『まぁ実を言うと佐賀はもう…ないんだけどな』
人気があり過ぎて(値が上がり過ぎて)客が取れなくなった伝説の花魁・ゆうぎり。
明治14年、政府高官「日比谷の旦那」がゆうぎりを身請け。ふたりで訪ねた旦那の故郷、そこはかつて(5年前まで)佐賀と呼ばれていた場所でした。
待ちに待った「ゆうぎり編」ついにスタート。
「ゾンビランドサガ リベンジ/第八話・佐賀事変 其ノ壱」(2012年5月27日深夜BS11放送/石田貴史、宇田鋼之介演出)
明治7年2月、明治政府に対する士族の反乱、所謂「佐賀の乱」勃発。
明治政府は初の「軍隊」を組織してこれに対抗し、激戦の末、鎮圧。
2年後の明治9年、佐賀の乱に対する懲罰として佐賀県は消滅(長崎県等に編入)。
再び佐賀がその名を取り戻すのは明治16年5月。
時に明治15年春。ゆうぎりが旧佐賀城下に移り住んで数か月。
身請けした政府高官は流行り病であっけなくこの世を去り、遺言により遺産の一部を与えられたものの、所縁も知己もいない町で余生を過ごす事に。
そんなゆうぎりが町で偶然出会ったのが「佐賀を取り戻す」べく、ただひたすら不器用にビラ配りに精を出している若者、百﨑喜一(中の人は幸太郎さん)。
いきなりの歴史探訪、いきなりの大河ドラマ。そして不穏の佃煮。
通常のエピに比べるとまったりのんびりしたスローな展開ですが、情報量が半端有りません。
とりわけ注目株は喜一の祖父(佐賀の乱で孤児となった喜一を引き取った。血は繋がっていない)。
BAR Jofukuのマスターと同じ顔、同じ声、さきいか嚙(しが)みながら「俺に昔の力があれば死人を蘇らせる事なんて朝飯前だ」と豪語するこの爺さん、徐福の末裔かと思ったらエンドクレジット見てびっくり。
正に徐福その人でした(隠す気ゼロだな)。
床下にはロメロが!
爺さんの願いはただひとつ「佐賀を救え」
喜一の目的は新しい佐賀を作ること『男も女も士族も百姓も商人や職人、皆が自分で自分の道ば選んで自分らしく笑って生きられる』国にすること。
しかし、それは為政者から見れば叛乱。
喜一の夢に傾倒していくゆうぎり。
喜一の友人、伊東正次郎は明らかに中央の密偵。
伊東のただならぬ殺気に思わず反応してしまうゆうぎり。
喜一の呼びかけに共鳴する若者の出現、それを見て仲間に何某かの指示を飛ばす伊東。
ゆうぎりの首の傷はどう見ても斬首の跡。
嫌な予感しかしませんが、眼が離せません。
次回「佐賀事変 其ノ弐」。前後編でないということは「其ノ参」もあるという事でしょうか。
引っ張りまくっただけに気合入っているなぁ。
おまけ
城下町の中にはフランシュシュのメンバーによく似た町娘が。
存在一番は山田たえ似の令嬢。台詞は一言「ああん?」ですが、ふ、普通に発音している!
★其ノ弐はこちら
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★本日5月30日はハワード・ホークス監督(1896~1977)の誕生日にして、今村昌平監督(1926~2006)の命日。
巨匠の演出をこの2本でご堪能ください。