『パラディ島の悪魔を成敗すれば世界を救えるんだ。そしたら俺は世界一の自慢の息子になれるんだ!』
名誉マーレ人になって自分と母を捨てた父と3人で暮らす。
《でもそんな事を望む父はどこにもいなかった。母は叶わないとわかっている夢を見続けていた。俺は選ばれるはずのない戦士で今日死ぬはずだった。嫌だ。まだ終わりたくない。まだ何もわかっていないんだ!》
父は母子を拒絶した。自分が戦士になれたのは、仲間が弟を守るため軍に印象操作をしたからだった。
その仲間は壁に辿り着くことなく巨人に喰われて死んだ。自分を庇って。
ライナーのメンタルは壁を破壊した時点で既にボロ雑巾だったんですねえ…。
「進撃の巨人 The Final Season/第3話(通算62話)・希望の扉」(2020年12月21日深夜NHK放送/青島昂希、林祐一郎演出)
すべての始まりである“衝撃のあの日”までをライナーの目線でトレス。
戦士候補生たちが巨人を継承するシーンは原作より絵的にかっちょ良く、1期ライナーの台詞がことごとく別の意味を持っていた事が分かる見どころ満載の回ではありましたが、彼ら3人の行動原理の説明を綺麗さっぱり削ぎ落してしまったので、原作読んでいないと「何で兵士?」「何でここでケリー?」と疑問符山積み。
簡単に整理しておくと…
- 彼らの目的はパラディ島のフリッツ王が有している始祖の巨人の奪還。
- そのためにまずはウォール・マリアを破壊、巨人侵入の混乱に乗じて住民に紛れ込み、壁の王フリッツの出方を見て始祖の巨人の手がかりを探る。
- が、2年調べて分かったことは、フリッツ王はお飾りの影武者で権力は周辺の人間が握っている、ということだけ。
- その権力者に近づきたくてもパイプがない。残った手段は兵士になって中央憲兵に接近すること。
- 兵士として訓練を受けながら、王政周辺を調べた所、浮かび上がってきたのが黒いコートの男(ケリー)。彼の行動を監視すれば壁の王に繋がるかも…
という流れなのですが、これをアニメだけで理解するのはちょっとしんどい(というか不可能)。
いきなり構成が破綻しかかっていますが、終わりまで描くには適当に端折って後は勢いで誤魔化すしか…。
で、誤魔化しの最終兵器がエレン。
片目・片足を失い、PTSDを発症して専門病棟に収容された謎の男ですが、声でエレンとバレバレ。彼がファルコに語る地獄の先。
何かに強制されて地獄に足を突っ込んだ奴と自分で自分の背中を押した奴の見る地獄は違う。
『その地獄の先にある何かを見ている。それは希望かもしれないし、更なる地獄かもしれない。それは…進み続けた者にしかわからない』
この後、何がやって来るのか、何をしでかす気なのか。背筋の震える台詞ひとつで全ての疑問をチャラにしてto be continued.
次回、遂にエレンとライナー、運命の再会。
おまけ
お天気占いとして活用(?)されていたベルトルトの寝相。
これ↑タロットの「吊るされた男」のポーズですよね。
正位置ととるか逆位置ととるかで読み方が変わってきますが、
正位置なら「今までの努力や苦労が報われ、それ相応の結果を手にする事ができる。世のため人のために尽くそうと思う気持ちが、良い結果や状況を作り出す」
逆位置なら「今までの努力や苦労が報われることなく、ただの無駄になってしまう。これまでの努力や状況を放棄し、新しい方向に目を向けていく」
となります。逆位置には「片思い」という意味もあるので。アニとの関係とか考えるとやっぱり…。
----------------------------------------------------------------------
★本日12月23日は「東京タワーの日」
1958年(昭和33年)のこの日、東京・芝公園に「東京タワー」が完成(竣工)し、完工式が行われました。
東京タワーと言えば怪獣! モスラが繭を作り、ギャオスが卵を産み、ガラモンが揺すり、昭和ガメラが薙ぎ倒した怪獣の聖地。
どれも怪獣の身長とタワーの高さがまるで合っておりませんが、いいじゃないですか、そんな事は。
怪獣は東京タワーに対峙した瞬間、見合った身長に変わる生き物なんですよ。
今日は東京タワーが印象的だった作品2本(片方はフィギュアの紹介ですが…)をお届け。