映画を観ている時に「あーこのカット静止画にしてポスターにして飾りてぇ!」とか思う事ありません?
一般作品の壮大な景観とかをイメージされる方が多いと思いますが、ホラー/サスペンスでも「おお!」と思う(こちらの琴線にバリバリと触れる)アングルに出会う事があります。
どこか詩的な雰囲気を湛えていたり、これからやって来るであろう見せ場(あるいは結末もしくはエンディング後の展開)を予感させたり。
真っ先に思いついたのはタイトル画に挙げた「エクソシスト」冒頭の≪パズズの像と対峙するメリン≫。
やがて訪れであろう「対決」を予感させる名カットです。
今回はそんな「ポスターにしたい」ホラー/サスペンスの(私的)名カットを並べてみます(タイトル写真+5選)。
まずデヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」からクライマックス直前の景観。
ジョン・ドゥが指定した「最後の死体」のある場所へ向かうミルズ(ブラッド・ピット)とサマセット(モーガン・フリーマン)。
望遠で空気をググっと圧縮した景色はまるで彼岸へ向かう一本道。
この後にやってくる「悲劇」を予感させる名カットです。
続いて古典から1本。F・W・ムルナウ監督の1922年作「吸血鬼ノスフェラトゥ」から窓の向かいの建物。
パースの狂った、どこかへしゃげて歪んだような建造物。ビデオで観た時、思わず静止画にしてしばし眺めてしまいました。
解き放たれる「悪意」の予感がひしひしと。
3本目はルチオ・フルチ監督作「サンゲリア」(1979)のラストシーン。
マンハッタン島に向かって粛々と沈黙の行進を始めた死者の群れ。
ファビオ・フリッツィの音楽の功績が大きいですが、終わりの始まり-「全滅」を予感させる厳かとすら言える名カットです。
そしてホラー映画のマスターピース「悪魔のいけにえ」(1974年/トビー・フーパー監督)からソーヤー邸に向かうパム(テリー・マクミン)。
カメラはパムが腰かけていたブランコの下をくぐってパムを後方からねっちょりとフォロー。
ドアの向こうに待っている「惨劇」を予感させる静かでおぞましいカットです。
最後はブライアン・デ・パルマ監督作「悪魔のシスター」(1973)ラストカット。
ラストカット故予感も糞もないのですが、本作の不気味さと滑稽さと無意味さ凝縮した素晴らしいカットです。
このカットがあるが故に私の中で本作は「名作」として輝いています。
並べてみて再認識しましたが、どうも私は「奥行きがある(遠景と近景を巧みに配置している)」構図が好きみたいです。
何度も俎上に挙げている作品ばかりですが、念為関連ページも並べておきます。
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