関電の周りが喧(かまびす)しい。福井県高浜町の元助役を介した実弾謝礼。その額、実に3億円オーバー。
お花畑なコメンテーターさん達は「何故断らない?」「何故返さない?」「コンプライアンスはどうした?」なんて間抜けなことをしたり顔で開陳しておりますが、いやそれ多分無理だろ。
そんな都会の(そして現代の)理屈、地方に通用するわけないじゃない。
関電の役員連中は“死人に口なし”とばかりに故人となった元助役を悪者にしたストーリーを展開しておりますが、「お前の家にダンプを突っ込ませるぞ」とか「娘が可愛くないのか?」といった恫喝や“返却したら倍返し(100万返したら200万送り付けられる)”の儀礼(?)は恐らく真実だったのでしょう。
…と思ってしまうのはやはりこの2本の映画を観ているからだろうなあ。
「生きてるうちが~」が85年、「原子力戦争」は78年の作品ですが、原発利権を取り巻く環境は30年40年経っても変わっていないような気がします。
ましてやコンプライアンスなんて…何それ美味しいの?状態なんじゃないでしょうか。
「生きてるうちが~」は森崎節とも呼べる人間賛歌に収斂させる器用さを持ち合わせておりましたが、「原子力戦争」は完全に不戦敗。原発利権に挑みハチのムサシのように焼かれて落ちました。タブーなんですね、昔も今も(因みにどちらも主役は原田芳雄)。
再見するには絶好のタイミングだと思います。