デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

走れ!西片! からかい上手の高木さん3 ♯12

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『でもさ、嬉しいだろうな~高木ちゃん。西片くんといると毎日がワクワクのドキドキで…きっとすっごくすっごく、楽しいだろうなぁ!』

その約束された未来のために、今は走れ、西片。

からかい上手の高木さん3/第12話(最終回)・3月14日」(2022年3月25日深夜TBS放送/別所ゆうき演出)

ヘタレ浜口の流れ弾でホワイトデーに高木さんに告白という前振りをされてしまった西片ですが、大事なのは勝負で勝利する事。

西片史上最大の仕掛けとなる「西片クエスト(暗号で次のチェックポイントを指示して学校中を引き回し、ゴールにたどり着くかギブアップした所でホワイトデーのプレゼントを渡す)」で勝負!…しようとしたらまさかの高木欠席。

親戚の結婚式に呼ばれて島を離れたら強風で帰りのフェリーが欠航というアクシデント。

昼休みの図書委員もひとりで。

切っ掛けはまたしても木村(お前、絶対背中に羽生えてるだろ)。

木村のお薦め本「ぶらいあん」。それは以前、高木さんが読んでいた本。「好きだよ」という一文を朗読してくれた本。

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何気なく読む。そして高木さんが朗読した「好きだよ。そう八乙女が言うと田中はジュースを落とした」の場面を探す…が。

田中がジュースを落とすくだりはあった。しかし、八乙女の「好きだよ」というセリフはどこにも…。

じゃああれは高木さんの本当の…それにあの時もあの時も、高木さんの本当の気持ちだったとしたら。

過去の高木さんのからかい(を装った告白)シーンが連続再生(台詞無し)。まるで推理ドラマで謎が一気に解ける「パズルの全てのピースが嵌る」瞬間。

少し前の着信。フェリー運航再開。午後の便で帰れる。まだ間に合うかもしれない。ホワイトデーのプレゼントを掴んで外へ。

西片のここ一番の迷いの無さっていいですよね。

船着き場。フェリーは既に着岸。乗客は下船。見渡せば高木さんは丁度車に。

追う。「フレンチ・コネクション2」のジーン・ハックマンと「最も危険な遊戯」の松田優作の次くらいの速さでひたすら走る。

第2話のランニングシーンがフラッシュバック(「ランナー」脳内再生)

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勿論、車に追いつけるはずもありませんが、その必死の姿を高木アイが捉えないはずがありません(目印はクリスマスプレゼントの青いマフラー!)。

車を降りて走り出す高木さん。

『どうしたの? なんでこんなとこにいるの?』

『…会いたかったから』

『あっ…』

『高木さん、俺…高木さんに会いたかったから!』

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よく言った西片。嬉しくて目元も口元もふるふるして今にも色んなものが溢れてきそうな高木さんの表情が堪りません。

3期の高木さんはグイグイ攻めながらも、外的要因(北条さんとの密談や下級生からのプレゼント)が介入してくると途端に黒い感情に呑み込まれそうになる危うさ(とその自覚による自己嫌悪)もあったりしましたが、大団円です。

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この続きは劇場で。

おまけ

さて、西片を巻き添えにしてまで決行しようとした浜口の北条さんへの告白は予想通りヘタレた結末に。

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どうしょうもねー!の佃煮ですが、『何でそうなるんだよ!?』という西片の問いに対する浜口の答えが良い。

『ひとりだと怖いからだ!』


ヘタレで素直で正直で。浜口、お前もいい奴だ。次は頑張れ(きっと劇場版にリマッチのチャンスがある)。

 

 

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★本日3月28日はヴァージニア・ウルフ(1882~1941)の命日(つまりコートのポケットに石を詰めてウーズ川に入った日。死体発見は4月18日)。

ヴァージア・ウルフのその瞬間まで描いたのが、