ナチ×ゾンビ。B級の鉄板ネタですが、その多くは単なる地雷もしくは不発弾。しかし、これはアタリ。ただね…
「デッド11 ─復活ナチゾンビ軍団─」
(2017年/レオ・シャーマン監督)
この邦題考えた(そして承認した)奴、一歩前に出ろ。
始まって最初のテロップが1918年。
1918年…って第一次世界大戦(末期)かよ。ナチス党なんか影も形も無い時じゃん。
原題はTRENCH 11。第11塹壕です。何だよデッド11って。
あとこいつら寄生虫の人体実験の成れの果てでゾンビじゃないぞ。数も単体でうろうろしているだけで軍団じゃないし。
「デッド」「復活」「ナチ」「ゾンビ」「軍団」タイトルを構成する単語が全部嘘(合ってるの「11」だけ)ってある意味凄い。
さて、本題。ドイツ軍が敗走を続けているフランス。戦線から18km後方、アルゴンヌの森にドイツ軍が掘った巨大な地下壕発見(コードネーム:TRENCH 11-第11塹壕-)。その中は推定3-4階層になっており、最深部は地下30mに及ぶダンジョン仕様。
何故、戦線の後方にそんなものを。
しかもそこで目撃されているのが、ドイツ軍の化学兵器開発に熱心なマッドサイエンティスト、ライナー。
第11塹壕の地下には彼の研究施設があるらしい。
幸いドイツ軍は撤退時にこの塹壕の爆破に失敗。今ならお宝が手に入るかも。
野心が先走る英国軍の情報部デスクワーカー、ジェニングスと軍医プリースト、護衛役の米国軍3名にカナダ人の工兵(爆破工作や塹壕堀りなど土木建築技術に特化した兵士)バートン(ロッシフ・サザーランド)を加えた6名の混成部隊でいざ出発。
休憩時の過ごし方が各国各様で微笑ましい。
英国人は優雅にお茶。米国人はコカインの錠剤、カナダ人は酒。
塹壕の入り口には不穏な置き土産が「いらっしゃい」。
ここからの舞台は地下塹壕オンリー。下手に撮ると暗いわ位置関係分からないわで駄目駄目街道まっしぐらになりますが、カメラワークやら照明やら結構気を使っていて思いのほか「魅せ」ます。
前半の探検モードは「バイオハザード」っぽくて実に“いい感じ”。
そして唐突に現れる狂った兵士(これもバイオっぽいですが、ゾンビではないので殺せば死にます)。
好奇心旺盛な軍医は早速倒した兵士を裂いて広げて大解剖。
軍医っていつもこんな器具持ち歩いているのか?
中から出てきたのは巨大な回虫の群れ(目から鼻から口から出たり入ったり…おええ)。こいつを寄生させて狂暴な兵士を作ろうとしていたのか…。
一方のドイツ。怪しい(と言うか人道上非常に問題のある)実験結果を敵国に渡すわけにはいかないって事で、再度爆破ミッション発令。
実験の張本人ライナーと真っ当な軍人ミュラーが部下を率いて第11塹壕へ。
重火器武装のドイツ兵と実は塹壕壊さずに実験続けたいライナー。
フランスの地下30mで英米加独が大乱戦。
工兵役のロッシフ・サザーランド↑はドナルド・サザーランド実子(キーファーは異母兄)。
疑似ゾンビ兵たちは特殊効果は頑張っていますが手番は少な目。ホラーとして観ずに、特殊ミッション下に於ける戦争映画として楽しむのが吉でしょう。
★比較的良く似たテイストの作品として思い浮かぶのがこちら。
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★★★折角なのでトンデモナチス大全集をお送りしましょう★★★
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