デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

そこはハリウッドと真逆の街。 ガルヴェストン

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HELL IS REAL(地獄はある)


寂れた住宅街に建てられた看板。嫌ぁな標識。

『いくつになっても人生やり直せる?』

『勿論だ。君の人生は先が長い。3度でも4度でもやり直せる』

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それ、フラグじゃないですよね?

「ガルヴェストン」(2018年/メラニー・ロラン監督)

1988年。ニューオーリンズ。組織の汚れ仕事をしているロイ(ベン・フォスター)は肺に白い影が見つかりましたが、医者の話を聞かずに遁走。

その夜、ボスの指示で出向いた仕事先には何故か先回りしたお出迎え部隊が。

銃は置いて行けってのはこういう事か。無視して良かった。理由は女(ボスの女はロイの元カノ)だな。

全員返り討ちにして、不幸にもこの場に居合わせてしまった娼婦ロッキー(エル・ファニング)を連れて逃避行。

プレート変えて車も変えて、ほとぼりが冷めるまで身を隠す。

途中、ロッキーの生家に寄って幼い妹・ティファニーを回収して向かった先はガルヴェストン

ここでタイトル回収。ガルヴェストンはテキサス州南東部のグレーター・ヒューストン地域内にあるガルヴェストン郡に位置する島内都市。

メキシコ湾海岸線上に位置し標高が低い(ハリケーン常襲地域。2008年のハリケーン・アイクでは大災害が発生した☜前振り)。

追っ手から逃れながら疑似家族で一時の静寂。

人生で初めてできた凪の時間。

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勿論、そんな安らぎが長く続くわけはなく…とここまでの展開から大抵の人が思い描くクライマックスを見事なまでに素通り。

ハリウッド的な勧善懲悪を期待する人には耳元で「スカッ!」って音が聞こえるレベルの肩透かし。

うええ、そ、そう来ましたか(だからと言って駄目な訳では決してない)。

ちょっと長崎俊一監督の「九月の冗談クラブバンド」を思い出してしまいました。

同じ女性監督という事で前年、スコットランド生まれのリン・ラムジー監督が撮った「ビューティフル・デイ」に近いんじゃないかと勝手に思っていましたが、全然違いました。

若い(1983年生まれ)とは言えフランス人監督にはヌーベルヴァーグが流れているのでしょうか。

 

★ご参考 

 

 

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 見よ、オリジナルの底力!

 
★そして、本日10月29日はウィノナ・ライダーの誕生日(おめでとうございます!)。

私生活ではあれこれやらかしている彼女ですが、代表作はやはり、 

 もう1本挙げるなら(「ビートルジュース」や「シザーハンズ」も捨てがたいですが)、