デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

全ては円環の理か。 エンドレス・マーダー

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『ターゲットは僕。殺り方は任せるけど不意打ちで。
 僕が生きたがっている時に』

『何故、自分で殺らない?』

『やったさ、何度も。去年はハンバー橋から飛び降りた。200人以上が自殺に成功している場所だ。失敗したのは5人だけ』

★ハンバー橋…イングランドのヨークシャーとリンカンシャーを結ぶ全長1410mの吊り橋。1981年~2007年の間におよそ200人がここから身を投げた。落差30m。2013年時点自殺者数ランキング第9位(因みに1位は日本の誇るナンバーワン自殺スポット「青木ヶ原樹海」)。

※全ランキングを知りたい人はこちら→http://itpatsuya.blogspot.com/2013/08/suicide-spotstop101.html


という珍妙な依頼を前金キャッシュで受けた殺し屋スティーブン・ライ(スティーヴ・マウザキス)。

依頼人は顔面傷だらけの青年パーシバル(レオン・ケイン)。

DVDのキャッチは「敏腕殺し屋vs不死身の男」ですが、これだと対立図式が明確なアクション映画(もしくはコメディ映画)のようでちょっと実像と違います。

「病んだ殺し屋✚死ねない男」の方が実態には近いかも。

「エンドレス・マーダー」

(2015年/ドルー・ブラウン監督)

 

殺し屋目線の邦題ですが、原題は「THE SUICIDE THEORY」。

妊娠中の妻を交通事故(しかも轢き逃げ)で失って以来、ちょいと精神病んでしまった殺し屋スティーヴン。

恋人クリスを失って以来、自殺を繰り返すものの決して死ねないゲイの画家パーシバル。

出会いはスティーヴンの乗るタクシーの屋根にパーシバルが投身(勿論生存)した事。

パーシバルがスティーヴンに殺人依頼をする場所が地下鉄なのですが、窓の雰囲気が日本とはまるで違って違和感満開。

ブラインドが民家っぽくて、電車の振動音が無かったら家かダイナーの中かと思うくらい。オーストラリアの地下鉄って皆こんな感じなのか。

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形状はまるで違いますが「天国の門」の蒸気機関車の窓を思い出しました(写真下)。

出会いも依頼も運命なんだと熱く語るパーシバルに不信感MAXのスティーヴンですが、金をもらった以上、仕事は仕事。

じゃあなと立ち上がった瞬間、鉛弾を立て続けに。

パーシバルが目を覚ますと目の前には神妙な顔の医者。

『あんた、運が良かったよ』

殺れない男と死ねない男。何故、死にたい? 運命を信じる?

探り合う私生活。

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オチはお約束。途中で多くの人が気づくと思います。でも、嫌いじゃないです、こういう話。

全ては円環の理。

 

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★本日5月19日は「ボクシングの日

1952年(昭和27年)のこの日、世界フライ級タイトルマッチで挑戦者・白井義男がチャンピオンのダド・マリノに15回判定勝ちし、日本初のボクシングのチャンピオンになりました。

ボクシング映画なら「どついたるねん」とこれでしょう。 


★本日のTV放送【21:00~BS-TBS 

mandarabatake.hatenablog.com