『相変わらず容赦ねえな』
『私や私の友人に手を出そうとしたのよ。無傷で帰せるわけないでしょ』
できれば、いや絶対に敵に回したくない女、群堂みすず。
その知恵の輪並みに鬱屈した想いを何故か一番理解している英国人キャロル。
主役二人がモブに見える存在感と佇まいです。
「トモちゃんは女の子!/第8話・夏祭りの夜|二人の距離感」(2023年2月22日/塚田拓郎、駒宮僅演出)
冒頭、みすずとキャロルがトモの家でお泊り会。
実はもの凄~く期待していたシーン👇があったのですが、(恐らくは尺の都合で)まるっと割愛されてしまいました。
何故か昔からむさ苦しい男ばかり寄って来るので「可愛いもの」に飢えているトモ母あけみがキャロルに一目惚れして「うちの子にする」宣言。
返す刀でみすずも抱っこ(みすず曰く『あの家には魔物がいるのよ』)。
トモ父五郎もキャロルを見て
『何ものをも恐れぬ強者の目をしている…お主、何者だ…?』
やはりただ者ではありませんでした、キャロル。
このトモ宅訪問エピは第5話「譲れない想い」のみすず宅訪問エピと対をなしていて、トモを母あけみと間違えた後『本当に似てきたわね。あんな女になっては駄目よ』と言ったみすず母に対し、みすずを母みさきと間違えた後、『そっくりだな…あんな女になってはいかんぞ!』と言う五郎という韻を踏んだ構成になっています。
可愛いもの好きのあけみと、みさきの存在がトラウマになっている五郎というキャラが面白くて期待していたのですが残念です。
という小ネタをすっ飛ばして、女子会の夜は王様ゲーム。王様となったみすずの命令は『トモが週末の花火大会に淳と行く。ふたりだけで』。
番号関係ないし、その場で出来ることでもありませんが、王様の命令は絶対です。
その足で淳の家まで行って直接お誘い(電話という手段は思いつかなかったのか)。
快諾した淳ですが、いつもと比べるとテンション低め。
前回の海水浴の件もあって、これまでの「拳で語り合う親友」とはちょっと違う(異性を意識した)関係になりつつある二人。
『いいのかなあ、このままで』
『何が?』
『今の淳くんとトモちゃんなら、普通の女の子と男の子みたいにつきあえるかもしれないけど、本当にそれでいいのかなぁ~って』
みすずに「ほっぺふにふにの刑」を受けるキャロルでした。
夜は何故かキャロルがトモを抱き枕に。
しかし、翌朝目覚めると…。
花火大会当日。浴衣姿のトモは後光通り越して全身発光状態。淳正視不能。
中学の時にスルーされた告白も、今ならちゃんと伝わるかもしれない。しかし…
《今回は正しく伝わる気がする。伝われば「今」が終わる。今が終わって「何か」が始まる。何かって何だ? あたしには何もねえじゃねえか》
今じゃねえ。打ち上がる花火。
『綺麗だなぁ』『おう!』
淳の心に残ったひとつの確信。
『俺はもう、トモと本気で殴り合えない』
夏休み明け。淳との間に微妙な距離感を感じるトモ。
『変わってきたねえ。トモちゃんと淳くん。みすずちゃんの計画通り、だよね? あんまり嬉しそうじゃないけど』
『うるさいわよ』
いやホント良いコンビになったなあ、この二人。
後半は何とかデカ女(トモ)に一矢報いようと、みすずとキャロルに手を出そうとした不良グループの受難。
『全員、顔は覚えたわよ…』
日野日出志かよ。怖すぎです、みすずさん。
キャロルはにこやかにスタンガン。ちゃんとゴム手袋している辺り手慣れています(絶対使ったの初めてじゃないだろ)。
キャロルを巻き込まないためにみすずが言った『あの子は関係ないわ。ただのクラスメイトよ』という言葉がお気に召さないキャロルでしたが、『あなたの事は一応…友人…のようなもの、と思っているわ』と訂正されて上機嫌(でもハグ&キスは失敗)。
キャロルを連れて廃工場に逃げ込んだ(誘導した)みすずが淳に救援依頼。
トモには内緒でね、と念を押しましたが、勿論友人の危機を捨て置くトモではなく…。
『来ちゃったね、トモちゃん』
『そういう子だから。来る気はしてたわ』
『あたしはそういうトモちゃんが大好きだよ。みすずちゃんは違う?』
段々キャロルがメンタルヘルスアドバイザーに見えてきました。
不良グループは淳&トモ(+全身殺気の塊で乱入してきた御崎先輩←水たまりに突っ込んだキャロルが着替えているのを不良グループに乱暴されたと勘違いした)にズタボロにされた挙句、みすずに脅されて完全撤退と相成りました。
『どんな小物でも、不良の端くれなら「相沢道場」は知ってるでしょ?』
『!!この辺の悪い奴らなら皆知ってる!伝説の番長・相沢五郎が率いるイカれた世直し集団!』
『トモはその道場の一人娘よ』
『ゆ、許してくれ!知らなかったんだ!』
今後、誰かが、私たちに手を出したら、それが誰であろうと仕返しはあなたにする。死にたくなければ全身全霊で守りなさい。私たちとあなた自身を。
相沢道場ってそんなアンタッチャブルな存在だったのか。この切り札をボコボコにした後の交渉に使う…マジ敵に回したくありませんみすずさん。
今回はみすずのトモに対する鬱屈した想いが垣間見えるエピでした。
おまけ
夏祭りのテキ屋さんにとって、トモは伝説の存在でした。その通り名は、
《テキ屋荒らし、夏祭りの悪魔》
そ、そんな呼ばれ方していたんすか、トモさん。
一方、キャロルはみすずと(真意はみすずに余計なちょっかい出させないための監視)。
お面の屋台で赤鬼を指さして「これはトモちゃん」、謎のデーモンマスクを指して「みすずちゃん」。
しかし、キャロルが買ったのはみすずちゃんマスクなのでした(何か凄くイイハナシ…のような気がする)。
今回は無駄に長くなってしまいました。それだけ盛り沢山だったと言う事でしょう。
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★本日2月25日は≪狂乱の貴公子≫リック・フレアーの誕生日(74歳!おめでとうございます!)。
NWA、WCW、WWE、3団体(WWEの前身WWFも含めれば4団体)の世界ヘビー級王座のベルトを巻いた男。
「箒相手でもプロレスができる」と形容された試合巧者。
生観戦したのは1987年3月12日のNWA世界戦。場所は日本武道館。挑戦者は輪島大士。
今回は当日の試合に触れた「輪島追悼記事」とその日、会議をバックレて会場に行ったら日テレのカメラに写ってしまった「アニマル・ウォリアー追悼記事」を。