アフリカのサバンナで殺戮ライオンが「ご機嫌いかが?」
車動かず、外出られず、武器もなく。
車の外にいるのが大型狂犬でも十分恐ろしい(クジョー)のに、それがライオンなら尚更です。
良かったなあ、相手がフルCGで。
「ビースト」(2022年/バルタザール・コルマウクル監督)
ネイト(イドリス・エルバ)は医者ですが、妻の癌兆候に気付かず。あれこれすれ違いがあって別居していたら癌進行してお陀仏(合掌)。
娘二人はその事を未だ根に持って何かとトゲトゲしい。
ネイトは妻との出会いの地、南アフリカに娘を連れて行き、関係改善を図ろうとするのですが、そこには密猟者に群れを殲滅させられた恨みで人間を見たら喰わずに殺す殺人マシンと化した一匹のライオンが待ち構えていたのでした。
という古文書レベルで新味のない設定ですが、見どころはあります。
まずいかにも余計な事をしそうで実際やってしまうクッソ生意気な娘(特に長女)。
自分の行動が二次災害を引き起こすかもしれないという事を微塵も考慮することなく、自分勝手な正義感で動く動く。
動くなと言われたら動くな。
あと車の外に猛獣がいる時は何はさておき窓閉めろ。
お父ちゃんも子供に車の運転とかさせるな。ほら樹にぶつかって動かなくなった。
ライオンと寝食を共にしたことがないので、細かい生態は存じ上げませんが、ライオンって視覚よりも嗅覚・聴覚で狩りをするんじゃありませんでしたっけ?
川の中パチャパチャ音立てて移動したり、木に登っただけで真上にいるのに見つからないなんて事あるのか?
ついでにネコ科の動物って夜目が利くんじゃありませんでしたっけ?
きっとこのライオンさんは蓄膿で中耳炎で老眼だったのでしょう。
これでライオンさんのエグイ殺し技(頭喰いちぎるとか、はらわた引きずり出すとか、リッカーばりのジャンピング張り手で首千切り飛ばすとかさ)でもあれば多少は溜飲が下がったのですが、そんな描写は一切無し。
ガウ!と飛び掛かってお終い。まあ状況的に死んだって分かるよね。じゃそーゆー事で、な観客丸投げ。いやあ、そこは多少レートを犠牲にしても描こうよ。
最後はもちろんライオン対お父ちゃんのタイマン勝負(ちっこいナイフ1本持っていますが、ほぼステゴロ)。
狩猟用の武器持った密猟者たちは全員ほぼ一撃で屠られている(映りませんが)のに、お父ちゃんだけは喉笛狙わずスキンシップ乱闘。
人もライオンも偏差値貧乏過ぎではありますが、テンポはそこそこですし、CGライオンの動きや質感は上出来なので、大勢でわいわいツッコミ入れながら観るのであれば十分楽しめると思います。
★ライオンで突っ込み祭りと言えば、
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★本日6月4日はライオンならぬ牛殺し(合計47頭を素手で倒し、うち4頭は即死)の伝説を持つ大山倍達先生(1923~1994)の誕生日。
大山先生を直弟子(元極真会館本部道場師範代、元マス大山カラテスクール責任者)の真樹日佐夫先生が演じたこちらをどうぞ。