デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

普通という遠い憧れ。 チェンソーマン #01

『この間、聞いたんだけどさ。普通、食パンにはジャム塗って喰うらしいぜ。まぁ俺たちは普通なんて夢の話だけどな。』

かろうじて雨風がしのげる掘っ立て小屋。デンジとポチタの侘び住まい。

死んだ(首吊った)親父が残した借金が積もり積もって3,800万円(貸主はヤクザ)。腎臓売って片目売って金玉片方売っても焼け石に水

比較的割りの良い仕事がデビルハンター(斡旋者はヤクザ)。しかしそれとて返済と手数料その他差っ引かれれば、買えるのは食パンくらい。

『夢叶うなら、女抱いてから死にてぇなぁ』

それは遠い彼方の蜃気楼のような憧憬。

『夢くらい見させてほしいよな』

チェンソーマン/第1話・犬とチェンソー(2022年10月11日深夜テレビ東京放送/中山竜演出)

親父が首吊って借金だけが残った日。デンジの前に現れたチェンソーの悪魔。

一旦は死を覚悟したデンジですが、悪魔の横っ腹には複数の傷と出血。

『お前も死ぬのか。…噛め!悪魔は血ぃ飲めば傷治るって聞いたことがある。死にたくないなら噛め』


『俺の血はただじゃねえ。これは契約だ。お前を助けてやるから俺を助けろ。やっぱ俺も死にたくねえ』

こうしてデンジはチェンソーの悪魔、ポチタを相棒にヤクザお抱えのデビル・ハンターに。


薄利多売。死と隣り合わせ。母親譲りの心臓疾患。いずれ死ぬのは間違いない。そうなったらひとり(一匹?)残されたポチタはどうなる。

『悪魔には死んだ人の体を乗っ取れる奴もいるらしい。ポチタにそれが出来るんだったら、俺の体をポチタにあげてぇんだ。墓入った後だったらヤクザも追ってこれないだろ?そんでこの街を出て、そんで普通の暮らしをして普通の死に方をしてほしい。俺の夢を叶えてくれよ』


多くは望まず、真面目に生きて来たデンジですが、ゾンビの悪魔に魂を売ったヤクザ組織に裏切られ、ポチタ共々切り刻まれて…。

『何も金持ちになりたいわけじゃねえ。ただせめて普通の生活がしたいだけなのに。んな事も叶えられねぇのかよ!』

絶命。しかし、デンジの血を吸ったポチタが蘇生。いつかの約束を果たすため…。

『私はデンジの夢の話を聞くのが好きだった。これは契約だ。私の心臓をやる。代わりにデンジの夢を私に見せてくれ』


ポチタがデンジの心臓に。チェンソーの悪魔の力を手に入れたデンジはチェンソーマンとして復活。

悪魔は勿論、ゾンビと化したヤクザの群れも斬って刻んで。

『そっか、テメエら全員殺せばよぉ、借金はパァだぜ!』


殺戮の一夜が明けて…。

パーティ会場にやってきたのは公安直属のデビルハンター、マキマ。

血の海、生肉大陸に佇むデンジを抱きとめると…。

『君の選択肢はふたつ。悪魔として私に殺されるか、人として私に飼われるか。飼うならちゃんと餌はあげるよ』

『餌って…朝飯はどんな?』

『食パンにバターとジャム塗って、サラダ、コーヒー、あと、デザート…かな』

『最高じゃないすか…』

いきなり夢にリーチかけちまったな、デンジ。


製作委員会方式を用いずMAPPAの1社出資のみで製作しているからか、動き良し血糊良しゴア良しグロ良し、ついでに声のイメージがど真ん中という会心の第1話となりました。

余談ですが、デンジの親父の借金、最初は70万程度だったみたいですね。それが3800万て。流石ヤクザ、といちの複利にでもしたのでしょうか。

悪魔金利で内臓売買と言えば…。

 

◆以下、年寄の妄言。

いやしかし、今更ながら「デビルマン」が後世に与えた影響って大きいんだなぁと。

悪魔に囲まれて絶体絶命→悪魔の肉体と能力を手に入れる→取り囲んでいる雑魚キャラを皆殺しにする→死体の山を前にして独り佇む→最後は抱きかかえる(抱きかかえられる)構図で終わる。


見事です(年寄は何でも自分の数少ない経験値に照らして現在と過去を紐付けしたがります。悪い癖です)。

 

 

 

ランキング投票です。悪魔の体を手に入れたい方はワンポチを。

 

 

★本日10月14日は永作博美(1970~)の誕生日(おめでとうございます!)
そう言えば昔、永作と夏川結衣ベトナム観光する番組のビデオをよく眺めていたなぁ。

本日は永作が「いい感じ」のこの2本を。