『辞めます。もう辞めます!こっちは喉カラカラなのにおしっこ凄くしたいんです。そのへんで用を足せる犬や男には分かんないでしょう? こういう要員に組まれた時、うちらは水を飲まずにトイレ我慢してるんです。いつも脱水症状なんです!警察幹部は部下のおしっこの事なんて全く考えてないでしょう!? こんな組織腐ってる!警察なんか大っ嫌いだ!ううぅう』
夜勤明けに駆り出された行方不明者捜索隊。匂いを辿って走る警察犬(階級は課長クラス想定。組織内呼称「お犬様」)をひたすら追いかけ、山を森を駆け抜ける。
睡眠も排泄も棚上げして全力疾走。そりゃ辞めたくもなります。
「ハコヅメ~交番女子の逆襲~/第4話」(2022年1月26日深夜TOKYO MX放送/佐藤雄三監督)
今回はとにかく川合が走る。走りまくる。
お犬様を追って山道を。何をしたかも分からない挙動不審な男を追って街中を。
疲労と眠気と尿意と闘いながら。
まずは山編「拝啓、お犬様」
山菜摘みに山に入って戻って来ない爺ちゃん探すため警察・消防署・地元有志計75名の捜索隊が。
その中には宿直明けの藤、川合の両名も。
川合は源(第3話から登場の刑事課刑事。取り調べの天才)と組んでお犬様の追尾を。
藤は山田と組んで別ルートを。
この時、藤・山田と協力参加の一般人有志の目線があからさまに違うのですが、この意味が(実況まとめサイトを見る限り)外国人視聴者にはイマイチ伝わらなかったようで。
山林中あちこちに放置されている「盗難品」やら「不法投棄品」やら、見つけてしまうと色々面倒なものから目を逸らしている(実際、見て見ぬふりをしているのですが)と思ったようです。
山=縊首という発想はない(もしくは薄い)ようですね。
行方不明者はお犬様が発見…したのではなく、地元の祈祷師の婆ちゃんが言い当てた居場所で保護(加えて藤・川合らは山で遭難)、という情けないオチがついて捜査は終了。
後半は街編「ランナーズ・ハイ」
マラソン大会の交通整理に駆り出されたいつもの面々。
信号機を手動で操作する、という重大任務にビビりまくる川合。
脳内イメージは大惨事。
そこに入ってきた「不審人物」に関する手配無線。
これ幸いと見回り口実に信号機操作を放り出したら…目の前に手配無線そっくりの人間が…。
そして始まる追いかけっこ。沿道の市民がこれを応援。衆人環視の中、引くに引けずに体力の限界を超えて走り続ける川合。
≪こんな何やったか分からない男、心底どうでもいいのに!≫
止める者無し、煽る者有り、死して屍拾う者無し。
最後は勢い余って河へダイブ。
後になって「ただの無免許の暴走族」で「あした令状取って逮捕」しちゃう事が判明。
正に骨折り損。こんな事なら信号機手動でポチポチやっていた方がなんぼか…。
ご愁傷様でございます。
で、以下余談。OP観ていると藤と川合の百合百合しいシーンが結構あるのですが、そういう展開って期待していいのでしょうか。
OPのラストカットなんか川合に近づいた源を「あたしの女に手ェ出すんじゃないわよ!」と威嚇しているように見えますし(EDなんかほぼ全編二人のきゃっきゃうふふじゃないですか)。
そこは望むところなので是非その方向で進んでもらいたいと思いますです、はい。
おまけ
走り通しだった川合に敬意を表して川合杯争奪「(足で)走るシーンが印象的な映画」選手権開催。
走る映画(但しスポーツ以外)で思いつくものと言えば「フレンチ・コネクション2」「弾丸ランナー」「ラン・ローラ・ラン」辺りですが、恥ずかしながらどれもレビューを書いておりません(我ながらビックリ!)。
レビュー済みの中から該当作品を選ぶと…
私的優勝はやはり「ウォリアーズ」の“ベースボール・フューリーズ・チェイス”かなぁ。
★本日1月28日は作家・小松左京(1931~2011)の誕生日。
なかなかに映像化のハードルが高い作品ばかりですが、今回は景気よく滑ったものと完璧な映像化を果たした2作を。