『そこにいるのか? お前の助手になってから、俺がどれだけ大変な思いをしてきたか。謎の組織との頂上バトルが始まって、追手から逃げるように3年間も世界を旅する事になって、無一文でハリケーンの日も野晒しで寝て、たまにカジノで稼いだ日にはリゾートホテルのベッドで飛び跳ねて、やっぱり翌日からは貧乏で、砂漠を歩いて、ジャングルを抜けて、山を越えて海を渡って、それから…それから…何を先に死んでやがる…馬鹿』
目の眩むような冒険の日々って、目の眩むような貧乏とサバイバルの日々だったんですね。
「探偵はもう、死んでいる。/第2話・今も、ずっと、憶えてる」(2021年7月12日深夜BS日テレ放送/伊藤史夫演出)
名探偵シエスタと出会って3年、死に別れて1年、ごく普通の高校3年生となった君塚君彦は、日常と言うぬるま湯にどっぷりと浸かりながら、見知らぬ少女に胸ぐら掴まれ恫喝されておりました。
『あんたが名探偵、君塚君彦なの?』
『人違いだ』
『待って、ちゃんと答えないのなら容赦なくあんたの喉ちんこを触る』
君塚の口蓋にねじ込まれる少女の右手。おっとこいつは「13日の金曜日 序章」でヒロインが繰り出した大技≪Fist-Choke Finale≫ではないですか!?
何と言うご褒美!
更に返す刀で君彦の頭を抱えて胸元にグイ!
すみません、幾らお支払いすれば良いのでしょう?
少女の名前は夏凪 渚(なつなぎ なぎさ)。依頼は人探し。
どうやら君塚君、生まれながらの巻き込まれ体質とシエスタに叩きこまれたであろうあれやこれやのスキルによってちょっとした有名人(片っ端から事件に巻き込まれ、片っ端から解決してしまう)になっておりました(感謝状コレクターだな)。
渚が探して欲しい人とは、誰かは分からないが渚が会わねばならないと思っている人。
性別も年齢もどこにいるのかも分からない。でも会わなければならない。
一休さんかよ!? なトンチ依頼ですが、ヒントはありました。
その想いが高じたのは1年前。心臓の移植手術を受けてから。
「記憶転移」。心臓の持ち主の記憶が渚を突き動かしている。会いたいと言う想いは心臓、つまりドナーの記憶であって渚の意思ではない。
『違う!これはただの記憶じゃない。心残りだよ。肉体が死んでも、あたしに心臓を引き継いで、そうまでして会いたがってるんだ。あたしはこの心臓に命をもらった。だから、恩返しがしたい』
報酬はおっぱい押し付けサービスで前払い(喉ちんこ愛撫はノーカンなのか…)。
翌日、調査のために待ち合わせ。
デートですね。
調査対象は見知らぬドナー。しかし、2人が向かったのは病院ではなく、別荘(英語字幕ではBIG HOUSE)の隠語で呼ばれる刑務所、それもかなり特殊な。
手引きしてくれたのは加瀬風靡(かせ ふうび)警部補(シエスタ以前以後のトラブル絡みで身内同然の間柄)。
鉄の扉の向こうにいたのは、第1話のハイジャック犯、半人造人間コウモリ。
遠く離れた人の心音すら聞き分ける聴力の持ち主(その代償として視力を失っている)。
『ほう、随分懐かしいなぁ。名探偵』
事情を聴いたコウモリは説明を省いて、耳から生やした触手で渚を攻撃。しかし、それは渚に届くことなく、手前で瓦解。
人造人間が攻撃できないもの、それは自らの血を弾丸として撃ち込んで来た「マスター」だけ。そして、コウモリがマスターと認識しているのは…。
『そんな…そんな事…やめてくれ。俺はもう…』
『俺は最初からあの女がここに来たとばかり思ってたんだけどなあ』
渚に心臓を提供したドナーは…シエスタ。
再会は、願い。
その涙は誰の涙だ、渚。
なるほど、そう繋がっていくのか。
そして新たな依頼人(どう見ても中二病。もしくは爆裂狂いの紅魔族)が君塚の前に…。
中の人は「うちの娘のためならば(以下略)」のラティナだ。
★ご参考
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★本日のTV放送❶【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】