デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ポエム? 極道戦国志 不動3

とりあえず、出演者全員(竹内力、谷原章介含む)を横一列に並べてひとりひとりに問いかけたい。「君は何がしたかったんだい?」と。 「極道戦国志 不動3」(1997年/福岡芳穂監督) 前作にはまだ下元史郎とか菅田俊など“いい顔”の大人がいた分、画面に重み…

よくぞここまでグダグダに…。極道戦国志 不動2

た、谷原くんからオーラが根こそぎ消えている…。一体どうすればここまでキャラの魅力をかき消す事ができるのか。一種の才能なのではないだろうか。「極道戦国志 不動2」(1997年/福岡芳穂監督)実の親叩っ斬って九州制圧した不動組が関東進出。と言っ…

君はポピーズを見たか? ルパン三世/念力珍作戦

昨日のルパン&赤塚不二夫繋がりで…。 「ルパン三世/念力珍作戦」(1974年/坪島孝監督) その筋では有名な“実写版ルパン”。企画に赤塚不二夫が名を連ねています。ルパンに目黒祐樹、次元に田中邦衛(以前も触れましたが、この人選はアリ)、不二子は江崎英…

ルパン三世[vs複製人間](のゲスト声優と映像特典)

昨日の梶原一騎繋がりで…。 「ルパン三世 ルパン対複製人間(クローン)」(1978年/吉川惣司監督) ファンの方なら先刻ご承知の事ですが、梶原一騎が声優として出演しております。役柄は某国書記長。某国大統領とのホットライン通話のテープ再生という形で…

真っ白に…。 すてごろ 梶原三兄弟激動昭和史

梶原一騎、それは昭和男子の通過儀礼。 「タイガーマスク」「あしたのジョー」「巨人の星」「キックの鬼」「空手バカ一代」そして「愛と誠」。 これら全てを素通りした人がいたとしたら、それはそれで豪傑です。 恐らく手塚治虫が持ち得なかった全てのものを…

まさに外道(笑)。 地獄甲子園[FLASHアニメ版]

よもやアニメ化されていようとは(しかもFLASHかよ)。知らなんだ…が、知ってしまった以上買わねばなるまい。人として。その仕上がりは…“まさに外道”(←もの凄く誉めています)。 「地獄甲子園[FLASHアニメ版]」 (2008年/春日森春木監督) あらすじは割…

観たぞ、ポール・シュレーダー版エクソシスト・ビギニング

“地味”という理由だけで“なかった事”にされてしまったポール・シュレーダー版エクソシスト・ビギニングをようやっと観る事ができました。確かに地味ですが、メリン神父の葛藤により深く踏み込んだ、そして妙に東洋趣味的な野心作でありました。 「DOMINION/…

俺が薬だ! コブラ

『お前は病気だよ。俺が薬だ』 まだ間に合うぞスタローン。ランボー5なんか止めて、こっちの続編作れ。 「コブラ」(1986年/ジョルジュ・パン・コスマトス監督) 態度に“少しだけ”問題があるロス警察の暴れん坊、マリオン・コブレッティ刑事(シルベスタ・…

ランドマスター万歳! 世界が燃えつきる日

待ちに待った国内版DVDが発売直前になって無期延期(ってか中止)。 何があったんだFOXホーム・エンターテイメント・ジャパン!? まあ、核爆発ありぃの津波ありぃの突然変異ありぃの天変地異満載映画ですから、自粛になった可能性大ではありますが・…

立花理佐のちょうちんブルマに萎えろ。 突風!ミニパト隊/アイキャッチジャンクション

「立花理佐のずんぐりボディにちょうちんブルマはまぶしすぎるぞ。ヌケるもんならヌイてみい」by三池崇史 監督の挑戦、しっかと受け止めました(降参です!)。「突風!ミニパト隊/アイキャッチジャンクション」(1991年/三池崇史監督)市民に愛される警察…

