デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【届く、繋がる】連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ #10-12【私を選んでくれるの!?】

『それからステージではエリーを中心にした演出を要望されてるわ』

『えっ?なんであたし? ジニーがいるじゃん。あっ…そっか。ジニーはいないんだ』

第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズの活躍によって解放されたガリア。

凱旋記念式典にはルミナスウィッチーズも出演することに。

ただし、そこにセンター、ジニーの姿はなく…。

「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ/第10-12話」(2022年9月TOKYO MX放送/佐伯昭志監督)

ジニーの使い魔モフィは醜いアヒルの子(黒鳥の精霊)でした。

ガリアが解放されたのは嬉しいけど故郷を見るのが怖い、というエリーにジニーは「モフィの未来はモフィ自身に選んでほしい。だからモフィを仲間の所に返してあげたい」と。

その言葉に背中を押されてガリアを、そして生まれ故郷を訪ねる決心をしたエリー。

ガリアは瓦礫の街と化していました。

故郷の生家も朽ちかけていましたが、そこには避難時に置き去りにせざるを得なかった小猫が成長して家族を作って…。

川辺には美しい黒鳥がエリーの持っていたモフィの羽に反応。しかし、一緒にいたグレイス少佐にはその姿が見えず。と言う事はこの黒鳥は使い魔?もしくは精霊?

エリーが基地の方向を指さすと、黒鳥の群れは一斉に羽ばたき基地へ。


群れに迎えられたモフィは自らも一匹の黒鳥となって仲間と共に空へ。

同時にその姿はジニーの視界から消えジニーはウィッチではなくなってしまいました。


戦闘に不向きなウィッチを集めたのが音楽隊なのに、ウィッチでもなくなってしまったらただのポンコツ

ジニーは除隊。ルミナスウィッチーズは8人編成でガリ凱旋式典に参加する事に。

原因を作ってしまったエリーの苦悩。

『あたし…何か間違ったのかな? ジニーは本気でモフィを仲間の所に帰したがってた。だからガリアで会ったあの鳥達がそうだって気付いた時、モフィのことを教えてあげてあたしは何もかもうまくいくって思ったんだ。でも今はそうじゃない。あたし…何か間違えた?』

故郷へ戻るため乗り込んだ列車の中、聞こえて来たのは乗客が歌うルミナスの歌。

ちゃんと届いている。モフィは自分にとって一番の居場所を選んだ。なら私にとっての一番は…。

考えるまでもありません。ルミナスこそ自分の居場所。取って返したジニーはガリアに向けて離陸しかけたアプロランカスターへ。

これで9人。マナとマリアは9人によるフォーメーション想定済、シルヴィとジョーはジニーの衣装も仮縫い迄終わらせ、グレイス隊長に至っては「ジニーの除隊手続き未着手」(おい!)。

トリプル・グッジョブに支えられていざガリアへ。

灯りの消えたパリ。本番ステージは軍関係者のみで一般観客無し。

それでも伝えたい。ウィッチでなくなっても歌いたい。ストライカーで夜空を駆ける仲間たちをステージから見上げるジニー。

そのジニーに向かって飛んでくる一羽の鳥。それはまるで光の国の使者。

『モフィ!私を選んでくれるの!?』

成長モフィを抱きとめると、ジニーは再びウィッチに。頭からは前とは違う大きなな羽。魔導針はヘッドホンではなく巨大なアンテナ。

そこから発せられた音楽と映像は地球全土を覆って各国へ。

ルミナスを幻視する人々は観客の姿となって会場に。


受け取るだけで伝えることのできなかったジニーのナイトウィッチ能力は一気に双方向送受信に。

モフィが帰って来るのは鉄板のお約束でしたが、このような能力まで具備しようとは。宮藤の桁外れシールドに並ぶチート能力です。

『私はもう一杯頑張ったから。センター交代だにゃ』


幕間を繋ぐのはグレイス隊長。ルミナス全員の音楽を伝えるのなら隊長の歌だって。

正にアメイジング・グレイス


公演後、何故かモフィは雛(?)の姿に逆戻り。

『これじゃ元の木阿弥じゃない!?』

オラーシャ帝国(ロシア)出身のくせに日本の故事成語を知っているとは博学だなミラーシャ。

『え~本日も一杯のお運びで』とか言い出しそうなモフィです。


あれこれ言われていた本作ですが「届かない。届けたい。届け」「自分の一番を自分で選ぶ」「置かれた環境で今出来る事をやる」といったテーマは全編を貫き綺麗に回収されておりました。

作り手としては2期どうするか悩ましい所かもしれませんが、他ウィッチーズと絡めても良いので是非続きを撮って欲しいと思います。

 

 

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★本日9月27日は武闘家兼俳優ケイリー=ヒロユキ・タガワ(1950~)の誕生日(おめでとうございます!)

この人が関わった映画は「日本文化(我々の知っているものとは大きく異なる)」の伝承に多大なる貢献をしているものが多いです。

今回はこの2本で日本文化(と中二文化)を堪能してください。