『“男”のスペルはg-u-nじゃない』
Man ain't spelled g-u-n, son.
訓えて諭して殺して正す。現代の水戸黄門、ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)のシリーズ第2弾。
「イコライザー2」(2018年/アントワーン・フークワ監督)
マッコールはホームセンター勤めから、個人タクシーの運転手にジョブチェンジ。
おっと、これではホームセンターに並んでいる工具がすべて武器になるという1作目の設定が使えないではありませんか。
総じて1作目ファンの評価が芳しくないのは分かります。
折角のキャラが凡庸の波に呑まれて普通のアクションに。
極論、同じシナリオで主役をスティーヴン・セガールにしてタイトルを「沈黙の平衡装置」にしても十分成り立ってしまうお話なのです。
ここは売る側も暗中模索だったようで、ポスターデザインに苦悩の跡が透けて見えます。
何をウリにしてよいのか分からず、取り合えず東欧の建築物バックに爆炎とか貼り付けていますが、そんなシーンは勿論なく。
デンゼル以外にウリは無し。攻めあぐねている様子が伝わってきます。
まあ、敵がロシアンマフィアから昔の仲間(特殊工作隊)に、しかも、組織だった大ボスがいるわけでもなく、身内の痴話喧嘩的ショボさになったのは残念ですが、小さいとはいえ話はまとまっていますし、周りに散らした小ネタもきちんと回収しているので、「これが1作目」くらいの感覚で観れば、結構イケるのではないかと思います。
少なくとも、ファンタジーのレベルでスケールが拡散してしまった「ジョン・ウィック」の2作目3作目よりは好感が持てます。
私は1作目の内容を綺麗さっぱり忘れていたので、普通に楽しむことができました。
★思い出さない方がいい(かもしれない)1作目のおさらいはこちらから。
おまけ
クライマックスの舞台はマッコールが亡き妻と暮らした町(嵐の接近で避難勧告が出て無人。西部劇でお馴染みの「町を舞台に1対多」のシチュエーション)。
マッコールの妻はこの町でパン屋を。
パン屋と言えば小麦粉。小麦粉と言えば…
この期待を裏切らない展開は好きです。
★ご参考【引用頻度の少ないデンゼルものをひとつふたつ】
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★本日8月12日はセシル・B・デミル監督の誕生日(1881~1959)。
デミルと言えば「十戒」ですが、本日はオリジナルモノクロ版の方をご紹介。
ついでと言っては何ですが、セシル・Bにリスペクトぶちまけたこちらも。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】