デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

クラシックロック探訪26 スレイヴス・アンド・マスターズ/ディープ・パープル

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『ジョー・リン・ターナーがディープ・パープルのボーカルだって? メンバーはデヴィッド・カヴァーデイルに土下座して謝るべきだ』ロニー・ジェイムス・ディオ

いやいやそんな事ないですよ先生。一度聴いてみてください。なかなかに味わい深いですから。

スレイヴス・アンド・マスターズ/ディープ・パープル

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Slaves and Masters/Deep Purple(1990)

通算13枚目(再結成3枚目)。イアン・ギラン2度目の脱退(解雇?)によって空席となったボーカルの座に元レインボーのジョー・リン・ターナーが収まった異色作。

メンバー5人中3人が元レインボー、2人が元ホワイトスネイクという「一体何のトリビュートバンドだよ?」な混成布陣。

曲作りを牽引しているのは元レインボー組のよう。

キラーチューンがない、肩の力が抜けすぎて脱臼でもしちまったのかイアン・ペイスのドラムに全く覇気がない(ドラム・マシン使っている曲まである)という欠点(致命傷とも言う)はありますが、まぁいいじゃないですか。

いや、パープルサウンドのキモはリッチーのギターでもジョンのオルガンでもなくイアンのドラムだと思っているので、彼の不調は痛いのですが、その分、ジョンが頑張っています(前に出るのではなく、いい感じに抑えに回っている)。

ジョーって日ごろの鯨飲が祟ってかライブはかなりデンジャーゾーン(海賊版で聴いたBURNは筆舌に尽くしがたい出来でした)なのですが、スタジオ録音はしっとりどっしり爽快優雅で英国の重厚さと米国のポッピー感をうまい事融合しています。

インギーのライジング・フォース歴代ボーカルを聴き比べて感じましたが、声量声域音量自慢が多い中、ジョーだけがメロディに感情を乗せて歌っていたように思います(それだけにライブのコンディションに波がありすぎるのが辛い)。

当時の来日公演に関してはこちら↓の記事参照。

 結局、ギランが出戻るので、ジョー参加のアルバムはこれ1枚きり(アルバムのセールス不振でバンド内の軋轢も凄かった…らしい)。

当然、自分が関わっていたわけでもない曲をギランが歌うはずもなく、本アルバム収録曲はこの時のツアーでしか演奏されていません(その意味では貴重な体験だったな)。

ジョー自身はアルバム1曲目でシングルカットもされた「King of Dreams」をhtp(ヒューズ・ターナー・プロジェクト)のライブで歌っていたりするので、それなりにお気に入りなのでしょう(実際いい曲です)。

このKing of Dreamsから続くThe Cut Runs DeepとFire in the Basementの3曲がお薦め。

シングルエディット2曲とB面収録の1曲を加えたEXPANDED EDITION(海外版)が発売中。

再々結成レインボーに不満のある方は聴いてみてください。

ジョン・ロードリッチー・ブラックモアもいない本家(?)ディープ・パープルが6月12日(海外)に新譜を発売するそうです。
タイトルは「Whoosh!」(水とか空気とかのシュッ!、
ヒュー!という擬音、驚いた時の「ひぇ~!」という感嘆符)。

さて、どうしたものか…。

★ご参考 

 

mandarabatake.hatenablog.com

 

 

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