ゴリッゴリにチューンナップされたフォードのトラック。
おっと気分はインターセプターですか?マッドマックスですか?こいつで悪党どもを追い詰めていくんですね?と思ったら、ただの移動用ツールでした。
ええぇ、何だよ勿体ない。
「ブラザーズ・ブラッド」
(2015年/ブルーノ・エルナンデス監督)
ここは南米アルゼンチン。麻薬を武器に行政も警察も牛耳っている(その割に大物感はまるでない)マフィアのボス、ビセンテ。
汚れ仕事は弟ホアンに押し付けてきましたが、ホアンが足を洗うと言って出て行ってしまったからさあ大変。
そんな勝手な真似は許さん。粛清だ、血の報復だってんで刺客差し向け弟殺害。
しかし、弟もこの世界の手練れ。他人の死体をそれらしく繕って生きながら死人に。
舐めやがって糞兄貴、ぶっ殺してやる。でも今殺ったらお袋が悲しむ。おふくろが死ぬまで復讐は待ってやる。
で、待つこと7年。
晴れてご母堂様は天国に召され、地上は兄弟喧嘩の楽園と相成りました。
兄の周辺から1本1本毛を毟るように弾丸祭を開催していく弟。
元々車が好きと見えて、アジト兼ガレージのような所には、黄色いマスタングやら改造トラックやらが。
いやあ、どう考えてもこれらカスタムカーの特性を活かして相手を血祭りにあげていく…んだと思ったのに、ただ移動に使うだけかい(傷でもつけたらエライこっちゃな貸出契約だったのか)。
唯一、ロールケージ這わせて補強した1台だけは、正面突っ込み仕様で大破、実を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ作戦に使われましたが。
まぁ、オチは読めちゃうし、スケール小さいし地味だし…な小品ではあるのですが、よく言えば様式美のツボは押さえている作品ではありました。
覚えているのはカスタム・フォードだけですが、どんなものでも記憶に焼き付く(「どんな映画だったっけ?」と思った時に「あー無駄にかちょいいカスタム・フォードが出てた奴か」と記憶と符号させるシーンがある)のは大事な事なので、これはこれでいいんじゃないかと思います。
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★本日3月8日は「散髪の日」。3と8で実に分かりやすい語呂合わせ。
散髪と言えばこの1本(いや他にもあると思いますが…)