終戦直後から1963年(昭和38年)の横須賀一家五代目襲名迄。
「経済ヤクザ」の先駆けとして知られる稲川会(劇中呼称は稲村会)の二代目会長・石井 隆匡(いしい たかまさ。劇中呼称は石田隆匡)の半世紀(原作はノンフィクション作家・山平重樹の『最強の経済ヤクザと呼ばれた男』)。
「修羅の花道」
(2012年/壷井詠二監督)
お話の冒頭は昭和62年。
時の首相に就こうという前大蔵大臣・松下登(竹から松にランクアップ!)を褒め殺す右翼団体(日本皇民党)の街宣に業を煮やした副総理大臣・川丸信(山梨のドンですな)が、東京佐山急便社長の渡瀬広康(渡辺広康)の勧めで稲川会会長・石田隆匡に収束を依頼。
石田は「竹下登(面倒くさいのでここだけ実名)の田中角栄に対する不義理」という”事の発端”に注目。竹下を角栄宅に謝罪に行かせ(訪問自体は門前払いであったものの)、事態の収拾に成功。
その後竹下はめでたく第74代内閣総理大臣に就任いたしました。
時は遡って昭和20年。
人間魚雷「回天」隊基地の英文通信兵として終戦を迎えた石田は横須賀に戻り、愚連隊仲間だった宮友廣志(後の稲川会横須賀一家六代目総長・宮本広志)と組んで再びやんちゃ街道へ。
若き日の石田を本宮泰風が、熟年の石田を奥田瑛二が演じております。
二人一役と言えば「人斬り銀次」の竹内力と夏八木勲が思い出されますが、本作は相棒の宮友も二人一役。
若き日の宮友を倉見誠が、そして熟年の宮友を小沢仁志が。
奥田瑛二は与件でしたので本宮泰風の顔がモーフィングして奥田瑛二になっても驚きませんでしたが(むしろ思いの外違和感がなかった事の方に驚きました)、そのままカメラがパンして小沢仁志が映った時は笑ってしまいました。
👆この二人が👆
この二人👇に
逆にこの二人以外は時が流れても変わらないのですが、そこはまあご愛嬌という事で。
熟年時代に突入するとゲストも豪華に。
哀川翔が演じた森喜一郎は横浜愚連隊の一人・林喜一郎がモデル(ちょっと滑舌が悪いと言うか呂律が回っていない気がしたのは俺だけか)。
千葉真一の役はもう名前変える意味ないだろ、な超大物。
奥田瑛二は決して吼えず凄まず。静かなるインテリヤクザぶりを好演していたと思います。
★ついでに山平重樹原作のヤクザものも一発。