ファーストフードに代表されるフランチャイズチェーンの利点は「想像通りのものが出て来ることを看板が保証してくれる」事。
タルタルのかかったフィッシュフライのバーガーを頼んだつもりが、あんかけたっぷりのアジの丸揚げサンドとかが出て来たら美味い不味い以前に「いやそれは違うだろ」となります。
セガールを注文して「余韻がない」だの「深みがない」だの言い垂れる人はそもそも入る店を間違えています。
ただ、たまに火が通ってなかったり、ソースかけ忘れていたり、食材が傷んでいたりすることはあるので注意を怠ってはいけません。
「沈黙の逆襲」(2009年/キオニ・ワックスマン監督)
原題は「THE KEEPER」。「番人」って感じでしょうか。
セガールの役どころはLAPDの刑事さん。相棒とマフィアのアジト急襲して殲滅したら部屋一杯の札束が。
ちょろまかそうとする相棒を諫めたら「やだなぁ冗談だよ」バキュン!
奇跡的に一命はとりとめましたが、意識が戻られると困る相棒は病院まで追い込み漁。当然返り討ち。
悪いのは一方的に相棒さんですが、汚職×刑事殺しは特大スキャンダルなので、臭いものには蓋の上層部がセガールに退職命令。
Amazonの内容紹介には「この一連の裏切り行為により、彼は人間不信へと陥り、警察を辞職」とか書いてありますが、大嘘です。そもそも誰も信用していませんし、退院後は復職する気まんまんでした。
20年奉公したのにこの仕打ちかよクッソー!なセガールに新たなお仕事が。
依頼人はテキサス州で実業家になった元上官。依頼内容は娘のボディガード。敵となる地元マフィアの目的が掴めぬまま、ボディガードを務めることにしたセガールさんですが…。
例によって無敵。この時期はまだ泥棒髭は蓄えていません。
横幅は膨張途上ですが、ギリギリ許容範囲。
格闘アクションのカット割りは千切りキャベツですが、特に必要がなくても躊躇なくバキバキ相手の骨を折りに行き、必要がある時は迷わず首を折りに行く人でなし殺法。
銃撃戦とカーアクションも潤沢。
という「いつもの(平均点な)」セガール劇場です。
設定上、銃火器はふんだん。珍し気なものをハンドガンとライフルから1丁ずつご紹介しましょう。
まずはハンドガン。チャーター・アームズ パグ(Charter Arms Pug)。
病院に見舞いに来た姪(LAPDの同僚)が持っていたもので、セガールはこれをちょっと拝借してトドメを刺しに来た相棒にトドメを刺しました。
実に飾り気のない実用オンリーなフォルムですが、357マグナム弾が使用できる(装弾数は5)優れものです。
パグってのは犬のパグの事。先行販売されていたチャーター・アームズ ブルドッグを更に小型軽量化したので名前も小型犬化した次第。
因みにチャーター・アームズ ブルドッグは「ブレードランナー」で使用されたガジェット「デッカード・ブラスター」のプロップ元になった事で一部ではつとに有名な銃です。
続いてライフル。バレットM107(Barrett M107)。
個人運用可能な対物ライフルとしてロニー・バレットが設計し、1982年にアメリカのバレット社から発売された.50口径セミオートライフル。重機関銃弾である.50BMG弾を使用し、コンクリート製の壁を障子紙の如く貫く威力を持っています。
敵の狙撃兵が持っていたものをセガールが奪って景気よく敵陣を攪乱しておりました。
まぁオチがついたようなつかないような、終わりですかそうですか、なエンディングではありますが、セガール・ワールドのアベレージは保っていたと思います。
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★本日7月17日は北村一輝(1969~)の誕生日(おめでとうございます!)
脳みその皺伸び切った谷原章介と違い、しっかりと三池映画のDNAを保持している身持ちの堅い俳優さんです(勿論『鳳梧洞戦闘』はノーカンだ!)。
私の中では「喧嘩の花道」がオールタイムベストですが、本日はVシネ戦争アクションから暴力ゲーム、怪獣映画から海外サイコまで異色作をずいっと並べてみました。