『海王深海ステーションにようこそ。ここは水深100mの地点に位置し、4つの遺伝子研究棟があります。奥は巨大な養殖場になっていまして、サメの遺伝子実験を行っています』
「水深100m」「遺伝子実験」「養殖」「サメ」
冒頭の一言だけで内容が全て想像でき、その通りになる親切設計。
「シン・ジョーズ 最強生物の誕生」(2020年/チェン・シュー監督)
以前ご紹介した「シン・ジョーズ」とは全くの別物。
近年躍進著しい中国産激安モンスターです。
お話は簡単。医療革命を起こすため、サメにミミズの遺伝子組み込んだら、突然変異、巨大化・狂暴化した上に陸上走行可能になって大騒ぎ。
更にオスのくせに妊娠(無性生殖)という離れ業まで。
ベースは「ディープ・ブルー」と「メグ」その他諸々。
セットも脚本もキャラもCGも安い安い。
真面目に観ちゃいけないんだろうなあ、と思いつつも突っ込まずにはいられない安普請が最大の魅力。
海に面したガラス窓にサメが激突してアメリカ製の防弾ガラスが木っ端微塵。
当然海水が流入してくるのですが、何故か室内をテキトーに満たした所でストップ。
は? 水深100mだろ。海面は遥か上なんだから、室内は完全に水没するはずでは?
隣の部屋に逃れてハッチを閉じて流入を途中阻止したとか言うのなら分かりますが。
多分これ「パニック・マーケット」ごっこがしたかったが為の確信犯ですね。
左:パニック・マーケット 右:シン・ジョーズ
安いにも程がある人間模様を展開して、入り込んで来たサメと小競り合い。
ハッチが開かず逃げられないとなった時にひとりが叫ぶ。
『通風口から地上に出られる!』
水深100mだったよな…。
で、これを登ったら雑木林のようなところに…。
水深100m…だったよな。
沖合何kmの所に建設したのか知らんが、直上は海だよな。高低差100mの道のりを斜め(もしくは縦横)に迂回しながら進んだということか。それとも中国では海の上は林なのか。
本作の見どころはミミズの遺伝子融合による突然変異の為、地底も地上も滑るように這いまわることができること。
既に「ランド・シャーク」とか「スノー・シャーク」とか「シャーク・プリズン」とか先達がわんさかいるので新鮮味は微塵もありませんが、市街地破壊工作は怪獣映画のようで見応えあり。
ただし、シーン的にはほんの僅か。もう怪獣映画と開き直って破壊の限りを尽くしてくれれば、それはそれで溜飲が下がったのに…。
★タイトルは似ていますが…
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