帝国軍参謀将校レルゲンが、連邦内務人民委員ロリヤが、連合王国海兵魔導部隊中佐ドレイクが、そして第二〇三航空魔導大隊長のターニャ・フォン・デグレチャフが、国も立場も超越して呻く、呟く、振り絞る。
『どうしてこうなったぁ!?』
「劇場版 幼女戦記」(2019年/上村泰監督)
TVシリーズ地続きの続編。なのでTV未見の方は先にそっちを押さえましょう。
TV最終話で語られた戦務参謀次長ゼートゥーアの疑念。
『もし仮に更なる国が戦争に参加するとなると…』
新興の大国ルーシー連邦が列車砲の一撃を以て帝国に宣戦布告。
『共産主義者とは共に天を仰ぐことはできない』と首都モスコーに進撃し、洒落にならない被害を“演出”したデグさん&第二〇三魔導大隊。
この時、モスコーには自由協商連合第一魔導連隊が駐留中。そこには合衆国義勇派兵部隊に志願したメアリー・スーが。
デグさんvsメアリー、第一次接近遭遇。
メアリーは軍人のイロハも理解していない新兵ですが、魔力量はケタ外れ(絶対、存在Xがちょっかい出しています)。
独断専行で突っ込むメアリーに上官ドレイク中尉が一言。
『無能な働き者か…厄介な』
かつて私の上司は『仕事できない奴のやる気なんか迷惑なだけだよ』と言い垂れましたが、異世界の戦場でも通じる“宇宙の理”だったようです。
にしてもメアリー強い。ほとんど巨神兵。恐るべし復讐心。
『兵士であるならば敵と仇を混同するな』
実は“無能な働き者”ではなく、“馬鹿力を制御できない自己チュー娘”だったメアリー。
ドレイク中佐の試練は続きます(笑)。
嬉しかったのは、セレブリャコーフ少尉が堂々たる副官に成長していた事。
カードゲームに絡む博才も健在。連邦との因縁も匂わせてキャラが深堀りされておりました。
今回は全編通して戦場回り舞台。目まぐるしく戦局が変わり、チャンスはピンチ、ピンチはチャンス。
地上戦、空中戦、地対空戦の動きも凄まじいですが、特筆すべきは音。
爆撃、疾風の重低音が半端ありません。ドルビーサラウンドのスピーカーシステムで5.1chもいいですが、どうしてもセンタースピーカーに割り振られる台詞部分が聴き取り難くなるので、ヘッドホン推奨です。
TV版ED「Los! Los! Los!」を挟んでCパート(?)~エンドクレジットという流れも2期を窺わせていい感じでした。