デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【そこでゴールデン洋画劇場か!?】リコリス・リコイル ♯7-13【今更ですがクルミ推し】

『日本のバランスを取り戻す奴と、現状を維持する奴…正義のヒーローはどっちだ?』

『ビルから落ちなかった方じゃない?』

かつて旧電波塔をジャックし爆破したテロリスト・真島。

その電波塔事件をたった一人で収束させた少女・錦木千束。

10年後、因縁の二人が新旧電波塔で再び対峙。

糸を引いていたのは才能(たとえそれが暗殺やテロリズムに関するものであっても)に対し惜しみない援助を与える支援団体・アラン機関の一員、吉松シンジ。

先天性心疾患で余命幾ばくもなかった千束に人工心臓を与えた男。

もたらす効果を十分理解した上で、真島に千丁を超える銃火器を与えた男。

そして、替えの効かない千束の人工心臓を充電不能状態まで破壊することを指示した男(結果、千束に残された命は最大でも2か月に)。

全ては類稀な暗殺スキルを持ちながら、その才を活かそうとしない千束を「究極の暗殺者」として覚醒させるためでした。

リコリス・リコイル/第7~13話」(2022年8~9月TOKYO MX放送/足立慎吾監督)

新電波塔・延空木の完成セレモニーを狙った真島のテロ計画。迎え撃つDAの掃討作戦。その中にはDA復帰を果たしたたきなの姿も。

真島の狙いはふたつ。自身の配下とDA(リコリス)の銃撃戦を生配信して、「反社会的行為の芽を事前に摘み取って全てをなかった事にしている」国家的隠蔽組織DAの存在を満天下に知らしめること。


もうひとつは、自身が初めて恐怖した存在、千束との決着を着けること。

吉松を餌に千束を旧電波塔におびき出した真島、その吉松が壊れた千束の人工心臓に代わる最新式の人工心臓を所持していることを突き止めたクルミ、罠を察してDAを離脱し、千束の元へ走るたきな。

一方、リコリスの存在を暴露されたDA上層部はリコリスの存在自体をなかったことにする(全員抹殺して闇から闇に葬る)決定を。

実行部隊は男の子版リコリスの「リリベル」。

『生存リコリスを全て処分しろ。遺体はそのままでいい』

延空木では真島の配下vsリコリスvsリコリス排除命令を受けたリリベル。

旧電波塔では、真島vs千束+たきな、千束+たきなvs吉松+姫蒲(ひめがま。吉松の用心棒的秘書。千束の人工心臓を破壊した女)、更に吉松+姫蒲vsミカ(喫茶リコリコの店長。吉松の公私に渡るパートナー)という総当たりバトルロワイアル

全ての場面が見どころだらけ。真島、たきなは勿論、手駒の姫蒲捨て駒にし、遂には人工心臓を体内に宿した自身の命まで標的にして千束に実弾による人殺しをするように仕向ける吉松の狂気。


全ての感情を剥き出しにして突き進むたきな。

『その心臓、私が引きずり出してやる!』

『離して!心臓が逃げる!』

『嫌だ…千束が死ぬのは嫌だ…』


笑いも泣きもしなかった鉄面皮のたきながこんな表情をするようになるとは。

そして千束のために愛する者を手にかける決心をしたミカ。

『そこ(お前の胸の中)に(人工心臓が)あるんだろ?』

『千束は信じなかったぞ』

『シンジは嘘を言わない』

『今更嬉しくないな』


別れの1発は窓に映る微かな硝煙。何と言う奥ゆかしさ。

戦闘の最中に心臓が悲鳴を上げた千束。本来ならチャンス。しかし真島の反応は…

『休憩だ』


勝ち負けよりも命のやり取りそのものが目的。死にかけた奴に勝っても意味はない。

二人の決着は。人工心臓の行方は。リコリスの命運は。

これ以上は望めないほどの大団円。このままの続きでもスピンオフでもプリクエルでもいいので2期をお願いいたします。

おまけ

明るみに出てしまったリコリスの存在を打ち消す《子供でもしないけどスケールがデカすぎるからあっさり信じられてしまう大嘘》「今のは全部アトラクションでした~」なビデオ映像。何と「ゴールデン洋画劇場」OPを完コピしていました。


やっつけで作ったにしては完成度高過ぎ。流石クルミ、日本一いや世界一のスーパーハッカ―《ウォールナット》。

今更ですが、本作イチオシのキャラは千束でもたきなでもなくクルミでした。

最後にクルミの雄姿を並べておきます。


★前半のおさらいはこちらから。

 

 

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★本日9月26日は漫画家&フリーライター・杉作J太郎(1961~)の誕生日(おめでとうございます!)

本業以外にもあっちこっち首突っ込んでいるマルチタレント。勿論、映画にも。