デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2010-01-01から1年間の記事一覧

Vシネ×香港ノワール×ジャッキー。 新宿インシデント

ダンカンが北野作品との類似を指摘しておりましたが、お前どこに眼ぇつけとんじゃ。「新宿インシデント」(2009年/イー・トンシン監督)日本側のキャスティングが竹中直人(日本黒社会)、加藤雅也(荒ぶる魂たち)、峰岸徹(極道戦国史・不動)、長門裕之…

見所は風吹ジュンの…。 蘇える金狼

以前、「犯された白衣」のレビュー時に(コメ欄で)話題になったオートマチック・ピストルの手動排莢シーンを確認してみました。※該当コメはジオログ➡Yahooブログ移行時に(移行対象外で)消失。 確かにやってますね。得物はサイレンサー付きウッズマン。 「…

その病名はマズくないか? ヘル・ドライブ

春休みで親は外泊、仲間とパーティ、ガンガン飲んじゃったけど運転くらいできるわよ。夜道かっ飛ばして、トイレでゲロってすっきり爽快、あら、車庫で物音、何かしら・・ってバンパーに人が張り付いてるじゃない!轢いたの?あたしが?どうしよう・・やだ、…

駄目な奴はひとりで落ちない。 バッドタイム

アル中でも精神疾患でも依存症でもそうですが、往々にして彼ら(彼女ら)は仲間が自分より先に緩解(回復・更正・イチヌケ)する事を許しません。なんとかして自分と同じ地獄に引きずり戻そうとします。これは同類が相憐れんでいるとロクな事にならない、と…

この独創的パクリは最早芸術だ。 マニトウ(輸入版DVD)

過去に「DVDを 出せ!今すぐ出せ!」シリーズでレビュー済みですが、待てど暮らせど発売される気配がないので、北米版を取り寄せました。 ※注…2020年に「HDリマスター特別版【Blu-ray】」発売! 前回見たのは VHS。シネスコを無理矢理スタンダードにト…

真面目に作ってどうするよ? パラノーマル・エンティティ

大ヒット作にカルト映画の香りを加えたパクリの二重奏。「パラノーマル・エンティティ」(2009年/シェーン・ヴァン・ダイク監督)タイトルの通り、「パラノーマル・アクティビティ」+「エンティティ 霊体」な“なんちゃってPOVホラー”。おお!って事…

椎名英姫万歳!(きりきりきりぃ)。 オーディション

ゆったりまったりした話の流れをたった一枚の絵柄で捻じ曲げる・・海外で三池の名前を知らしめた恐怖の1本です。「オ-ディション」 (1999年/三池崇史監督)妻に先立たれた映像製作会社の社長・青山(石橋凌)は、息子の「最近、しょぼくれてんじゃない」…

小池朝雄の子守唄。 あしたのジョー[最終話→第1話]

普通、連続アニメを2話ずつ放送する場合、最終回が奇数話なら、最後は最終1話のみにするか、逆に3話にしちゃうかどちらかだと思うのですが、最終回の後ろに第1話を繋げて再放送2クール目に突入という荒業を発見。無茶するなあ、カートゥーンネットワーク…

放送禁止の二本立て。 わたしは目撃者

監督は自身のフィルモグラフィの中で本作をあまり評価していない(むしろ嫌っている)ようなのですが、味わい深いサイコ・スリラーだと思います。「わたしは目撃者」(1971年/ダリオ・アルジェント監督)染色体異常に絡む連続殺人事件を、盲目の元新聞記者…

冷静と捨て鉢と小林幸子。 ある殺し屋

冒頭、その他大勢クレジットの中に“小林幸子”の文字発見。よくある名前だし同姓同名の人がいたんだろ、と思っていたら、今の小林幸子と同じ顔の少女(推定14歳)が。芸歴長いんだなぁ、この人。「ある殺し屋」(1967年/森一生監督)クール・ビューティ市川…

ロブ・ゾンビはレイア萌え? ハロウィンⅡ[の監督音声解説]

「今回のマイケルは人間なんだ。ブギーマンなんかじゃない。これが本来あるべき編集だ。元の形に戻せて満足だよ」 人として壊れた兄、その兄とシンクロして壊れていく妹、その先にあるのは永遠の家族。 「ハロウィンⅡ/アンレイテッド・バージョン(のロブ・…

こっちも凄い事に!新世紀エヴァンゲリオン/コミック第12巻

『約束したんだ、ミサトさんと。アスカを助けるって。約束したのにエヴァが動かせないなんて、そんなの駄目だ。動いて、母さん・・動いてよ!母さん!』「破」で舞い上がってすっかり忘れておりましたが、貞本さんのコミック版もエライ事になっております。 …

激突か吸引か。 アルマゲドン2007/アルマゲドン2012

昔、飛行機が出てくれば何でもエアポートナントカにしちゃえ!という時代がありました。調べたら、劇場公開された正規シリーズ(大空港/75/78/80)の他に、エアポート85/94/98/99/2000/2002/2003/2004/2005/2008/2010なんてのがありました。セ…

黒澤監督、ごめんなさい! 隠し砦の三悪人

例えば、ミュージカルというジャンルに拒絶反応を示す人がいます(代表例:タモリ)。確かに、「大声出さないで。両親が起きちゃう」と言った直後に“♪とぅなぁ~い、とぅない”と声張り上げて歌いだすカップルは(現実的には)頭のおかしい人たちでしょう。名…

迸る映画愛がナチスを倒す。 イングロリアス・バスターズ

「あなた達、一体何語が喋れるのよ?! 英語以外で!」フランス人がフランス語を喋り、ドイツ人がドイツ語を喋り、アメリカ人は英語及び英語訛りのドイツ語(と大笑いなイタリア語)を喋る。正にリアリズム。「七人の侍」の「1本の刀じゃ5人と斬れねえ」以…

