9歳の時に母親共々シリアル・キラーに拉致られて、そのまま同居(母親は即殺)。
同居人の暴虐を見続け(後始末をし続け)ながら青年に。
その精神が彷徨う辺境はいずこ。
「チェインド」
(2012年/ジェニファー・リンチ監督)
デヴィッド・リンチ監督ご息女の監督4作目。
ボブ(ヴィンセント・ドノフリオ)は流しの個人タクシー。
気に入った客が乗ったらそのまま拉致って犯って殺してR.I.P.。
今日の獲物は母子。母親はとっとと殺って、息子(ラビットと命名)は鎖で繋いで軟禁。
身の回りの世話と仕事の後始末をさせ…気がつけばラビットもお年頃。
ぼちぼちこいつにも女の味を教えねば…。
ストックホルム症候群とリマ症候群を足してPTSDで割った人間関係。
ただ、ボブは拉致ってくる女の子を見る限り、明らかに若い娘好き。
何故、好みと違う上にリスクの高い「子連れ熟女」を狙ったのか疑問でしたが、そこいら辺の説明は後半ちゃんとありました。
余談ですが、監督のフルネームはジェニファー・チェンバース・リンチ。「愛しのジェニファー」(ダリオ・アルジェント)のジェニファーに、マリリン・チェンバース(グリーン・ドア/ラビッド)のチェンバースに血族の証・リンチ。素晴らしい名前じゃありませんか。
その監督お気に入りのシーンがこちら↓。
被害者の免許証でカードゲーム。
持ち手が名前を言って、相手が住所や年齢、体重を当てるという悪魔の神経衰弱。
この時の手札は互いに5枚。更に余りが一束。何人殺ったんだよ。
で、殺った死体は床下(場所は決まっている)に埋めているのですが、全然足りないだろ面積。
あと埋めが浅い。いくら石灰とか撒いてもすぐ匂ってくるぞ。
「薄化粧」で緒形拳が同じ事やっていましたが、結局死臭で疑念を持たれていたような。
まあ、見渡す限り隣家なんてない草原の一軒家なので匂っても特段不都合はありませんが…。
因みにカメオ出演している監督がこちら↙。
テレビの料理番組のホスト役。咥えタバコで楽し気に「何か」を作っています(普通の料理なんだと思いますが、何故かあまり食べたくは…)。
★表題にも書きましたが、本日1月20日はデヴィッド・リンチ監督(1946~)の誕生日(おめでとうございます!)
本日は如何にもリンチな3本を。
★ご参考~2代目繋がりでクローネンバーグご子息の撮った作品が
※何となく主演男優の好み(病的な繊細さ)が似ているような…。
★ついでと言っては何ですが、ヴィンセント・ドノフリオのトレードマーク(?)である「微笑みデブ」について浅ぁく考察したのがこちら。