『なぁフランシス』
『何?ジュリアン』
『オレ達、天国に行けるかな?』
『行けるさ…だってオレ達、神様を…助けたんだから』
神様…それは造物主。地下から見上げる地上と言う天界に住む生き物…人間。
「JUNK HEAD」(2017年/堀貴秀監督)
人類が遺伝子操作で得た長寿。
その代償は生殖能力の喪失。
かつて地下開発の労働力として人口生命体マリガンを創造しましたが、自我に目覚めて人類に反旗。
それから1,600年。
マリガンは地下世界で独自の進化を。
地上では新種のウイルスが流行。死者は2億人を超え、人口は3割減。
このままでは生殖能力のない人類は絶滅オープンリーチ。
必用なのは生殖遺伝子。
地下世界には生殖能力のある生き物、マリガンがいる。マリガンの生殖遺伝子が手に入ればあるいは…。
しかし、地下の世界は情報が不足どころか全くない未知の佃煮。1,600年の間にどのような変化が起きたのか誰にも分からない。
政府は人類救済に立つ命知らずの冒険野郎を募集。
人口減で仕事ができなくなったダンス講師パートンがこの募集に応募。いざ、冒険の旅へ。
というのがざっくりした世界観。
使役用に作った生物が叛乱、地下世界に、という図式はまんまショゴスですが、クトゥルフ世界の模倣でも投影でもありません。
特殊カプセルで地下世界にフリーフォールしたパートンは、落下途中に「よくわからんがとりあえず撃っておけば」と言うアバウトな理由で狙い撃ちされてカプセル破損で首チョンパ。
仏頭(?)となったパートンは、ゴミ回収班(ジャワですな)に拾われ、マリガンの科学者に別のボディを与えられて(何も分からない赤ん坊のような存在として)蘇生。
地下迷宮探索の過程で地上の記憶が戻ったり、顔やらボディやらが変わっていったりと、見た目と中身の変遷があり、頭の良い人ならここで自我の器と意識と外見といった側面からあれこれ考察できるのでしょうが、敷居が高いので遠慮しておきます。
1,600年という流れの中で人間に対する対立感情は消えたのか、マリガンは様々な変化の変遷を経て穏やかな生き物になっていました。
そのかわり得体のしれないユニークかつ危険な生き物がうじゃらうじゃら(いや実はこっちがマリガンなのかもしれませんが)。
地下のパノラマ通路が「ヘルレイザー2」っぽい(偏差値貧乏な感想だな。満足)。
右が「ヘルレイザー2」
人の体(にしか見えない何か)を原木として栽培されるクノコ。気色悪ぃ~。
神様として神輿で運ばれる様とか、地上の様子をジェスチャー交じりで説明するあたりは、C-3POとイウォークな感じ。
機械のボディパーツなのに表情豊か。
巨根を生殖能力の象徴だと思っていたら実は尻尾だったと知ってショックを受けるパートン。
これをほぼ一人で。7年の歳月をかけて。監督こそ神様です。
★本日2月25日は作曲家・森田公一先生(1940~)の誕生日(おめでとうございます!)
アイドル歌謡の牽引役であり、自らもトップギャンを率いて「青春時代」という大ヒットをかっ飛ばしましたが、私的ベストソングはTV番組を彩ったこの2曲。