このフィナーレはアリだ。 必殺剣劇人・最終回

「寄らば斬るぞ」「むふふ、馬鹿め」「おととい来やがれ」 コスプレ着用で見栄を斬り、正面突破で仕事を終えるとハリボテの大ガマと閃光で目をくらませてすたすたとトンズラ。 必殺15年の幕を引いたのは、およそ必殺らしくない古色蒼然としたチャンバラ活劇…

祈り届かず…。追悼、原田芳雄(号泣)

♪面白きゃいいんじゃないの。難しい話はよそうぜ。深夜草子代わりの本で、人生感じちゃ眠れないぜ。真面目すぎるんだよあんた、続きはまたにしよう。Take It Easy. Take It Easy. B級パラダイス!俺は本を枕にひと眠り Oh YeahTake It Easy. Take It Easy. …

作戦なんか無い! エクスペンダブルズ

『もうそんなに素早くないぞ』『光より遅いだけだ』次の瞬間、電光石火のSAAファニング(※写真上段2枚)。OK過ぎる掴みですが、カット割とカメラワークが悪すぎ。ここに限らず全編に渡って「光量不足」「カット割り過ぎ」「アップ多用」(つまり誰と誰…

祝!総天然色化(しかし投票結果に異議あり)。 ウルトラQ

まだビデオ化もされておらず、フィルムの上映会くらいしか観賞手段がなかった頃、友人が“神戸ルート”で海賊版を入手しました。何回ダビングしたんだよ!な劣悪画質のビデオを凝視し続けた思い出のモノクロ作品が総天然色化。長生きはするもんです。「総天然色…

ノルウェーの惨劇。遊星からの物体Xプリクエル予告編

冗談だよなぁと思っていましたが本気だったようです。「遊星からの物体X」(1982年/ジョン・カーペンター監督)のプリクエル「The Thing」の予告編が公開されました。http://www.youtube.com/watch?v=5KFrrgkRmSI基地に降り立つヘリの後方にノルウェーの旗…

富田靖子万歳! 洗濯機は俺にまかせろ

進むようで進まない男と女。核心に触れそうで触れず、巨大な透明クッションの周りをたゆたっているようなもどかしさ。 この雰囲気は以前どこかで…。 分かった。「めぞん一刻」だ。 「洗濯機は俺にまかせろ」 (1999年/篠原哲雄監督) 舞台は東京下町。まだ…

知られざる日本文化をあなたに。 リトルトーキョー殺人課

ユニバーサル・ソルジャー×クロウ×ヤクザ÷誤った日本観・・無敵の方程式です。 「リトルトーキョー殺人課」(1991年/マーク・L・“コマンドー”・レスター監督) ヤクの販路拡大でLAに乗り込んで来た吉田率いるジャパニーズ・ヤクザ軍団。生意気な売人はそ…

告りまくる男達。 反逆のメロディー

『俺はあんたが好きだ。大好きなんだよ』 『お前みたいな奴が大好きなんだよ』 『これで俺たちはダチ公よ』 『俺もお前が好きだ』佐藤蛾次郎が原田芳雄に、地井武男が藤竜也に、原田に、そして原田が蛾次郎に。告って告って告りまくる愛の連鎖。「反逆のメロ…

祈り。 グライド・イン・ブルー

エンドクレジットで延々リフレインされるコーラス“♪God Bless America”。ふと「ディア・ハンター」のラストを思い出してしまいました。これも祈りの映画なんだなぁ、と。 「グライド・イン・ブルー」 (1973年/ジェームズ・ウィリアム・ガルシオ監督) アリ…

SF=侵略&風刺。 曼荼羅畑的SF映画ベストテン

英国の映画誌TOTAL FILMが「史上最高のSF映画」を選出しました。10位までを上から順に列挙すると、「ブレードランナー」「スターウォーズ/帝国の逆襲」「2001年宇宙の旅」「エイリアン」「スターウォーズ/新たなる希望」「ET」「エイリアン2」「インセプ…

