート・ゴードン監督) 原作は「彼方より」。文庫で十数ページという短…

何も残らない潔さ。 溶解人間

下敷きは間違いなく昨日の「原子人間」(原典に対し不誠実の極み)。 箸にも棒にもかからないパクリメイクなのに、心の襞にしっかり残る。ひょっとして名作なのか(いやいやいや)。 「溶解人間」 (1977年/ウィリアム・サックス監督) お話は簡単。土星探…

エヴァもコナンもライダーも。デジャヴ満載。 原子人間

モノクロ79分という小振りな作品ではありますが、全編デジャヴの嵐です。 「原子人間」(1955年/ヴァル・ゲスト監督) 有人探査ロケットが宇宙から帰還(と言うか景気良く墜落)。パイロット3名の内、生存者は1名。他の2人は宇宙服だけ残して消失…

馬鹿野郎!馬鹿野郎!馬鹿野郎! 肉弾

毎年恒例、シリーズ8月15日。今年はこれを。 「肉弾」(1968年/岡本喜八監督) 68年と言えば「日本のいちばん長い日」の翌年。なんでも、国家目線で“あの日”を描いてしまった反動(反省?)が本作の製作動機なんだとか(東宝ではなく、ATGと提携し…

生ぬる! 13日の金曜日Part8/ジェイソンN.Y.へ

ここまでアイデアを活かしきれていない作品も珍しい・・。「13日の金曜日Part8/ジェイソンN.Y.へ」(1989年/ロブ・ヘデン監督)タイトル通りジェイソンのニューヨーク遠征がウリなのですが、8割はニューヨーク行きの船の中。移動する密室に正体不明の殺…

素顔のままで。 13日の金曜日Part7/新しい恐怖

お盆で13日の金曜日で仏滅。惑星直列並みの好条件が揃っているのに何故どこの局もこのシリーズを放送せん?! 「13日の金曜日Part7/新しい恐怖」 (1988年/ジョン・カール・ビュークラー監督) 前作で人ならざる不死身の肉体で蘇ったにも関わらず、あ…

卓球、しませんか? 漂流街 THE HAZARD CITY

どう見てもアメリカ。ラスベガスの裏手辺りにありそうな砂漠の一本道。しかしテロップは・・埼玉県戸田市笹目。この嘘が買えないと、後につづく嘘の佃煮、混沌の闇鍋は口に合わないかもしれません。 「漂流街 THE HAZARD CITY」 (2000年/三池崇史監督) お…

これは便利だ。 トラウマ/鮮血の叫び

“さあ奥さん、今日ご紹介するのはこちら。携帯用全自動首ちょんぱマシーン「だりお君」だよ”使い方は簡単。このワイヤーの輪の部分を相手の首にかけてスイッチを入れるだけ。本体に内蔵された強力なモーターがぎゅいーんとワイヤーを巻き取って・・ほーら、…

擬似海外版? 新幹線大爆破[BS朝日メッタ切りバージョン]

153分の映画を2時間枠で放送・・無茶するなあBS朝日。 「新幹線大爆破」(1975年/佐藤純弥監督) 放送は8月7日。ニュース・天気予報無しの2時間枠なので、解説・CM・予告さっ引くと正味95~100分程度。 ん?という事は、フランス公開版「Super E…

1分30秒の衝(笑)撃。 バンビ、ゴジラに会う

僅か1分30秒。モノクロの線画アニメ。破壊力マキシマム。 「バンビ、ゴジラに会う」(1969年/マーヴ・ニューランド監督) のどかな音楽。お花畑で楽しげにしているバンビ。 可愛さを振りまきつつ、“原作:マーヴ・ニューランド”“脚本:マーヴ・ニューラ…

善良な悪意に鉄槌を。 荒野のストレンジャー

陽炎の彼方から靄を紡いで現れた死神ひとり。 「荒野のストレンジャー」(1972年/クリント・イーストウッド監督) イーストウッド監督2作目。以前ご紹介した「ペイルライダー」は本作の続編(セルフ・リメイク?)。海辺の小さな町ラーゴに現れた名無しの…

間違っている…。 テキサス・チェンソー・ビギニング

何か違う方向に箍(タガ)が外れちまったなあ。 「テキサス・チェンソー・ビギニング」(2006年/ジョナサン・リーベスマン監督) オリジナル“いけにえ”ではなく、リメイク版「テキサス・チェンソー」の前日譚です。 優れたホラーに必要なのは“ユーモアのセ…

SF小ネタてんこ盛り。 モンスターVSエイリアン

「マーズ・アタック!」では、ワーナーのロゴの後をUFOがたゆたっておりましたが、こちらはドリームワークスのロゴの少年(三日月に腰掛けて釣りしている)をUFOがアブダクトするという更に凝った作りに。掴みはOKです。「モンスターVSエイリアン…

ワタシタチハトモダチデス! マーズ・アタック!

オープニングの“爆走する焼肉の群れ”と宇宙にひしめく“プラン9型(もしくはゴケミドロ型)UFOの群れ”で掴みはOK。バートンに 大金渡して 放し飼い。 「マーズ・アタック!」 (1996年/ティム・バートン監督) まあ、しかし、何ざんしょ、この無駄に豪…

腹に穴、ねずみ火ダルマ、地下水道。 地獄の謝肉祭

噛まれると“人喰い”になるという、小学生も騙せない大嘘を“ベトナム後遺症”と結びつけてエロ・グロ・アクションにしてしまうという、どこを非難していいか分からない全方位不謹慎映画ですが・・そこがいいじゃないですか。 「地獄の謝肉祭」 (1980年/アン…

イエーガー+スカイウォーカー=・・ かもめのジョナサン

たまには切り株系をちょっと離れて、哲学的癒し系を。「かもめのジョナサン」(1973年/ホール・バートレット監督)都合のいいカモメの画を都合のいいように繋いで、勝手な台詞つけただけと言ってしまえばそれまでですが、“都合のいい”画を撮るためには…

心癒す一服の清涼剤。 吐きだめの悪魔

何でしょう、この清々しさ。この爽快感。 「どですかでん」と「アメリカン・グラフィティ」を足してトイレに流したら詰まっちまったけど、ガッポンしたら流れました的達成感。 傑作です。 「吐きだめの悪魔」(1986年/ジム・ミューロー監督) まずは“掃…