デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

タイプBマスクの誘惑。ウルトラマン/第28話・人間標本5・6

(予定通りなら)来月、海洋堂から2体のウルトラマンフィギュアが発売されます。

ひとつはキャラクタークラシックス・シリーズから「Bタイプ スタチュー」(タイトル写真左)、もうひとつがメガソフビアドバンス・シリーズから「Bタイプ メガサイズソフビ 組み立てキット」(同右)。

組み立てキットの方はAタイプ、Cタイプと併せた復刻版ですが、スタチューはBタイプのみ。

造形の特徴はポージング。どちらもぬぼ~っとした直立体。ファイティングポーズでもスペシウム光線ポーズでもない辺りがBタイプの「過渡期」を象徴しているような。

FRP樹脂の表面をラテックスで覆っていたAタイプと比べシャープな顔立ちになっています(でもやっぱりAタイプが好きだなぁ)。

Bタイプはマスクだけではなくスーツも独特。とくに足元。

足先が若干上に反っています(アブドーラ・ザ・ブッチャーの凶器シューズっぽい)。

踵の上部分にはファスナー隠しと思われるヒレがついています。


Bタイプの活躍時期は第14話「真珠貝防衛指令」(ガマクジラ)から第29話「地底への挑戦」(ゴルドン)まで。

この間には二代目バルタン星人、ザラブ星人ジャミラゴモラなど有名キャラが登場していますが、ツッコミどころの多さで群を抜いているのが、

「第28話・人間標本5・6」(1967年1月22日放送/野長瀬三摩地監督)

そう、人気ランキング上位の宇宙人、ダダの登場回です。


奥多摩の日向峠で頻発するバス転落事故(時刻は決まって正午)。

調査依頼を受けた科特隊ムラマツとイデがバスに乗り込みましたが、バスは景気よく転落。ガランゴロンと転がりながら崖下へ(バスはほぼ満員。映画なら爆発炎上して全員死亡)。

ムラマツと乗り合わせた女性は偶然車外に投げ出されて無傷(嘘ぉ!)。

眼下で燃えているバスまで下りて行ったら、車内は無人。居合わせた警官(あからさまに怪しいがその後の展開には絡まず)によると、全員救出済みで怪我人無し(嘘ぉ!)。唯一イデだけが骨折して病院に運ばれた…らしい。

女性の行動が怪しいので後をつけたら、行先は山頂にある宇宙線研究所。

実はここ、ダダに占拠されていて、所員4名はマイクロ化されて標本ケースに。


ダダ(コードネーム271号)は「標本4体を確保しました」と得意気に母星に連絡しますが、上司は冷たく

『は?何言ってんだオメ。命令した標本は6体だべ。とっととあと2体採取して送ってこいや』

どうやらダダ271号くんは、上司からご無体なノルマ押し付けられて地の果て地球に飛ばされてきたサラリーマンのようです。

そこにのこのこ乗り込んで来た女性(提出が遅れている報告書を回収に来た宇宙原子力研究所の技官。先日ご紹介した「ゴーガの像」にも出ていた田原久子さん)とムラマツ。

♪鴨ネギ~とばかりに襲い掛かる所員に化けた(正確には憑依だと思うのですが)ダダ。

ここでいきなりムラマツがレーザーガン発射! おいおい、確かに相手は襲い掛かって来た暴漢だが、まだ見た目人間で宇宙人かどうか分からないだろう。やって来た女にムラムラっとしただけの欲求不満所員だったらどうするつもりだ!?


しかも、正体を現したダダに二発目撃とうとしたらエネルギー切れ。1発分しか充填しとらんかったんかい!?

たまらず科特隊本部に救援要請を入れるムラマツ。

連絡を受けたハヤタは事もあろうに本部内でフラッシュビーム点火!(アラシとフジ隊員は現地調査に向かって不在)

ハ、ハヤタさん、何をする気ですかぁ!?


「シン・ウルトラマン」に、倉庫内で変身→巨大化して建物木っ端微塵、というシーンがありましたが、本来なら科特隊本部は瓦礫の山になっているはず(何故か変身後は本部の外にいる)。

目撃されるリスクも考えたらインシデントと言って良い行為では?(因みにこういう時決まって顔を出すウザガキのホシノくんは、スキーで骨折したため、第25話を最後に何の説明もなく降板。←素晴らしい。スキー場グッジョブ!)。

上司から「ウルトラマンが来るぞ」と言われたダダくんですが、スペシウム光線を顔面に受けて涙目。


『駄目だ、ウルトラマンは強い』と上司に泣きをいれますが、上司はこれをまるっとスルー。

『あーそう。ノルマはあと2体だからな、早くしろ』

サラリーマン残酷物語(笑)。

結局、再びスペシウム光線を浴びたダダ271号くんは出張先でノルマも果たせずお陀仏になるのでした。

解決後に到着して悔しがるアラシらの前にハヤタが現れ「残念だったなぁ」。

何故、ここにハヤタがいるのか疑問に思わんのかアラシ。

あと、標本にされた所員はどうなった。ダダの母星に送られちゃったのか。まだなら戻してやれよ。でもダダが持っていたミクロ化銃みたいのがないと戻せないんじゃないか。

ついでにバスの転落事故の原因は何だったんだ。ダダがやっていたのなら、乗っていた人間の中から標本採取すればいいじゃん。

という全てが謎に包まれたBタイプウルトラマン大活躍エピでした。

キャラクタークラシックス・シリーズ「Bタイプ スタチュー」は全高35cm、税込76,780円で来月発売予定。

メガソフビアドバンス・シリーズ「Bタイプ メガサイズソフビ 組み立てキット」は全高45cm、税込16,500円で同じく来月発売予定。

※「メガサイズソフビ 組み立てキット」は未彩色なので塗装の心得のない人にはハードルの高い商品です。ご注意ください。

 

★タイプAマスクについてはこちらを。

★田原久子さんが客演している「ゴーガの像」についてはこちらを。

★ダダのフィギュアについてはこちらを。

 

 

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★本日のTV放送【13:40~テレビ東京午後のロードショー

※放送はカーペンター版「光る眼」(1995)です。