確かに人間ドラマは薄いです。もう、ぺらっぺら。
冒頭(過去)の災厄で学者夫婦の奥さんの方が旦那の目の前で犠牲になり、それが子供との間に溝を作って20年なんて設定、2014年ギャレス・エドワード版「GODZILLA ゴジラ」そのまんまですし。
過去作データ参考にAIが脚本書いたんじゃないかってくらい薄いです。
でもまあ、いいじゃないですか、んな事ぁ。
ディザスター・ムービーは如何に景気よく無慈悲に(そして休むことなく)人が死んでいく様を描くかがキモなんですから。
ドラマパートは「イラつく」キャラ(ここ一番で足を引っ張るガキとか、泣き叫ぶだけの女とか、卑怯な手を使って自分だけ生き残ろうとかする奴とか)さえ出て来なければ、全員ただの記号です。
その意味で本作は「正しい」ディザスター・ムービーでした。
「ボルケーノ・パーク」(2019年/サイモン・ウェスト監督)
サイモン・ウェストで中国映画でアルバトロスです(三冠統一!)。
20年前に大噴火を起こした活火山を有する天火島に建設された世界初の火山テーマパーク。
…という設定だけはあとはお察し。
余計な前振りは最小限で即噴火。火山灰に火砕流に火山弾、そして溶岩流出。
特に雨あられと降り注ぐ火山弾が無作為滅茶ぶつけで神の気まぐれ大解放。
割とドキドキしてしまったのは、並走するモノレールの片側のレールが火山弾に打ち抜かれたので、走りながら隣の車両に飛び移るシーン。
高所×高速移動×結構な距離のジャンプ。「新幹線大爆破」の並走車両移動を連想するシーンですが、向こうは板を渡しての移動。こっちはジャンプ。
更に大きく違うのは、一定時間(目測5秒)おきに、車両間をレールの支柱が通り過ぎること。
タイミングを誤ると支柱に激突して真っ逆さま。
あーこれって、ゲーム版「バイオハザード」にあった《連続する振り子ギロチントラップをタイミング良くかわしながら前進する》アレに近いですね。
そう思えば全体がアドベンチャーゲームの連続クエスト。
「火山弾を避けながら展望台から避難しろ」「脱線前に並走するモノレールに乗り移れ」「溶岩の進路を変えるためダムの水を放流しろ」「噴火に呑み込まれる前に島から脱出しろ」
孤島×火山×脱出(ついでにテーマパーク)と言えば「ジュラシック・ワールド/炎の王国」ですが、余計なドラマがない分、本作の方が潔く面白かったと思います。
★大金を投じた割りに楽しめない噴火モノ
★低予算ギリだけど十分楽しめる噴火モノ
★予算も企画もダダ滑りな噴火(噴飯?)モノ
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★本日9月2日は中島哲也監督(1959~)の誕生日(おめでとうございます!)
中島監督と言えば私の中ではこの2本。