化けましたね、この監督。「マミーvsフランケンシュタイン」撮った人とは思えません。
まあ、比較のハードルが低すぎて相対評価が上がっただけかもしれませんが…。
「テリファー」(2016年/デイミアン・レオーネ監督)
《全米失神》《全米嘔吐》みたいな触れ込みで6月2日から公開される続編「テリファー 終わらない惨劇」の前日譚(未公開でしたが、5月5日から2週間限定公開)です。
ピエロものはイマイチ食指が動かない(ユーモアの対象としても恐怖の対象としても馴染みが薄い。あの大ヒット作ですら前半でどーでもよくなった)のですが、ゴア描写が凄いと聞いて遅ればせながら(すみません、劇場鑑賞ではなくアマプラです)。
看板に偽り無しで、ゴア/グロ/スプラッターに耐性の無い人にはちょっと辛いかもしれません(見慣れている人にはいつもの光景)。
ハロウィンの夜、ふらりと現れて行き当たりばったりに殺戮の限りを尽くすピエロ姿の怪人物、アート・ザ・クラウン。
気になる黒ビニール袋の中身は…解体七つ道具!「ツールボックス・マーダー」リスペクトでしょうか?
この手の作品は、登場人物の紹介方々、日常描写から入って、徐々に惨劇にすり替わっていくもの(典型例「ハロウィン」。ローリーの日常描写と来るぞ来るぞという期待感がメインでマイケルはぶっちゃけ出オチ)ですが、本作は殺戮ジェットコースター。
静かなのは導入部だけ。すぐにギアチェンジしてスプラッターモード突入。そのまま休憩無しで一気呵成に殺し続け。
自撮りのお礼は自撮りでね。
意味とか理由とか必然性とか全部うっちゃり。撮りたかったんだよスプラッター!な意気込みだけで完走しています(お話に厚みを求めると楽しめません。逆に続編で解説とかされると白けるからやめてほしいくらい)。
ホラーのお約束を律儀に果たしているとも言えますが、突っ込みどころは数知れず。大勢で突っ込みの掛け合い(「ノコギリでかよ!?」「撃つのかよ!?」「死んじゃうのかよ!?」etc.)をしながら観ると良いでしょう。
クラウンが一言も喋らない(ダメージを受けても痛がり叫ぶ表情だけで声は出さない)のと、(時間軸は現代ですが)色合いが70~80年代っぽい(ハーシェル・ゴードン・ルイスっぽい)のは評価ポイントでした。
久々の電波系サイコキラー登場か!?と思わせてスーパーナチュラルに流されてしまうオチを「安直」と取るか「これぞB級!」と取るかは意見が分かれるところかもしれません(正直、私はちょっとがっかり)。
クレジットの最後に「ウェス・クレイヴン、ジョージ・A・ロメロ、トビー・フーパーに捧ぐ」の文字がありました。
★クラウン大暴れの映画と言えば…
★工具の手入れは忘れずに。
★ついでなので同じ監督が撮ったとは思えないグダグダ仕事も。
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★本日5月14日は佐原健二(1932~)の誕生日(91歳!おめでとうございます!)
万城目淳だけで永遠の特撮アイコンになったお方。
今回は「ウルトラQ」から地味なのにアブナイ1本と、感涙のゲスト出演を果たしたこちらを。
★本日のTV放送【19:00~TOKYO MX/スクリーンMX1】