『愛さんは今のフランシュシュよりもアイアンフリルだったころの方が良かったのでしょうか?』
『何言ってんの!? あんたがそんなじゃ皆だって不安になる…』
愛に掴まれた腕を振りほどく純子。
『そんな事ない!…とは言ってくれないんですね…』
佐賀の新名所、サガスタジアム竣工。そのこけら落としを務めるのがメンバーチェンジを繰り返しながら今尚最前線に君臨するアイドルグループ、アイアンフリル。
その前座を務めることになったフランシュシュですが…。
かつてアイアンフリルで“不動の伝説、永遠のセンター”と呼ばれたゾンビ3号・水野愛の正体バレを恐れた巽の計略(勿論口実)で、サガアリーナは愛抜きで行うことに。
後を任されたのは伝説の昭和アイドル、紺野純子。
しかし、ソロアイドルとして活動していた純子にグループの牽引役はとてつもなく荷が重く…。
フランシュシュ3号としてのソロ活動を余儀なくされている愛に相談しようとさくらと共に愛の仕事場に出向いた純子でしたが、そこでアイアンフリル現センターの詩織が愛をアイアンフリルに引き抜こうとする現場を目撃してしまい…。
「ゾンビランドサガ リベンジ/第3話・愛と青春のアコースティックSAGA|第4話・純情エレクトリックSAGA」(2021年4月22日・29日深夜BS11放送/境宗久監督)
愛は出て行ってしまうのか。フランシュシュは愛に相応しくないのか。
本番目前にして葛藤の佃煮になっている純子を巽が一括。
『愛さんにはフランシュシュは相応しくない? 愛を言い訳にするな。お前自身はどうなんだ? 仲間に見限られ、出て行かれても当然だと、その程度のレベルしかないと、自ら認め、受け入れるのか?』
愛用のエレクトリックギターをかき鳴らしながらなので、ギター漫談っぽいですが、巽のマジ説教はストレートな分染み渡ります。
『ぶち壊せ!輝けない自分を、諦めるための言い訳を、自分で作った枷の全てを、欲しいものがあるのなら、全てを壊して奪い取れ! ゾンビィだろうと何だろうと、お前自身が輝けば、周りの全てはついてくる。ぶち壊せー!紺野純子!』
そして当日。暗転したステージからせり上がって来たのは、激しくドラムを叩きまくる山田たえ(な、なんだってー!…って滅茶巧くない?)
冗談としか思えないバケツパーカッションがドラムソロの前振りだったとは…。
中央には巽のエレキを抱えた純子。かき鳴らすハードロックのメロディ(「激昂サバイブ」)。
客席最後方で見守る愛の目にはそのシルエットがソロアイドル時代の純子と重なり…。
嗚呼、第3話で愛がこっそりPC動画で見ていたのは昔の純子だったんですね(しかもアイコンがハートって…)。
追憶の世界ではアコースティックギターを抱えたソロアイドルが、アコギをエレキに持ち替えてグループを束ね、パワフルなシャウトを響かせている。
歌い終わった純子は絶叫と共にギタークラッシュ! その折れたネックを愛に向け…。
堪らずステージに向かって走り出す愛。手を差し出す純子。ジャンプしてもちいっと距離が足りず二人してステージ下に落下しますが、外れたギターコードを自身に差して帯電。そのままメンバー全員に放電して「目覚めRETURNER(Electric Returner Type "R")」へ。
愛の加わったステージを袖で見つめる詩織の目にはかつて羨望と憧憬を込めて見つめていた愛率いるアイアンフリルの映像が重なり…。
それぞれの過去と現在が交錯する構成が素晴らしい。
にしても「ぶち壊せ」「お前自身が輝け」を言葉通りに実践できるなんて、やはり純子は逸材です(巽さんはご愁傷さまでした)。
演奏終えて、引き上げるフランシュシュとすれ違うアイアンフリル。再度の勧誘を仕掛ける詩織ですが…。
『3号はフランシュシュのメンバーです。絶対に渡しません!』
一度は振りほどいた愛の手をしっかり握って離さない純子。
葛藤と挑戦と克服と百合。尊いにもほどがあります。純愛エピにハズレ無し。
おまけ
すっぴん純子
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★本日5月2日は映画製作者ジョージ・パル(1908~1980)の命日(合掌)。
一番有名な作品は「宇宙戦争」だと思いますが、この機会に是非ともこれを。
★本日のTV放送❶【19:00~BS12/GW特別企画】
★本日のTV放送❷【19:00~BSテレ東/シネマスペシャル】
※同時間帯でゴジラVSサメ。果たして勝者は…。