『人に必要なのは未来を知る事じゃない。未来を強く望む事よ』
易者×巫女=エキシャーマン。
そのアドバイスは何故か自己啓発セミナー風。啓発料1,000円也。ガチアダチスイッチ・オン!
「安達としまむら/第11話・月と決意と 決意と友と」(2020年12月18日BS11放送/波多正美演出)
今回の演出は「ビッグX」「W3」といった日本のTVアニメ黎明期から活動している最古参アニメーターのひとり、波多正美氏(先月78歳!)。
時間(年齢)と言うモノサシの虚しさを痛感します。
2年に進級したものの新しい環境に馴染めず、再び体育館の2階に隠遁してしまった安達。
が、そこにも新しい住人が。安住の地を追われた安達は街へ。
ペットショップのガラスケースに納まった犬を見た途端、涙が。
だってそれは鏡だから。逃げるようにその場を去った安達を呼び止める声。
『いらっしゃいませ。さ、どうぞ』
易者? いや机の上に水晶玉がある。占い師?
目を合わさないように立ち去ろうとすると、
『悩みを抱えたまま家に帰っても、素敵な明日は見えてこないわよ』
う~む、こういう↓顔立ちの人だったのかエキシャーマン。
勝手にこんな↗顔立ちを想像していたので少々意外。
ついでに言えばテレビの恋愛星座占いをやっていたシャーマン田岡もマツコ・デラックスみたいな感じをイメージしておりました。
『ずばり!あなたに足りないものは、思いきりです!』
エキシャーマンが現状打破の方法を伝授。
『あちらに向かって叫びなさい。今、この場所で!』
『はぁ!?』
『腕を振り上げて宣言しなさい。
心を握りしめて硬くするには、それしかない』
もはや占いでも予言でもありません。しかし、安達はこの無茶振りに乗ります。
『に、逃げない…逃げないぞー!』
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ新バージョンですね。
ここで安達はひとつの選択をします。しまむら以外の全ての可能性を捨てるという選択を。
《もしかすると、私がしまむらの周囲含めてみんなと打ち解ける、そんな未来がどこかにあるのかもしれない。選択があるのかもしれない。気づけていないだけかもしれない。だけどその道を選べたとき、私は私でなくなるのだと思う》(原作より)
自らに号令をかけ、頸木を引きちぎってしまむらの元へ。サンチョ、パンチョ、デロスとお昼を食べているしまむらの元へ(ここで前回ラストに繋がります)。
元よりしまむらしか視界に入っていないので他の3人はガン無視。
原作ではしまむらの横にしゃがみこんだ安達を見かねたしまむらが空いている椅子を持ってくる、という展開でしたが、アニメでは迷わずしまむらと椅子をシェア。
絶対そうすべきだと思っていたので、この演出は拍手。
誰がサンチョで誰がパンチョなのか全く分かりませんが、パンチョは後々ちょっといい仕事をするので、モブ以上レギュラー未満な顔立ちにしてあげてほしいと思います。
帰りも勿論一緒。たとえ校門で分かれる短い逢瀬だとしても。
ようやくしまむらの元に帰って来れた。感極まった安達はしまむらにダッシュ&ハグ。
『ずっと、なんにも、なかったから』
夜には電話。話す事がなくなって無言になっても、
『電話している間は、しまむらの時間を独り占めできる、し』
愛が重いぞー安達。しかし、しまむらも安達検定1級の安達マイスター。無意識のうちに返しのツボを。
『まー、なに。どんな形でも誰かに大事に思われるのは悪い気はしないよ』
しまむらロスが長かったせいか感情のハードルだだ下がりで安達号泣。そ、そんなに嬉しいのか。
今回、安達はしまむらだけの世界を選びました。他は全部不必要と捨て去りました。しまむらにとって、それは匕首。
さて、どうする?島村抱月。
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★本日12月21日はキーファー・サザーランドの誕生日(おめでとうございます!)
ジュリア・ロバーツとの婚約の切っ掛けとなった(挙式の3日前に破局しましたが…)作品と、割と珍しい心霊ホラーな作品の2本立てで。
★そして本日はプロレスラー上田馬之助(1940~2011)の命日。
当時の哀悼記事を再録いたします。