レース中に非業の死を遂げたレーサーが、地獄の底から里帰り。
「デス・スピード」(2009年/テリー・イングラム監督)
実にやる気のない邦題ですが、原題も「PHANTOM RACER」で捻り無し。
子供の頃からあれやこれやと張り合っていたJJとカッターは揃ってレーサーに。
JJがチームを移籍して名実ともに敵味方となった二人でしたが、レース中にJJがクラッシュ、カッターの車を巻き込んで炎上。
カッターは焼死、一命を取り留めたJJはレーサーを引退。
時は流れて17年。レーシングカーの配送トラック運転手になったJJは配送途中に故障したトラックを修理するため、生まれ故郷にピット・イン。
JJとカッターが争っていた娘タミーはカッターの兄(チームのメカニック担当。今は自動車修理工場経営者)クリフの妻に(漁夫の利!ひとり娘ジェシーは誰の子だ!?)。
クリフはカッターのマシン再生に憑りつかれておりました。
JJの帰郷を待っていたかのように完成したマシンにカッターの魂が宿って「まだ俺のレースは終わってねえぜファイナルラップ」な暴走スタート。
という建付けのお話なのですが、カッターの死は半分自業自得だし、JJ恨むのも筋違いだしで行動原理が読めません。
お約束とは言え、カッター(の車)の引き起こした事件の容疑がJJにかかる展開もウザイ。
折角、カッター(の車)が殺戮絵巻を繰り広げても、どうでもいい人間模様がドラマを分断してしまうのでエンジン掛かるのが遅い遅い。
因みにカッター(の車)の活躍の一端をご紹介すると…
まずは車を盗もうとしたガキをシートベルトで千切れるまで抱きしめ、トランクに手を突っ込んできたガキは上半身と下半身を生き別れに。
兄クリフはパワーウィンドウで首チョンパ。
保安官助手はボンネットに撥ね上げて、刃の生えたワイパーで往復ビンタ。鼻スッポーン&顔面ささらもさら。
JJを逮捕しようとした保安官はアクセル全開でストライク。
目的達成のためならたとえ火の中・水の中。
どうですかお客さん。ちゃんと車の機能を最大限利用している所は、好感が持てますが、もっとばんばん大暴走してほしかったなぁ…。
途中、いかにもCM入りな感じでフェイドアウトが掛かっていたので、あれ?っと思ったらカナダ製MTVでした(最後にSYFYのロゴが入って「あーなるほど」)。
ご参考までに「地獄の車がスピード違反」ベスト3を。
- クリスティーン
- ザ・カー
- クラッシュ!
ふと「マッハGoGoGo」第12~13話「マレンゴの復讐」を思い出してしまいました。
★ご参考