デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

平成の置き土産。 都市伝説物語 ひきこ

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不勉強にして本作で初めて「ひきこさん」という都市伝説がある事を知りました。

出自や展開にバリエーションはあるようですが、ざっくり言えば、小学校で校内を引きずり回されるいじめにより引きこもり、DVと自傷行為でボロボロになった「ひきこさん」が雨の日に外に出ては小学生を肉塊になるまで引きずり回す、というもの。

本作は恐らくひきこさんを最初に映像化した3DCGアニメーション。

「都市伝説物語 ひきこ」
(2008年/奇志戒聖監督)


小学3年生の時に河原で「ひきこさん」を目撃してしまった聡。

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ひきこ渾身の「ボディスナッチャーズ」叫び。


同じ日に団地の隣部屋に引っ越してきた同い年の少女「さと子」。さと子は聡と同じクラスになりますが、陰湿な苛めの対象に…。

やがて苛めを黙認していた担任が死亡。苛めの中心人物だった二人は失踪。さと子も人知れず引っ越し・転校。

10年後の同窓会に出席した聡はさと子との再会を果たしますが…。

3DCGの出来は今見ればPS2レベルですが、2008年という時代を考えればこんなもんじゃないでしょうか(PS3発売が2006年11月)。

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片足引きずってカニのように横っ飛びしながら走る絵面はユーモラスと言えなくもないですが、実際、こんなのが追いかけて来たらチビるくらいビビると思います。

お話もお約束固めではありますが、40分というタイトな時間の中でよくまとまっています。

ひとつ不満を挙げれば、担任や苛めっ子の顛末が「死んだ」「いなくなつた」という結果報告だけで直接的描写がないのでカタルシスが無いという事でしょうか。

で、驚いたことにこの「ひきこさん」、エライこと映像化されています(アニメは本作のみであとは全部実写)。

本作と同年に「ひきこさん」、翌年に「真ひきこさん」、2011年には総合格闘技「ひきこさんVS口裂け女、2012年には「ひきこさんVSこっくりさんという異種格闘技戦、そして遂に2015年には天王山と言っていい「ひきこさんVS貞子」が登場。

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どうですかお客さん。全てOVですが、大きくスケールダウンした「富江」な趣きではありませんか。

特に注目したいのが「ひきこさんVS貞子」。

ジャケにもしっかり山村貞子@リングが描きこまれていますが、登場するのは実在した超能力者・高橋貞子をモデルにした高村貞子の亡霊…ってちょっと待て!(笑)

そりゃ詐欺と呼ばれても仕方ないっしょ。

これで、話が面白ければ文句も出ないのでしょうが、Amazonの評価が☆2つ(全22票←詐欺被害者の皆様、ご愁傷様です)。

☆5つ付けている人が若干名いるので平均を押し上げていますが、これ「褒め殺し」だったり、「自分と同じ苦痛を他の人にも味わってほしい」が為の釣りだったりで、実態はほぼ満場一致で☆ひとつという惨状です。

さすがの私もちょっと手を出す気になれませんでした(釣られなくてゴメンよ)。 

 

★ご参考 

mandarabatake.hatenablog.com

 

 

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