いい加減、ネタ目的の鑑賞は慎もうと思ってはいるのですが、全2作(犬鳴・樹海)の惨状を思うと、どうしても期待してしまって…。
今度はどんな爆笑ヒットパレードを魅せてくれるのか、期待に胸膨らませて鑑賞。
冒頭いきなりYoutuberアッキーナ(もうこれ導入部のお約束なのか…)が出て来た時点で記録更新を確信したのですが、終わってみれば意外なことに、
…ものすごく普通…
な仕上がりでした。出来栄えなどハナっから期待していないので、お話に大きな破綻がないだけで、評価うなぎ登り。同じ脚本家の仕事とは思えません。
全2作を20点(甘すぎ?)とするなら余裕で40点は超えています(100点満点でですよ、念の為)。
「牛首村」(2021年/清水崇監督)
お話に新味はひとつもないので、ストーリーの説明は割愛。ただ、観た時に最初に思い出したのは、吉田戦車のこの👇4コマ(スペースの都合上、コマの配置を変えています)。
ま、要するにそういう話です(強引)。
本作の見どころ一番は、「北陸最恐の心霊スポット」として名高い坪野鉱泉(正確には廃墟となった旧坪野ホテル跡)の全景が拝める事(内部はまあ、別の場所かセットでしょう)。
ラストカットでホテルの俯瞰映像が映し出されますが、周りに何もない原っぱにこのホテルだけがポツンと建っている光景は実に異様。
こんな景観が現出したのには理由があります。
ホテル坪野が自己破産したのは1980年5月。
82年にはどこに出しても恥ずかしい立派な廃墟になっておりましたが、85年9月に旧館で火災発生。
さらに1990年(平成2年)3月3日には、敷地内の薬師堂が全焼。
1993年(平成5年)までに隣接する施設は解体されましたが、元の所有者が所在不明で保証人らと債務弁済などについて折衡中であるため管理する人もおらず、施設はそのまま放置され現在に至っています。
全盛期にはローマ大浴場、正面に半円形の舞台をしつらえた和風レストランシアター、ワイキキプールなどを備え、1976年には総工費1億円をつぎ込んだ「ネッシーランド(1979年に「南太平洋」に改称。自己破産の引き金)」まで。
鉱泉の泉質は弱食塩泉でした。温泉地の廃墟はちょっと格別なものがあります。
★例えばここも…
付け足しみたいで申し訳ないですが、主役のKōki,さんは頑張っていたと思います。
怖さで言えば、「黄昏乙女×アムネジア」の生贄パートの方が遥かに怖かった(と言うかパクってないか?)ので、よろしければこちらも(いや、こちらを)是非。
★前2作のご紹介はこちら。
★あーあと、牛でホラーと言えばこれですよねえ。