食人監督版プレデター2? カニバル/世界最後の人喰い族

少年や青年が、ある通過儀礼によって一人前の男になる・・男の成長ドラマというジャンルがありますが、これはその代表作。但し、ここで言う「一人前の男」とは「一人前の人喰い族」の事ですが・・。 「カニバル/世界最後の人喰い族[完全版]」 (1976年/…

巨乳と巨根の妄想神話。 HEAVY METAL

「18年間童貞だったのに、1日に2回も! なんて素晴らしい世界なんだ!」(第3話「デン」より)昔観た時はさして気にとめなかったのですが、改めて観ると下半身の劣情だけで固められたアニメだったんですねえ。「HEAVY METAL」(1981年/…

良い子のベッドタイム・ストーリー。 クリープショー

『こんなものを読んでいたらロクな大人にならんぞ!』 少年ビリーの願いも空しくゴミバケツに投げ棄てられるホラー・コミック。 表紙から飛び出した死神が語る5つのベッドタイム・ストーリー。 「クリープショー」 (1982年/ジョージ・A・ロメロ監督) コ…

志麻、乳出さずも丹波大満足。 雲霧仁左衛門

『例えば、もしお前がある日突然、身に覚えのない汚名を着せられ、家名は断絶、その身は切腹、一族の果てまでも極刑の憂き目にあった上、さらに、愛しく思う女さえも奪われてしまったとしたら、お前はどうする? その男は一身一家の怨念を晴らすべく、天下の…

変態さん、いらっしゃい。 クラッシュ

ジャマイカの音楽映画でもアメリカの人種差別映画でもなく、勿論、太田哲也のドキュメンタリーでもありません。 カナダの変態が新たな地平を切り開いた野心作です。 「クラッシュ」 (1996年/デヴィッド・クローネンバーグ監督) 自動車事故のエクスタシー…

獣には獣の物語がある。 人狼 JIN-ROH

『人と関わりを持ってしまった獣の物語には不幸な結末が訪れる。獣には獣の物語があるのさ』正直、実写のケルベロスシリーズは(レッドブル軍団の入場曲としてオールド・プロレスファンにはお馴染みの「紅い眼鏡」メインテーマを除いて)あまり好きではない…

爬虫類だよ、全員集合! 吸血の群れ

70年代が纏っている、怪しさ、いかがわしさ、猥雑さ、いい加減さ、全ての温気を兼ね備えたパニック・ホラーの傑作です。「吸血の群れ」(1972年/ジョージ・マッコーワン監督)お話は簡単。とある強欲ジジイの誕生会に集まった親戚一同が爬虫類軍団の襲撃…

あの素晴らしい失神芸をもう一度。 追悼:ジョー樋口

失神芸の達人、カウント2.9の魔術師、ジョー樋口さんがお亡くなりになりました。11月8日、肺腺癌。享年81歳。まるで映画を観ているかのようなスローモーなカウント。ワン・・トゥ・・(一呼吸)・・スリー。樋口のカウントに疑問はありません。彼が…

異形の純愛ウェポン。 愛のむきだし

・・一体何から手をつければいいのか。「ベン・ハー」より長く、「十戒」よりも尚長い4時間という驚異のランニング・タイム。神も宗教もなぎ倒して、ただ一言「愛してる」のために費やされる4時間をどう語ればいいのでしょう。高校生のユウ(西島隆弘)は…

も、木目まで! スカイ・クロラ[北米版Blu-ray]

2009年9月1日のレビューでさんざっぱら貶しておいてなんですが、Blu-rayを購入してしまいました。「スカイ・クロラ[北米版Blu-ray]」(2008年/押井守監督)どうやら顔面蒼白+瞳孔開きっぱなしの草薙水素に“萌えて”しまったようです(菊地凛子のヘタウマ…

真の主人公は誰だ!? ザ・ホード/死霊の大群

『母親が見ても分からないくらいボコボコにしてやる!』 移民ギャングに仲間を殺された刑事数名が令状不要・逮捕無用の敵討ち。 郊外の半廃墟ビルにカチコミ敢行!・・したものの敢え無く返り討ち。全滅か!?と思った瞬間、一足先に殺されていた潜入捜査官…

ロブ・ゾンビが選ぶゾンビ映画ベスト9(←半端!)

タイミングがズレてしまいましたが、「ハロウィン」をリメイクしたロブ・ゾンビ監督が、ハロウィンに合わせて“お気に入りゾンビ映画”9選を発表しました(オヤジギャグ企画だな)。ソースはこちら→http://www.thedailybeast.com/blogs-and-stories/2010-10-2…

価格差異常。ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル

今まで幾多の“ドラゴン・リスペクト”シーンを観てまいりましたが、本作の「怒りの鉄拳」リスペクトは、その奇天烈さにおいて他の追随を許しません。 「ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル」(2009年/辻本貴則監督) 近未来の無防備都市ヨコハマ。家…

水野美紀がいるじゃないか! ハード・リベンジ、ミリー

志保美悦子亡き後(死んでませんが)、空席が続く“アクション女優”の座。 一時、釈由美子が後を継いでくれそうな気配がありましたが、どうも本人にその気が無かったようで。 水野美紀。もはやこの人だけが最後の希望です。 小学生時代から少林寺拳法を学び、…

なんとエイボンの書が! ビヨンド

「だって仕方ないじゃろ。地獄の門が開いちまったんじゃからの。理由? ないわい、んなもん。辻褄って何じゃ? 地獄の門が開いたんじゃぞ。そりゃあ都合よく硫酸は出てくるし、タランチュラは湧いて出るし、犬は狂うし、人間も意味不明な行動とるし、病院の…