行間に刻まれし惨劇のカタルシス。 グラン=ギニョル傑作選

“グラン・ギニョル”という単語を初めて知ったのは、高校生の頃。ブライアン・デ・パルマ監督の「フューリー」(写真下)を“残酷人形劇(グラン・ギニョル)”と形容した評論を読んだ時でした。このなんとも耳にまとわりつく嫌ぁな響きに魅せられて幾星霜。確…

自戒の句。 魔女の宅急便

『あたしさ、キキくらいの時に絵描きになろうって決めたの。絵描くの楽しくってさ。寝るのが惜しいくらいだったんだよ。それがね、ある日全然描けなくなっちゃった。描いても描いても気に入らないの。それまでの絵が誰かの真似だって分かったんだよ。どこか…

市原悦子、入魂の“先生!”を聞け! 翔べ!必殺うらごろし

『ちょっとお前さん、落し物だよ』『…何も落としてねえぞ』『(匕首を突き刺して)お前さんの…命だよ』家政婦に、匕首持たせて、人殺し。歴代最低の視聴率を叩き出し、シリーズそのものの打ち切りまで検討された必殺黒歴史。でもなんか好き。「翔べ!必殺う…

長いよ!(笑) The Ultimate VERSUS

オリジナルの119分だって十分長いのに、更にアクションシーン撮り足して130分。長いよ! 「The Ultimate VERSUS」(2001&2005年/北村龍一監督) ゾンビが闊歩する黄泉返りの森で、脱獄犯、謎の組織、謎の女、狂ったおまわりさんが繰り広げる大乱闘。…

そのシンセがハリウッドか。 エル・マリアッチ

「マリアッチなんかいらん。うちにはフル・オーケストラがいるからな」出てきたのは最新式シンセサイザーと下手糞なプレーヤー。高価な機械を持ち込んでも弾き手がヘボだからヘッポコピーな音しか出ない。それでもオーナーは得意げだ。生ギター1本でオリジ…

原作は「たがや」? あの笑撃ラストを推理する。 模倣犯

終盤までは普通に駄目駄目な映画です。 時間軸をいじった作品としては多分最低の編集。 個々のキャラクターがぶつ切れで登場するので、出てくる度に“ああ、そう言えば出てたね、君”。 群像劇でありながら、話走らず、エピ絡まず、動機分からず、キャラ立たず…

謎の足踏み歩行をする前衛芸術。 クロノス(対バルンガ)

♪腕は無いが脚を上げて1!2!1!2! エネルギーを食べろ~ と水前寺清子が歌いそうな侵略SFの古典(映画も古いが例えも古い・・と思ったらこの歌、SMAP香取がカバーするそうな…)。 「クロノス」(1957年/カート・ニューマン監督) 宇宙人が放った巨大…

外なる神話と内なる寓話。 もののけ姫/旧エヴァ劇場版

1997年7月は「もののけ姫」と「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」が同時公開されるという、アニメファンにとっては盆暮れ正月が一緒に来たような僥倖の月でした。私はエヴァ初日(もののけ2週目)に、好きなものは味が混ざってもいいか…

ライフワークは手? ジョン・ブアマン/脱出

以前レビューした「クライモリ/デッド・リターン」は実に語り所の無い作品でしたが、1箇所だけ気に入っている台詞があります。森の中でいきなりトップレスになった女の子(この後、瞬殺されます)に連れの子が、「誰かが見てるかもよ」「誰が?」「さあ…バ…

まだ横浜が横浜だった頃。 俺たちの勲章

1975年。横浜。まだみなとみらいなんて影も形も無く、赤レンガは雑草生え放題の倉庫街。野毛には馬券握り締めた喰い詰め者が集い、伊勢佐木モールを一本跨いだ日の出町、黄金町には戦後の匂いにも似たいかがわしさが立ち込めておりました。『そう、俺はこの…