デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【イエーガー派武装決起】進撃の巨人 The Final Season #71【景気づけはザックレーの人間花火】

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黒船来航と文明開化。唐突に開けた視界。利害と遺恨を通貨に綱引きをしている「世界」に放り込まれた「島国」。

必要なのは国として成熟するまでの時間稼ぎ。

最強の抑止力「地鳴らし」の行使を巡って対立する兵団内部。

そもそも反マーレ軍、特にジークの案に無手勝で乗って大丈夫なのか。そこに生まれる疑心暗鬼。上層部の情報隠蔽とエレン拘束に不信感を募らせる一般市民。

見事にバラバラ。

内圧だけが高まる膠着状態の中、遂にエレンが動きました。

進撃の巨人 The Final Season/#11(通算71)・導く者」(2021年2月28日深夜NHK放送/森邦宏、山崎みつえ演出)

ここいら辺、原作の流れも「膠着」な感じがしたのですが、イエーガー武装決起とザックレー人間花火のテンポの良さ、脱獄エレンがフロックらに迎えられて上着を羽織る原作越えなかっちょ良さ(イケメン度5割増し)、そして次回の盛り上がりを予感させる(いや保証する)「ブラウス一家がレストランにご到着」シーンと原作より早いタイミングでパラディ島に潜入しているピークのカットで体感5分。

★原作についてはこちらで。

 

ミカサとアルミンはエレンへの面会をザックレー総統に願い出ますが敢え無く却下。

既に兵団はエレンを見限って(エレンを誰かに喰わせて始祖を別の人間に継承させようと)しているのではないかという疑念がよぎった瞬間、ザックレー爆殺。

人間花火となって執務室から吹き飛んできたザックレーは下半身千切れ、頭部抉れ(アニメでは規制が入ってマイルドに)。

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テロに湧き上がる(英雄エレンを拘束し続ける兵団に対する武力行使を支持する)群衆。

犯人は調査兵団新兵。緊急呼集がかけられた兵団が善後策を検討している中、もたらされたのは…。

『エレン・イエーガーが地下牢から脱走しました!』

エレンは神輿ではなく指導者。ギャグアニメ一歩手前の表情で固まるミカサとアルミン。

『一体、何が起こっているの?』

クーデターです。皇帝のいない八月です。二課の一番長い日です。脱獄エレンを出迎えるフロックらイエーガー派。

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最早ラスボス以外の何物でもないエレン。


ジークとイェレナの謀略を暴くため、オニャンコポンを引き連れて独り奔走するハンジ。

マーレ人に対して情け無用の態度を取って来たイェレナが唯一守ったマーレ人の労働環境に疑念を抱くハンジ。

『例えば…レストランとか』

その頃、ブラウス厩舎の面々はタダ飯振る舞われにニコロのレストランへ。

ここにサシャの両親、サシャが救いサシャを崇める少女、サシャを愛しサシャに愛された男、そしてサシャを殺めた少女が一堂に集いました。

見事な構成、見事な引き。来週いよいよ盤面が動きます。

おまけ

コートを羽織るシーンと言えば、やっぱりこれ。

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男たちの挽歌2」より。弟が蜂の巣になった時に着ていたコートを羽織ってお礼参りに赴くチョウ・ユンファ

 

 

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★本日3月2日は三隈研次監督(1921~1975)の誕生日。

古くは丹下左膳水戸黄門、更に座頭市子連れ狼必殺シリーズと時代劇(特に劇画原作時代劇)には欠かせぬ監督でした。

今回は中でもタッグを組むことが多かった若山・勝兄弟絡みのものを各1本。