『スケコマシ!』
英語字幕は『PHILANDERER!』
辞書を引くと「女たらし」「遊び人」。
動詞(PHILANDER)になると「(他人の妻と)不倫をする」「(結婚を前提にしないで女性と)戯れる」になります。
中見くんはスケコマシです。
「君は放課後インソムニア/第8話・集まり星」(2023年5月29日深夜テレビ東京放送/半田大貴演出)
部員2名の天文部が部の存続を賭けて企画した一大イベント「流星群観測会」。
有志を集めポスター作ってチラシ配って生徒会に企画を通し道路の使用許可(道案内立たせるので)まで取って挑んだ本番当日は…雨。
それも川の水位がぐぐっとせり上がるレベルの豪雨。
『いつも…順調に進んでいると思う時ほど、必ず最後に台無しになる』
どうやら中見くんは「ちょっと不幸な星の下」に生まれているようです。
幼馴染の受川くんの話によると、小学生の頃の中見は足が早く、びゅんびゅん飛んでいるようだったらしい。
でもある時からガクンと遅くなり…原因は足が大きくなったのに靴を買い替えず、踵を潰して履いていたから。
つまり、そのころ、中見の成長を気に掛ける人がいなくなってしまったのでしょう。
それは中見の夢の中で小さい中見の手を引いていた女性。星々を見上げる美しい夢なのに目覚めた中見は泣いていました。
雨天中止のショックと責任から雨の中駆け出していく中見(駅に参加者が来ているかもしれない、という口実)。
残ったメンバーは倉敷先生のおごりで打ち上げへ。
中見も呼び出しますが連絡つかず。白丸先輩が駅ルート、曲が川ルートで捜索。
…いた。傘もささず、川沿いの道を夢遊病のように…。
『中見!』
雨を避けてバス停へ。
『中見、憶えてるかな。初めてのお楽しみ会の夜、ここでおまわりさん、隠れてやりすごしたね』
『あの時も、俺は不安で心臓がドキドキしてとまらなかった』
『知ってたよ。そのドキドキを聞いて、私もドキドキしてた。あの日からずっと、中見は私の特別なんだよ』
告白。互いに照れ。『俺も』と言いかけた中見の口をむにっと押さえて…。
視線を上げると…白丸先輩。
『スケコマシ!』
★今週のベストショット★
観測会の中止も曲の告白もこの白丸先輩カットが全部持って行ってしまいました。
見方によっては胸キュンシーンに水を差すギャグカットな訳ですが、いいんです。わたし、白丸先輩推しなので。
打ち上げ合流後もエビを使って嫌がらせ。
『食べ物で遊ぶのお行儀悪いですよ』
受川くんはこの作品の良心です。
ついでなので「スケコマシ」という日本語も調べてみましょう。
女性を示す「スケ」とたらし込む、誤魔化す、騙すなどを意味する「こます」の名詞形「こまし」という俗語から成る合成語で、女性を騙す、たらし込む、口説く(その気がないのに結婚の意志をちらつかせるなど、嘘をついて口説くという意を含むことが多い)、女性を売り飛ばすといった女性を騙すことに通じる行為やこうした行為をする男性を意味する…んだそうです(参考:日本語俗語辞書)。
騙すは想定内でしたが、売り飛ばすという女衒的な意味合いもあったんですね。
因みに江戸時代から使われた接尾語で「~してやる」という意味の関西方言「こます」(使用例:いてこます。意味:ボコボコにしてやる)とは異なる言葉のようです。
以下余談です。
個人的感想ですが、流星観測会は中止で良かったなぁと思います。
だって企画者協力者全員素人(かろうじて白丸先輩がややセミプロかも)なんですよ。
誰も解説できないじゃないですか。見上げる方角の指示すら怪しい。流星群が始まるまでの時間、どうつなぐ?
これが「宙のまにまに」の路万健康(ろまたけやす)部長なら、星のロマンを何時間でも語って流星群が見られるまでの時間を期待に変えることができたでしょうが、中見にはどう考えても…。
やはり一般人巻き込み企画には相応の専門家が必要だと思います。
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★本日5月31日は…すんごいです。
伊福部昭先生を筆頭に、アリダ・ヴァリ、井上梅次監督、蔵原惟繕監督、クリント・イーストウッド、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督、ジョン・ボーナム、トム・ベレンジャー、榊原良子、日髙のり子、ブルック・シールズ、コリン・ファレルがお生まれになった日でございます。
悩ましい所ではありますが、たった一言で場をさらい声優の存在感をまざまざを見せつけてくれた榊原良子のこの作品を。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】