『愛は弱さでしかない』
『愛を知らないのね』
若くして成功を収めた青年実業家(チンピラとも言う。昔で言うヤッピー)ミハイル(☜世渡り上手なだけで大した苦労はしていない。ただ、ちょっと逆らえない人から金を借りているというリスクは負っている)。
彼が監督している採掘現場に第二次世界大戦時の防空壕が出土。
中にはその中で命を絶ったソ連兵の遺品と遺骨が。
せめてきちんと埋葬を済ませるまで採掘の中断を、と訴える女性考古学者エリザヴェータ(当然若くて美人)。
採掘を中断したら多分命がないミハイルは聞く耳持たず。そんなミハイルにエリザヴェータは骨となった指揮官の名前を明かす。
シェーロフ。それはミハイルの苗字。
いやいやいや、親父は戦災孤児でシェーロフの名前は孤児院で貰ったもの。この骸骨さんとは縁もゆかりもない。偶然偶然。
話しながら何気に柱に刺さっていた鎹(かすがい)を引き抜くと、防空壕崩落。
轟音と土煙。気が付いたらそこはソ連の対ドイツ全滅戦線。
塹壕の中は地獄絵図でした。
「フロンティア」(2017年/ドミトリー・チューリン監督)
最初は、どうすれば現代に戻れるのか、というバック・トゥ・ザ・フューチャーな展開。
一旦、現代に戻るものの、過去に背を向けることは許さん、とばかりにタイムトンネルが開く開く。
トルネードのような時空のうねりが降り注ぎ、中に垣間見える映像がヒントとなり…。
やがて過去と現在の往復はミハイルのルーツ探しの旅に。
老人ホームで偏屈な老人となっている父(口癖は「愛は弱さでしかない」)。
その父も一度は探し求めた祖父の姿(1962年に孤児院の記録を見に来た人間がいますが、該当ファイルは見つからず)。
自身の出自はあの防空壕と繋がるのか。
SF戦争アクションみたいなジャケや売り口上になっていますが、至ってヒューマンな内容。
最後のオチに至るまで、何となくどこが観たり聞いたりした話だったりするのですが、観せ方が巧いので、途中下車する気にはなりませんでした。
で、本作の個人的見どころは「防空壕内での食事(そこかよ!)」。
ソ連兵が白いキューブ状のものを液体(多分お湯)に浸して吸うように食べておりました。
てっきり角砂糖で糖分補給でもしているのかと思いましたがれっきとしたレーションでした。
これは、硬化/乾燥させた野菜と穀物のスープを紙で包み、水を加えて火で煮たり、一口大に切ってお茶やお湯に浸したりして食す、当時の本物の配給食料なんだそうです。
ミハイルが現実に戻ってきた時にわざわざ角砂糖をコーヒーに浸すシーンがあったので、重ねてしまいましたが一種のミスリーディングだったんですね。
お話も映像そこそこ魅せる出来になっているので劇場未公開はちと残念。
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★本日3月16日は“死の天使” ヨーゼフ・メンゲレ(医師、ナチス親衛隊将校。1911~1979)の誕生日。
悪魔が解き放たれた日なわけですが、メンゲレと言えば…
★そしてもうひとり、イザベル・ユペール(1955~)の誕生日(おめでとうございます!)
この方、老いてますますお盛んな役柄が多いですが、代表作はやはりこれでしょう。
★おっともうひとりいらっしゃいました。シエンナ・ギロリー姉さん(1975~)の誕生日も今日です(おめでとうございます!)
ギロリー姉さんと言えば、世界中のジル・バレンタインファンを熱狂させたこれ。