デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【爽やかな笑顔を湛えた】ザ・ゲスト【完全無欠の殺人機械】

『学校にはナイフを持参しろ。もし、それを奪われ殴られたら、夜、奴らの家に行って家族もろとも焼き払え』

Then bring a knife to school. If they take it off you and beat you up, you go around their houses at night and burn them down with their families inside.

息子ケイレブを中東で亡くし悲嘆にくれる一家(特に母ローラ)を訪ねて来たひとりの青年デイヴィッド。

ケイレブと同じ部隊にいたというデイヴィッドは戦友の遺志を伝えに来たという。

家族ひとりひとりに直接「愛している」と伝え守ってほしいという遺志を。


爽やかな笑顔、丁寧な言葉遣い、決して家庭内の問題には踏み込まない謙虚な態度。

そして何よりイケメン。

こういうシチュエーションで登場する人間は大抵「ちょっと精神がアレなサイコくん」だったり「成りすまし殺人鬼さん」だったりするのですが、デイヴィッドくんは違います。

彼はユニバーサル・ソルジャー。完全無欠の殺人機械でした。

「ザ・ゲスト」(2014年/アダム・ウィンガード監督)

監督さんは「サプライズ」撮った人ですね(最近作は「ゴジラvsコング」)。

デイヴィッドは部隊写真にも写っているので間違いなくケイレブの同僚です。

最初は懐疑的だったケイレブの父スペンサー、弟ルーク、妹アナですが、徐々に心を開き、やがてゲストとして迎え入れられ…。

アナ(マイカ・モンロー)が偶然聞いてしまったデイヴィッドの電話。追われている?新しい顔が必要?この人は一体?


兄と同じ部隊にいたなら部隊名が分かる。軍に問い合わせの電話を入れると…。


監督のイメージは「ハロウィン」+「ターミネーターだったそうで。

音楽担当のスティーヴ・ムーアはカーペンターとアラン・ハワースが「ハロウィンⅢ」で使用したものと同タイプのシンセサイザーを使っているようですし、スクールのハロウィン・パーティの飾りつけには「ハロウィンⅢ」が、自宅前のオブジェには「ハロウィン4」が引用されています(勿論、オーランタンも作ります)。

左「ハロウィン4」、右「ザ・ゲスト」


オチの付け方が滅茶苦茶安直なのが気になりますが、余計な説明を極力排した語り口は好感が持てます。

余談ですが、本作のタイトルが出た瞬間「これってエクソシストのロゴと同じフォントじゃね?」と思って意味もなく期待値が跳ね上がりました。


わざと(釣り)だと思いますが、いやあチョロイなぁ俺(笑)。

アダム・ウィンガード監督と言えば…

マイカ・モンローと言えば同年のこちらも。

★折角の引用なのでハロウィン・シリーズも。

 

 

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