環境破壊で異常気象で土地荒れ人荒れ力が正義。
毎度お馴染みマッドマックス的近未来終末絵巻。
ちょっと違うのは、
の2点でしょうか。
「レッド・ハンター」
(2018年/ピーター・ハウイット監督)
マッドマックス(特に「2」)は経済崩壊した近未来で最重要物資は石油(ガソリン)でした。
こちらは自然が牙剥く(ちょっと「ナウシカ」入っていて、マスク無しで呼吸しているだけで死んでしまう)過酷社会なので、命綱になるのは「汚染水を浄化する錠剤」と「ただの布切れを空気清浄フィルターに変える魔法の粉-銀」のふたつ。
賞金稼ぎへの報酬もこのふたつで支払われます。
ゲイジ(ジーナ・カラーノ)は腕利きのバウンティ・ハンター。
次の獲物は大物賞金首、ジャクソン(ライアン・ロビンス)。自分が殺したギャング、チャボに成りすまして接近、信用を勝ち取って懐に入り込みますが…。
というストーリーはまんま「用心棒」(いやこの場合は「荒野の用心棒」か)。
マッドマックス的側面を演出するのはやはり武装車&武装トラック。
ちょっと装甲付けただけでバイオレンスな雰囲気になるのでコスパの良い演出技法だと思います。
どこらへんが「レッド」なのか分からない邦題は流石アルバトロスですが、原題は「SCORCHED EARTH」で意味は「焦土作戦」。
一応タイトル回収の台詞はあります。
テンポはいいし、動きはいいしでストレスフリーな作品なのですが、「これぞ」と言う絵がないのが残念無念。
この手の映画は大抵ひとつやふたつは「お~額縁に入れて飾りて~」なアングルがあるものなのですが、そこがさっぱり。構図の切り方が滅茶苦茶凡庸。
ところでジーナ・カラーノってどんどんシルエットが四角くなっている気がするのは私だけ?
何か…太くね?
★ご参考(皆マッドマックスが大好き!)
「マッドマックス」と言えば、今月1日、「マッドマックス」でトーカッターを、「マッドマックス/怒りのデス・ロード」でイモータン・ジョーを演じたヒュー・キース=バーンがお亡くなりになりました。73歳。
『The Nightrider. That is his name... Remember him when you look at the night sky!』
『ナイトライダー、それが奴の名前だ。夜空を見上げる度に思い出せ!』
(「マッドマックス」よりトーカッターの台詞)
マッドマックス以外ではこんな映画にも出ていました。
ご冥福をお祈りいたします。
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★本日12月11日はジャン=ルイ・トランティニャン(1930~)の90回目の誕生日(おめでとうございます!)
台詞のない代表作「殺しが静かにやってくる」は何度か引用しているので、今回は骨太極太ゴリンゴリンなこの作品を。