観終わった瞬間、スカっと全部忘れて誰が死んで誰が生き残ったのかも思い出せませんが、観ている間はそれなりに楽しめる正調純正ハリウッド映画。
製作資金は「紐付きチャイナマネー」ですが、妬んでないぞ!
「MEG ザ・モンスター」
(2018年/ジョン・タートルトーブ監督)
予告編をご紹介した時に触れていますが、一応おさらいをしておくと…
MEGってのは約1800万年前から150万年前(約2300万年前から360万年前とする文献もあり)という超ざっくりした時代に生息していた絶滅種の巨大サメ、メガロドンの事(巨大化したメグ・ライアンではない)。
正式名称カルカロクレス・メガロドン。標準和名ムカシオオホホジロザメ(舌を噛まずに3回言ってみろ)。全長70ft(ざっくり21m)の体躯を誇る海のプレデターです。
主演はジェイソン・ステイサム。メインヒロインは「バオハザードⅤ:リトリビューション」で全然似ていないエイダ・ウォンを演った挙句、(原作が日本のゲームなのに)「日本にはいかない」と言い垂れてプロモーション拒否した「日本大嫌い」なリー・ビンビン。
ついでに言うとステイサムの元妻ローリー(ジェシカ・マクナミー)は10年間反捕鯨運動の船に乗っていたという「いるの、その設定?」な反日包囲網。
ジョナス・テイラー(ステイサム)は元レスキュー・チームのリーダー。5年前、沈没した原子力潜水艦の乗組員救助活動時に「何か巨大なもの」に襲われ、逃げ遅れた仲間を結果的に見殺しに。
全滅回避ギリギリの判断でしたが、誰も巨大生物の存在を信じず、精神疾患扱いにされて離職。今はタイで飲んだくれる日々。
一方、上海沖に建設された海洋研究所マナ・ワンではマリアナ海溝の海底探査を行っていた探査艇が何か巨大なものに襲われ操作不能&音信途絶。
深度1万1千メートル。この深度での救出経験のある人間は奴しかいない。
という訳で(探査艇の操縦者が元妻ローリーという事もあって)ステイサム・カムバック!
探査艇を襲ったのは勿論、あいつでした。
というのが前半のプロット。
資金潤沢だから見せ場も豊富。マナ・ワンのセットだけでも超豪華。「ディープ・ブルー」の海上研究所が夏休みの自由工作に見えます。
この探査艇レスキュー時の犠牲者が日本人クルー、トシ(マシ・オカ)。
取り合えず日本人は殺しておこうか、という流れですが、ちゃんとキャラ付けされていて結構美味しい役どころだと思います。トシの名前は後半でも出てきますし、捨て駒という扱いではありませんでした。
死を予感したトシが妻のために書き記した遺書もちゃんとした日本語で書かれていて、もうちょっと判読可能な映し方をして欲しかったくらい。
で、ここからようやくサメ話。
マナ・ワンの責任者であるジャン博士の娘スーイン(ビンビン)と(軽い反目の後)協力してMEG殲滅作戦開始。
お話の印象は「とにかく(サメが)大きくなっただけ」。
新しいアイデアとか新機軸の設定とか何もなし。
結局、ケージ入って毒銛とか「ジョーズ」から一歩も進化してないじゃないの。
絵的に「おお!」と思ったのは、クライマックスの舞台となる三亜湾(サンヤーベイ)。
『三亜湾? 何がある?』
『何も。世界屈指の込み合うビーチだ』
行った事ないので確認のしようもないのですが、本当にこんな状態なんすか、ここ。ほとんど筒井康隆の「幸福の限界」実写版じゃありませんか。
ここにメグちゃん襲来、人間入れ喰い踊り喰い。
こういう大掛かりなパニックシーンは見応えがありますが、やっぱり大味。
「ジョーズ」は偉大な作品だったんだなぁと改めて感じた次第でございます。
そう言えば他にもメガロドンが出てきた奴があったなぁと過去記事検索。
あった、あった。「メガシャークvsジャイアント・オクトパス」だ。
ついでなのでサメ特集でもやるかと改めて取り上げたサメもの眺めてみたのですが、驚くほど偏差値貧乏な奴ばかりで、レビューチェックしているだけで船酔いしそうになりました。
比較的まとも、もしくはあれこれ景気よくオーバーランしているサメものを並べておきます。
★★★★★★★★ 特選!偏差値貧乏サメ映画!★★★★★★★★