バッドエンド(少なくともベストエンディングではない)なのに何故か爽やか。
妻殺しのループに嵌った男の脱出口は…。
「残酷で異常」(2014年/メルリン・デルヴィセヴィッチ監督)
原題は「CRUEL & UNUSUAL」で邦題は直訳。
妻とひと悶着あったエドガー。
気が付くと見知らぬ建物の中。ドアが並ぶ廊下はマンションのような病院のような刑務所のような…。
各々のドアから現れた人々。
誘われて入った大広間ではブラウン管モニターに映る高圧的な老婆の司会でグループセラピーのようなプログラムが…。
老婆に指名された者は前に出て自身の罪を告白。
親殺し、子殺し、自殺…。
ここはどこだ? いつの間にか腕にはUXOR(ラテン語で妻)の入れ墨。次の告白に指名されたものの、自分がなぜここにいるのかすら分からない。
老婆に『7734のドアに行きなさい』と言われたエドガーは、その部屋のブラウン管モニターに映るカウンセラーに知らされます。
自分が妻を殺したこと。
自分も既に死んでいること。
そんな馬鹿な!
『どうすれば家に戻れる?』Please, what do I have to do to go home?
『そのドアを抜ければいい』Walk through that door.
そして始まる妻殺しループ。時の回廊を行きつ戻りつ繰り返し繰り返し。
その過程で知る妻の想い、葛藤、自身の独善、身勝手さ。
「ハッピー・デス・デイ」は自分が殺される1日を繰り返すことで世界が広がっていきましたが、こちらは妻を殺し自分も殺される瞬間を(時に妻や連れ子や弟の意識に入り込んで)繰り返す事で贖罪を深めていきます。
セラピー仲間の女性(←自殺した)を救い、妻の地獄堕ちを阻止するためにエドガーが選択した結論は。
出尽くしたかと思いましたが、ループものはアイデア一発でまだまだおかわり出来そうな気がします。
★繰り返しと言えば…
※勿論「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」とか「シュタインズゲート」がオリジンの一角ですが今回は割愛。