人生は一度きり…ですが、もし、ポーカーのように配られたカードと自身の役柄が異なれば、同じシチュエーションでも結果が違う…なんて事があるかも…という前衛かつ実験的な試みのドイツ映画。
「ザ・シャッフル」
(2016年/ファルコ・ジェイコブズ監督)
Amazonやallcinemaでは2018年となっていますが、IMDbのRelease Infoを見ると「USA 20 May 2016(limited)」となっているので、2016年ものとします。
ひとつのテーブルに着いてポーカーを始める3人の男と1人の女。
このポーカーの勝敗によって運命が変わるジグソウの「Make your choice」的なシチュエーション・ホラーかと思いましたがどうもそうではなさそうです。
舞台変わって深夜の倉庫。何かの取引現場。
ポーカーをやっていた4人は「売人」「売人の仲間」「警察官」「謎の取引相手」という役割を割り振られて取引に挑みます。
主人公と思しき男性は「売人の仲間」。
売人と警察官が殺し合い、謎の取引相手を上手く牽制した主人公が漁夫の利でブツと金を手中に。
ポーカー会場に戻ると主人公が勝者でチップ総取り。
再びカードがシャッフルされて2ゲーム目。
今度は主人公の役割は「警察官」。他の3人も1回目とは別の役になって取引再開。
あ~そういう事か…。
何パターンかある取引のうちどれかが本物(現実)。しかし、立ち回り方によっては違う結果があったかも、というシミュレーション(見方によっては主人公の走馬灯?)なのか。
やりたい事は分かりますが、致命傷がひとつだけ。それは…
取引現場の描写が壊滅的につまらない。
これが例えば、どんなにブラフかましても結局最後は(警察の援軍参戦とか取引相手の仲間乱入とかで)大銃撃戦(もしくは大爆発)になるとかだと、そのシーンが見たいがために同じシチュエーションが2度3度と続いても気になりませんが、結局「役割が変わるとオチも微妙に変わるよね」程度の違いしかないので、話の構造を見極めにくいという建て付けも相まって正直退屈。
「バンテージ・ポイント」だって必ず最後に狙撃と爆発があるから、視点替え巻き戻し編集にもついていけた訳で。
これ👇ね。
予算の問題が大きいのでしょうが、斬新な構成に酔っちゃって「仏作って魂入れず」になってしまった感強しです。
ふと思ったのですが、これってポーカーの代わりに麻雀にして「洗牌(シーパイ)」ってタイトルでもよかったんじゃないすかね。丁度4人向けだし。
ま、細かい解説は「意識高い系」の映画ファンにお任せするとして、今日の所は「ポーカー名勝負選」でもご紹介してお茶を濁そうと思います(そうだよ、よく分かんねーから逃げるんだよ)。
ポーカーと言えば何はさておき「シンシナティ・キッド」ですが、あれはもう別格なので、違う視点でマイベスト・ポーカーを。
ベスト3は以下。
- 「必殺必中仕事屋稼業」第20話「負けて勝負」のイカサマ西洋博打。
- 「賭ケグルイ」第5話「人間になった女」のインディアン・ポーカー。
- 「007/カジノ・ロワイヤル」の公費deカジノ
「必殺必中仕事屋稼業」はイカサマ博打で他人の身ぐるみ剥がし続ける人形師・伊三郎(津川雅彦)と仕事屋・政吉(林隆三)の一騎打ち。
政吉一世一代のブラフをご覧あれ。
「賭ケグルイ」は4,960万円の負債を負った芽亜里と3億1千万円の負債を抱えた夢子が債務整理大集会で悪夢の合体。
参加者4人が仕組んだブラフ合戦の結末は…。
007は王道も混ぜてみるというバランス感覚で(2本だと数が半端で据わりが悪いから無理矢理有名タイトルをねじ込んだと言うのは内緒です)。
次点として「ぼくたちは勉強ができない」「放課後さいころ倶楽部」の2タイトルを制覇した「ごきぶりポーカー」を(記事ではちょっとしか触れておりませんが)。
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★本日10月3日はクライヴ・オーウェン(1964~)の誕生日(おめでとうございます!)
印象に残りにくい薄い顔立ち、いや顔自体は割と濃いんですが、特徴がないと言うか、微妙にメル・ギブソンと被って損をしていると言うか。
そんなオーウェンさんが頑張っている真面目アクションと馬鹿アクションを2本立てで。
★本日のTV放送【19:00~BS12/日曜アニメ劇場】
※放送は勿論、日本語版です。