「MEG ザ・モンスター」(2018)への出資で味を占めたのか、量産の一途を辿る中国産激安CGモンスター巨編。
いやCG自体は割とマトモなのですが、お話が、脚本が、演出が激安。
今回はスノーシャークを出汁に使って、トロル(orビッグフットor獣人雪男、みたいな)的神獣がお目見えです。
「スノー・モンスター【大雪怪】」(2019年/フアン・ヒー監督)
冒頭いきなり「天岡R045年 北極X-36氷原」の謎字幕。
いつだよ!? そしてどこだよ!?
これはまぁ「本作はSFだから、多少理屈に合わない所があっても四の五の言うなよ」という宣言みたいなものなのでしょう。
北極と思しき氷原を走っているのは、「宏(ホン)遺伝子」の車。
遺伝子に影響を及ぼすレベルの磁場構造の変化を観測したため、調査に来ているようです。
ここで調査隊は謎の巨大生物に遭遇して音信途絶。
車は洒落にならない落差の崖を景気よくローリング。どう考えても全員死んでいます。
で、救援部隊を結成。リーダーは調査隊にいた紅一点・小琴(シャオチン)の元カレで今は隠遁生活の酔っ払い探検家、任一飛(レン・イーフェイ)。
ここに用心棒的軍人崩れが加わって…ってもう設定全部一緒だな。
調査隊のルートをトレスして後を追うのですが、着いたのはタイとかカンボジアにありそうな遺跡。
あれ、北極で音信途絶したんじゃなかったっけ?
この遺跡をペタペタ触っていたら、突然地面から石柱がニョキニョキ生えて、足元が沈下崩落、でっけー穴が開いて全員墜落。
洒落にならない深さの穴を垂直に落下、どう考えても全員死んでいます(勿論、怪我ひとつなく全員無事)。
穴の底には横穴が。ここで人間の後頭部に体当たりしてくる鋭利な嘴を持ったトリの大群に襲われ(このトリ、最近「ダンまち」で観たな)、洞窟の奥に逃げたら出口は断崖絶壁。
洒落にならない岩ごっつごつの急斜面をバウンドしながら景気よく転げ落ち…。どう考えても全員死んでいます(勿論、全員以下略)。
落ちきったらそこは氷原。は?え、何、調査隊もこのルートでここ来たの?
車ごと穴に落ちて、洞窟突っ切って、崖滑り落ちて?
『そこは小琴と連絡が途絶えた場所だ』
無線からは宏遺伝子の沈(シェン)所長の声。
座標が特定できているのなら、最初から空路でここ来りゃええやん。なに遺跡の謎解きとかやってんだよ。あと、調査隊も遺跡の謎解いたんなら解き方報告しとけよ。
で、ここで襲ってきたがスノーシャーク。
そのスノーシャークを片手で捕まえたのが神獣・大雪怪。
大雪怪の大暴れでメンバー散り散り。任一飛は氷原の原住民(お約束!)に助けられ、小琴と再会。
もともと小琴の救出なんざどーでも良かった宏遺伝子の研究者のおっさんは金で用心棒軍団を買収して大雪怪生け捕りを画策。用心棒のリーダーは、
『雪怪の捕獲のために将軍に助けを求めた。座標を贈ったから入口を探しているはず』
は? 君ら研究所に金で雇われた傭兵じゃなかったの? 連絡一本で将軍(誰?)が動いてくれるような立場の人だったの? 入口を探しているはずって、あの遺跡の事? あ、やっぱ座標だけじゃ来れないんだ。
で、やってきた援軍がこちら👇。
戦闘機!? それも3機。これ全機、あの遺跡の穴と洞窟潜って来たの?
一件落着したら「じゃ俺たち帰るから」って笑顔で手を振って別れていきましたが、お前ら全員、気絶しているうちに運ばれてきたんだろ。場所分かってんのか?
何のランドマークもない氷原をどうやってあの入口まで? その入口だって結構な崖の横っ腹だろ。装備も無しで登れるのか?
という心配をよそに無事帰着。研究所に着いて初めて父娘の抱擁…っていやいや、こちらの世界に戻れた時点で電話の一本くらい入れるだろ普通。報連相しろ報連相。
いやもう突っ込みに手一杯でとても内容を追うどころの騒ぎじゃ…。
まあ兎に角、中国人は不死身という事だけはよっく分かりました。
★中国産でっかい生き物
★米国産ならビッグフット
★日本産なら勿論、獣人雪男
★北欧にだっているぞ!
★ウルトラ低予算な本家スノーシャーク
★本日のTV放送❶【13:00~BS-TBS】
★本日のTV放送❷【19:00~BS12/土曜洋画劇場】