南の島のリゾートホテル。その自然保護区。
立入禁止の柵の向こうは、特殊な鉱物を含む巨岩に囲まれた絶景にして奇観のプライベートビーチ。
ホテルのマネージャーの勧めでここを訪れた4組の家族(未婚のカップル含む)。
彼らは皆(少なくとも1家族に1名以上は)重篤な基礎疾患を抱えていました。
「オールド」(2021年/M・ナイト・シャマラン監督)
腹部に腫瘍が見つかったプリスカ。夫ガイとは破局確定待った無し。離婚前に家族との思い出を作るため、息子トレントと娘マドックスを連れて南の島のリゾートへ。
プライベートビーチには彼らの他に、統合失調症の外科医チャールズと低カルシウム血症の妻クリスタル(とチャールズの母アグネスと娘カーラ)、血友病の人気ラッパー、ミッドサイズ・セダン、そして癲癇持ちの心理学者パトリシアと看護師ジャリンが。
各自、思い思いの時間を過ごしていましたが、トレントが水に浮かぶ女性の死体を発見。
驚く間もなくアグネスが心肺停止。
なんてこったと思ったら、6歳だったトレント、11歳だったマドックスがティーンエイジャーに(カーラも合わせて成長)。
ここは大人の階段ビーチなのか!? いやそれよりも目の前の死体二つをどうするよ。
警察ともホテルとも連絡取れず。送迎してもらった「立入禁止柵」付近まで戻ろうとしたら、途中で強烈な頭痛に襲われ気絶。
どうやら成長しているのは子供だけではないらしい。子供にとっての成長は大人にとっては老化。
子供の成長度合いから察するに、およそ30分で1年歳を取っていくようだ。
相対速度17,520倍。つまりアグネスは病気で死んだのではなく老衰。
死体の進行も桁違い。
時間の経過と共に各自が抱える疾患も悪化。3cm程度だったプリスカの腫瘍はゴルフボール大→ソフトボール大→メロン大と急成長。
パトリシアを襲う連続癲癇発作。
このままでは疾患のない人間も(少なくとも大人は)朝までに天寿を全うしてしまう。
というシャマランお得意の「逃げ場無しスーパーナチュラル」。
閉鎖空間、進行する疾患、疑心暗鬼はコロナのメタファーのようですが、時間とリスクをどう捉えるかはSF作家なら誰しも挑んだことのある(あるいは挑んでみたい)課題かも(やはり白眉は星新一の「処刑」かなあ)
そこに絶望しか感じ取れない人もいれば、希望(楽園)を見出す者もいる。
崖をよじ登る事も考えましたが…。
シャマランお約束の「トンデモ」オチは今回控え目。それなりの説明がついてしまう分、喰い足りないかもしれません。
★シャマランの逃げ場無しスーパーナチュラルと言えば…。
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★本日6月31日はクリス・プラット(1979~)の誕生日(「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」大ヒットと併せて、おめでとうございます!)。
おさらいも兼ねてこちらを。