『おい、お前は何がしてぇんだ。お前の人生だお前が選べ。だがなぁ、ヒーローのつもりなら救いてぇもんを見誤るんじゃねえ。ヒーローってのは救いてぇもんに迷わず手を伸ばして全力で走りぬく。お前がその手で救いてぇもんはなんだ？』
『君のような悪党からヒーローという言葉が出るとはね。まるで本当のヒーローを知ってるかのようだ』
『くだらねぇ事を思い出させやがって…』
ホント、一通さんは上条大好き人間ですね。
「とある科学の一方通行／第11話・完全体［パーフェクト・ゴレム］」（2019年9月20日深夜BS11放送／冨永恒雄演出）
死霊術師編もいよいよ佳境。ややこしいにも程がある終盤のストーリーをここで整理しておきましょう（いや全く整理できる気がいたしませんが…）、
- 「能力がどこに宿るか」を調べる実験を行なっていた菱形幹比古（ひしがた みきひこ）は、自分の研究によって誰でも簡単に絶対能力者（レベル6）になれる時代が来ると確信していました。
- 病気により余命幾ばくもない菱形の妹・蛭魅（ひるみ）は、兄の研究の被験者となりレベル6となる事で生きながらえる事を目論んでいましたが、それにはまだ2年はかかると聞いて絶望、自殺。蘇生のため、実験筐体に格納されるよう仕向けます。
- 実験のスーパーバイザーとして招聘された死霊術師（死体に疑似魂魄を宿して操るネクロマンサー）エステル＝ローゼンタールは「ナンバーズの悪霊」と呼ばれる疑似魂魄を封じた符を4枚持参して来ました。
- 蛭魅は自殺直前、4枚の符のうちの1枚「檮杌（とうこつ）」をくすねます。
- 自殺後、実験筐体に格納された蛭魅（の死体）は「檮杌」に乗っ取られ…。
- 檮杌には疑似魂魄の他に、ローゼンタール家4代目当主・イサク＝ローゼンタールの魂魄が転写されていました。
- イサクの目的はローゼンタール家の悲願である「完全なるゴレム」の創造。必要なのは疑似魂魄を構成するセフィロトに書き加える10,000回の死の記憶。
- 成り行きでDAが拉致したミサカ10046号から10,031回の死の記憶を入手したイサクは最終進化形態へ。
どーですか、お客さん。書いている私にも何が何やら（笑）。
「完全なるゴレム」とは？ ゴレムはゴーレム。土から作る魂なき人形。神はアダムを土くれから作りましたが、アダムは人形ではなく人間。完全なるゴレム。
つまり「完全なるゴレム」を創る＝神になる、という事です。
『世界中どこを探してもここにしかないからなぁ、10,031の死の記憶なんておぞましいものは』
『おい…今なんつった？』
暴走したイサクは、学園校舎と融合し、巨大な生命の樹、セフィロトの樹に。
神を目指すならお約束中のお約束ですね（写真右は「新世紀エヴァンゲリオン」）。
因みにエデンの園でアダムとエヴァが食べたのが「知恵の実」。併せて「生命の実」を食べると永遠の命を得、神に近い存在になってしまうので、これを恐れた神によって二人は楽園から追放された…そうです（キリスト教ではなく、十字教／ユダヤ教の話）。
と綺麗に整理がついたところで（ついたよね？）、次回最終決戦。
ラストオーダーを寝かしつけるシスターズ。窓の外にはセフィロトの樹。シュールです。
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