ホラーに良し、サスペンスに良し、人間ドラマに良しと実に使い勝手のいい題材「刑務所」。
ただでさえグッとくる場所なのに、今回の舞台はブランド刑務所アルカトラズ。
これは飛行機の墜落現場がただの海ではなく“バミューダ・トライアングル”だった、みたいなもので、それだけで緊張感2割増し。
問題はそれが面白さを担保しているわけではない、と言う事なのですが…。
「アルカトラズ監獄 D棟13番房」(2020年/スティーヴ・ローソン監督)
原題「The Haunting of Alcatraz」。またしてもHAUNT3段活用ホラー(笑)。
1942年(世界大戦真っ只中じゃねえか)、とある事情で「信頼に足る機関での在職証明」が必要になり、コネでアルカトラズ刑務所の刑務官の職を得たチャーリー・シュミット。
配属されたのはD棟。そこは他の棟と隔絶された一種の懲罰房。
配属初日にD棟移管になった囚人は一晩で死体に。
死因は自殺。
『刑務所では囚人の自殺も刑務官の自殺もよくあること』
生真面目なチャーリーは、過去のD棟13番房入居者と島の診療所が保管している死亡記録を突き合わせますが…。
13番房に入った囚人は全員自殺しておりました。
5年前、D棟13番房で首搔っ切って自殺した囚人がいたらしいのですが…。
まあ、この囚人がそのまま地縛霊として13番房に居座り、入って来る囚人を祟り殺していたわけですが、刑務所側にとってはここに押し込むだけで勝手に死体になってくれる超便利な部屋。
手を汚さずに依頼を受けた裏切り者とか事情を知って告発しようとした内部の者を簡単処分。
まあ企業におけるセキュリティ管理ツール(「溶解ボックス」とか「大型シュレッダー」)みたいなものです。
勿論、所長も看守もただ働きはいたしません。足りない年金の積立にせっせと殺しのお手伝い。
当然、秘密を知ったチャーリーも13番房行きとなりますが…
「汚職」という社会派サスペンスと「地縛霊」という呪怨派ホラーがミックスされた異色作。
もの凄~く地味ですが「生き残りの秘訣はコネ。地獄の沙汰もコネ次第」という素晴らしい教訓が得られたのは収穫でした。
ついでなので「刑務所ホラー」をいくつか挙げておきましょう。
★本日1月21日は「ライバルが手を結ぶ日」。
1866年(慶応2年)のこの日(旧暦)、薩摩藩の西郷隆盛と小松帯刀、長州藩の木戸孝允(桂小五郎)らが土佐藩の坂本竜馬らの仲介で京都で会見し、倒幕のために薩長同盟(薩長連合)を結んだ事に由来します。
ライバルが組んだり結んだり裏切ったりと言うと「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 」なんかを思い出しますが、本日のテレビ東京「午後のロードショー」が正にこれでナイスタイミングではあるのですが、何と179分のオリジナルを2時間枠で放送。放送は正味90分そこそこなのでほぼ半分が消えてなくなる勘定です。
イーストウッドとか出て来ないんじゃないでしょうか。
アニメの世界で「ライバルが手を結んだ」ものを眺めると、
共闘したわけではないですが、ライバルが手を握り合った名作と言えば、