『見せてやりたいだろ。違反してゴネる奴に。お前の頭にこびりついた光景を。何も知らねぇくせにってムカつくよな。…でも…知らなくていいんだ、あんな光景。あんなものは当事者にならない限り知らなくていい。その当事者を増やさないための俺らの仕事だ』
オットコ前です宮原三郎交通課巡査部長。
「ハコヅメ~交番女子の逆襲~/第10話・トラウマ」(2022年3月9日深夜TOKYO MX放送/佐藤雄三監督)
原作18話「UFO」から一気に25話「警察手帳」へ。
この間のエピはちょっと大ネタな続き物なので、最後に回したか飛ばしたかしたんだと思いますが、繰り上がったのは原作屈指の重テーマ回「トラウマ」。
交差点で3台の車が玉突き事故。
それなりに華々しい現場ではありますが、そこまでの大破はなく、ケガ人もそんなに深刻ではなさそう。
障害物と言えば、交差点の真ん中にタオルケットがあるくらい。すぐどかす必要はなさそう…に思えましたが…。
一目見るなり顔色の変わる藤部長。何故なら…。
それは、タオルケットに包まれたまま、社外に放り出され、後続車に轢かれた赤ちゃんでした。
チャイルドシートさえしていれば…すべては後の祭り。
川合の脳裏に刷り込まれた映像だけが深く濃く…。
これはもうPTSD。
そんな川合に『拗らす前に辞めちまえ』と言ったのは、自称県警イチの交通警察官・宮原三郎巡査部長。驚いたのは藤部長。
『冗談でそんな事言うのやめてください』
『冗談じゃねえよ。こいつ(川合)がまともだ。俺やお前がイカれているだけだ。赤ん坊の遺体見た後に、三食喰ってぐっすり寝られる奴の方がおかしいんだ。警察じゃそれが多数派だが』
事故現場では何もできなくて当たり前。あと数分って人間を何人も見送り、息を引き取るまで馬鹿みたいに「頑張れ」を繰り返し…。
『何で警察の制服を着て、ここに立っているのが俺なんだって、何度自分の制服を呪ったかしれねえ』
そして冒頭の台詞。
死んだ川合の目に光が。
明らかに認識能力が低下しているのに免許を返納せず更新し続ける老人、子供を抱いたまま運転し、警官に逆ギレする母親…。
背景の散りばめ方も巧く、教材にしていいくらいのエピでありました。
※因みに本日3月11日は「いのちの日」(「災害時医療を考える会」が制定。日付の根拠は勿論、東日本大震災)。
☜ランキング投票です。チャイルドシートを設置したらワンポチを。
★本日のTV放送【18:00~BS日テレ/3月は!高倉健名作選】